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何言ってんだ俺も払うと何度言っても聞き入れてもらえず、最終的にはタイセーに甘えていた。タイセーも俺と同じ兄弟姉妹の長男だったからか、頼りになる兄みたいな性格のやつだった。でも俺とは違って体付きもしっかりとしていて、ハキハキと明るいやつだ。
兄弟だけでなく、両親にも尽くして世話し続けていた俺はそんなタイセーに憧れて、同い年なのに兄のように甘えて頼ってしまっていた。
一人暮らしのタイセーに彼女が出来てからは、そんな甘えすぎていた自分を反省して友達として一定の距離を保つようにした。彼女がタイセーの部屋に泊まりに来ることもあるだろうし、デートの邪魔をしちゃいけないと思って極力部屋に行くのはやめた。
そんな距離を取り始めた俺に、タイセーは気づいて今まで以上に構ってきて、心配してくれるようになった。
友達としてはこれ以上世話になるのは良くないって思った。タイセーは本当にいい奴だから、そんなタイセーとの友情を、壊したくなかったんだ。
「えっとお、なになに?、『お前のケータイ繋がんねえんだけど、これ見たら絶対連絡よこせ。一人で無理すんなバカ野郎』、か……」
こんな落ちぶれて何の取り柄もない男にこんなに友達思いの親友がいるなんてな。
ほんとにできた奴だ、タイセーは。
相当弱っているのか、タイセーのこのメールだけでじわじわと目に浮かんでくるものがあった。
今日は平日で図書館もあまり利用者がいない時間帯だ。それでも人はぽつぽつといて、こんなところで泣いている男性がいたら驚かれるし、何があったんだろうと不審に思われるかもしない。
ぐっと涙を我慢して溢れてくるものを目の奥に押し込んだ。
かちゃかちゃとキーボードを慣れない手つきで叩いてそのタイセーのメールに返信する。
「んーと、何て説明すればいいんだろ…。『タイセーお疲れ様。ちょっと今ケータイ使えなくなってる』っと。とりあえずこれで送るか」
あまりパソコンにも慣れていないので普通の人よりも入力に時間がかかる。長文を入力するとなると倍の時間かかるし、文章の内容も考える必要がある。
だから、説明は省いた簡単に事実だけを伝える文になってしまった。
ケータイが使えないのは壊れたか料金払えないかのどっちかだとすぐにわかってしまうと思った。でもケータイ代が払えないと言ったら、きっと仕事はどうした、住む家はどうなってんだ、となし崩しに住所不定無職なのがバレてしまうだろう。
だから、詳細を書く気になれなかった。
心配してくれるタイセーをこれ以上煩わせたくなかったのだ。
タイセーにメールを送信してすぐにポンとタイセーから新着メールが入った。
兄弟だけでなく、両親にも尽くして世話し続けていた俺はそんなタイセーに憧れて、同い年なのに兄のように甘えて頼ってしまっていた。
一人暮らしのタイセーに彼女が出来てからは、そんな甘えすぎていた自分を反省して友達として一定の距離を保つようにした。彼女がタイセーの部屋に泊まりに来ることもあるだろうし、デートの邪魔をしちゃいけないと思って極力部屋に行くのはやめた。
そんな距離を取り始めた俺に、タイセーは気づいて今まで以上に構ってきて、心配してくれるようになった。
友達としてはこれ以上世話になるのは良くないって思った。タイセーは本当にいい奴だから、そんなタイセーとの友情を、壊したくなかったんだ。
「えっとお、なになに?、『お前のケータイ繋がんねえんだけど、これ見たら絶対連絡よこせ。一人で無理すんなバカ野郎』、か……」
こんな落ちぶれて何の取り柄もない男にこんなに友達思いの親友がいるなんてな。
ほんとにできた奴だ、タイセーは。
相当弱っているのか、タイセーのこのメールだけでじわじわと目に浮かんでくるものがあった。
今日は平日で図書館もあまり利用者がいない時間帯だ。それでも人はぽつぽつといて、こんなところで泣いている男性がいたら驚かれるし、何があったんだろうと不審に思われるかもしない。
ぐっと涙を我慢して溢れてくるものを目の奥に押し込んだ。
かちゃかちゃとキーボードを慣れない手つきで叩いてそのタイセーのメールに返信する。
「んーと、何て説明すればいいんだろ…。『タイセーお疲れ様。ちょっと今ケータイ使えなくなってる』っと。とりあえずこれで送るか」
あまりパソコンにも慣れていないので普通の人よりも入力に時間がかかる。長文を入力するとなると倍の時間かかるし、文章の内容も考える必要がある。
だから、説明は省いた簡単に事実だけを伝える文になってしまった。
ケータイが使えないのは壊れたか料金払えないかのどっちかだとすぐにわかってしまうと思った。でもケータイ代が払えないと言ったら、きっと仕事はどうした、住む家はどうなってんだ、となし崩しに住所不定無職なのがバレてしまうだろう。
だから、詳細を書く気になれなかった。
心配してくれるタイセーをこれ以上煩わせたくなかったのだ。
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