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「ほう? それでさらにこの善良そうな一般市民にリオ、お前は掴みかかったと? そういうことかい?」
「あ、ぅ……それは……」
自分に不利なことを聞かれて下を向いたまま答えられないリオとかいう騎士。
「ぜ、善良な市民なんかじゃありません団長!こいつは……東の民で……み、身分を証明する物を所持していなかったんです! 財布をすられたからって逆上して掴みかかってきて……」
「ふぅん、なるほど……」
リオの言い分を聞いたら、今度はこちらに目を向けてくる舌を噛みそうな名前の団長様。
「それじゃあ、君の言い分を聞こうか」
「え……えっと?」
「身分証を持たない君がこの若騎士のリィゥオルに最初に掴みかかり、彼が応戦した、そう言うことでいいのかい?」
ギロリとリオに睨まれながら、団長に君の言い分をと問いかけられた。
余計なことを言うな! という圧がリオからかかる。
はぁ、なんかもう面倒くさいな。すっごい疲れたし、もうこんなのはさっさと終わりにしたい。
もう俺が掴みかかった、俺が悪かったってことでいいよ。
って俺が言うと思ったかよ!
「いいえ、全く違います」
「ほう? どう違うんだい?」
「おい! お前……っ!」
面白そうな顔で興味津々の団長様と違って、リオの方はサァっと顔が青くなっていった。
俺の口を塞ごうと俺の方に手を伸ばす。
「リオ、今はこちらに言い分を聞いている。お前は黙って聞いてろ」
そのリオの手を団長様は掴み、俺とリオの間に入り込んでリオの体を押し出した。
「っ……ぃっ!」
押し出した時にリオは手首を捻られたのか、痛そうに顔が歪んだ。
団長様が俺に話の続きを促すようにこちらに視線をよこしたので、俺は話を続けた。
「このリオ? という騎士様は、最初から俺の財布盗難被害の調書を取る気がなかったようで、ずっと偉そうな態度でした。俺が東の民であるとわかると、差別的な対応でこの王国から出ていけと言われました。俺だけじゃなくて、育ての親のじいちゃんのことまで悪く言われて……それで俺が感情的になって抗議したら、胸ぐらを掴まれました。俺が騎士様の胸ぐらを掴んだ事実はありません。
それに、その机の上の調書を見て貰えばわかると思いますが、落書きばっかりしています。」
「んなっ……!」
もうリオの顔色は真っ青を通り越して緑色にも見える。
ザマァみろだ!
ああ、スッキリした。溜め込むのは良くないなー。
「ふむ。確かに、落書きばっかりのようだね」
団長様が調書の紙をぺらりとめくってそう言った。
「リオ、君は調書もろくに取れないのかい。君には期待しているのに、残念だよ」
「……くっ!」
リオのヤツは、今度は頭に血が上ったように血管が浮き出し、ギリギリと歯軋りしながら血走った目で俺を射殺さんとしている。
青くなったり、緑になったり、目を血走らせてみたり、忙しいヤツだな。
「このことは本部にも報告させてもらうよ。リオ、君には1週間の謹慎処分を課す。このまま寮の自室に戻るように」
「……っ、はい……わかりました」
わかったとは言いながらも納得がいかないのだろう。
ずっと俺を恨みがましく睨みつけてくる。
そんなに睨んだって事実は変わらないし、俺は怯えたりも怯んだりもしない。
「さあ、行け」
そう団長様に言われてリオはやっと立ち去った。
「さぁ、君、こちらへ来なさい。盗難の調書を取るからね」
団長は俺に声をかける。
「え? いや、俺はもう……」
もういいです、の言葉も言わせてもらえず、がっちりと肩を掴まれて俺は団長様に連行されてしまった。
「あ、ぅ……それは……」
自分に不利なことを聞かれて下を向いたまま答えられないリオとかいう騎士。
「ぜ、善良な市民なんかじゃありません団長!こいつは……東の民で……み、身分を証明する物を所持していなかったんです! 財布をすられたからって逆上して掴みかかってきて……」
「ふぅん、なるほど……」
リオの言い分を聞いたら、今度はこちらに目を向けてくる舌を噛みそうな名前の団長様。
「それじゃあ、君の言い分を聞こうか」
「え……えっと?」
「身分証を持たない君がこの若騎士のリィゥオルに最初に掴みかかり、彼が応戦した、そう言うことでいいのかい?」
ギロリとリオに睨まれながら、団長に君の言い分をと問いかけられた。
余計なことを言うな! という圧がリオからかかる。
はぁ、なんかもう面倒くさいな。すっごい疲れたし、もうこんなのはさっさと終わりにしたい。
もう俺が掴みかかった、俺が悪かったってことでいいよ。
って俺が言うと思ったかよ!
「いいえ、全く違います」
「ほう? どう違うんだい?」
「おい! お前……っ!」
面白そうな顔で興味津々の団長様と違って、リオの方はサァっと顔が青くなっていった。
俺の口を塞ごうと俺の方に手を伸ばす。
「リオ、今はこちらに言い分を聞いている。お前は黙って聞いてろ」
そのリオの手を団長様は掴み、俺とリオの間に入り込んでリオの体を押し出した。
「っ……ぃっ!」
押し出した時にリオは手首を捻られたのか、痛そうに顔が歪んだ。
団長様が俺に話の続きを促すようにこちらに視線をよこしたので、俺は話を続けた。
「このリオ? という騎士様は、最初から俺の財布盗難被害の調書を取る気がなかったようで、ずっと偉そうな態度でした。俺が東の民であるとわかると、差別的な対応でこの王国から出ていけと言われました。俺だけじゃなくて、育ての親のじいちゃんのことまで悪く言われて……それで俺が感情的になって抗議したら、胸ぐらを掴まれました。俺が騎士様の胸ぐらを掴んだ事実はありません。
それに、その机の上の調書を見て貰えばわかると思いますが、落書きばっかりしています。」
「んなっ……!」
もうリオの顔色は真っ青を通り越して緑色にも見える。
ザマァみろだ!
ああ、スッキリした。溜め込むのは良くないなー。
「ふむ。確かに、落書きばっかりのようだね」
団長様が調書の紙をぺらりとめくってそう言った。
「リオ、君は調書もろくに取れないのかい。君には期待しているのに、残念だよ」
「……くっ!」
リオのヤツは、今度は頭に血が上ったように血管が浮き出し、ギリギリと歯軋りしながら血走った目で俺を射殺さんとしている。
青くなったり、緑になったり、目を血走らせてみたり、忙しいヤツだな。
「このことは本部にも報告させてもらうよ。リオ、君には1週間の謹慎処分を課す。このまま寮の自室に戻るように」
「……っ、はい……わかりました」
わかったとは言いながらも納得がいかないのだろう。
ずっと俺を恨みがましく睨みつけてくる。
そんなに睨んだって事実は変わらないし、俺は怯えたりも怯んだりもしない。
「さあ、行け」
そう団長様に言われてリオはやっと立ち去った。
「さぁ、君、こちらへ来なさい。盗難の調書を取るからね」
団長は俺に声をかける。
「え? いや、俺はもう……」
もういいです、の言葉も言わせてもらえず、がっちりと肩を掴まれて俺は団長様に連行されてしまった。
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