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心配になったのもあったけど、無性に彼の声が聞きたくてたまらなかった。「おかえり」と言って貰って彼の顔を見たい、存在を感じて安心したい。そんな思いでいっぱいになった。
ラッセルの部屋に近づくにつれ、少し声が聞こえてきた。なんだ、自室にいたのか。安心したが、やっぱり顔を見て声を聞きたかった俺は、ラッセルの部屋の前まで足を進めた。
「くっ…………は、……ぁ……っ」
ノックしてから部屋に入れてもらおうとして手を上げたが、その前にドアの向こうから微かにラッセルの切ない声が聞こえてきた。
もしかして、ラッセルが泣いてる?
ドアは少しだけ空いてたので、ダメだと思いながらも隙間から中を覗いた。
「はっ……っ、イチロ……っ」
中には、ベッドの上で股間に手を伸ばして、その手を動かしながら俺の名を呼んでいるラッセルの姿があった。
――な、ななななんで?ど、どどどどうしよう?!
こんな場に居合わせるのはまずい。この場から逃げなきゃ。というか、何で俺の名前なんか呼んでるんだ。あんな悩ましい、色気のある声で呼ばれたら俺……。
俺は顔に手を当てて動転していた。ゆっくりと音を立てずにその場を立ち去ろうとしたが、それは俺のおっちょこちょいに阻まれた。
「うわぁっ」
後ろに下がって行ったのだが、足がもつれてその場にお尻からドスンと転んでしまった。
「いててて、……ぁ」
お尻を強打してしまい、そのぶつけた箇所をさすりながら普通に声を出してしまっていた。とっさに口に手を当てても、すでに出した声はなかったことにはならない。部屋の中にいるラッセルには気づかれてしまっているだろう。
「イチロ?入ってこいよ」
「あ、あの、でも、俺……」
「いいから入ってこい」
やはりドアの前にいたのがバレてしまった。見てはいけないものを見てしまった罪悪感から、俺はラッセルの言葉に従った。
下を向きながら部屋に入ると、突き刺さるような視線が俺にふりかかるのがわかった。けれど顔を上げられない。どんな顔してラッセルを見ればいいんだ。
「こっちこいよ」
「あ……ぅ……、……ちょっ」
気まずくて、もじもじしながらラッセルの側まで歩いていくと、体を引っ張られてベッドの上に引っ張られた。
「覗き見してたのか?」
「ち、ちがっ!俺はそんなつもりはっ」
「じゃあなんで見てたんだ?」
ラッセルの声「おかえり」が聞きたかったから部屋まで来たけど、泣いてるかと思って様子を見たらえっちな声を出して俺の名前を呼んでオナってるラッセルに目が釘付けになった、なんて言えやしない。
俺は下を向きながらきゅっと口を塞いだ。
「……まぁ、いいか。見るならじっくり見ていけ」
――見ていけって、何言ってんだ!?
驚き過ぎて言葉も出ない俺。ラッセルはドギマギとしている俺が目の前にいるのにも構わずに下着から出していた自身の陰茎を扱き始めた。ラッセルの巨体に見合う大きさのそれ。かなりデカくて長かった。赤く腫れ上がった大きな肉棒はカリ部分がエグいくらいに張っていて、先走りでぬるついた先っぽがてかっている。反り上がって見えた裏筋は、血管が浮き出ていて逞しすぎて凶暴にも見える。先っぽからはどんどんと液が溢れ出てきていて、それは幹を伝い、ぬちぬちと全体に絡みついて卑猥な音を奏でる。
「くっ………は、……っん……」
――なんでこんなに色気が出てるんだろ。
ってくらいに艶かしい姿と声で俺の頭をおかしくする。ラッセルのことしか考えられなくなってきて、目の前の行為に目が逸らせない。見ているだけで興奮してきて後孔がじゅん、と濡れてきたのがわかった。もじもじと思わず足を擦り寄せてしまう。
気がついたらじっとラッセルの肉棒を一心に見つめてしまって目が閉じれない。顔が緩んでいるのを引き締めようとするのに、全然できない。
「はぁっ……」と甘い吐息を吐いてしまい、興奮し出す自分を抑えきれない。そんな俺に気づいたのか、ラッセルが俺に尋ねる。
「一緒に抜きあいっこでもするか?見てるだけじゃつまんないだろ」
手を止めて、扱いていた手を俺の股間に伸ばしてくる。
「お、俺……は……で、できない」
「できるさ。俺が抜いてやる」
「違うよ。出来ないんだ………………。だって俺、勃たないから……」
ぎゅっと、自分の手を握りしめた。
「俺……まだなんだ。……まだ……、精通してないから……っ」
ラッセルの部屋に近づくにつれ、少し声が聞こえてきた。なんだ、自室にいたのか。安心したが、やっぱり顔を見て声を聞きたかった俺は、ラッセルの部屋の前まで足を進めた。
「くっ…………は、……ぁ……っ」
ノックしてから部屋に入れてもらおうとして手を上げたが、その前にドアの向こうから微かにラッセルの切ない声が聞こえてきた。
もしかして、ラッセルが泣いてる?
ドアは少しだけ空いてたので、ダメだと思いながらも隙間から中を覗いた。
「はっ……っ、イチロ……っ」
中には、ベッドの上で股間に手を伸ばして、その手を動かしながら俺の名を呼んでいるラッセルの姿があった。
――な、ななななんで?ど、どどどどうしよう?!
こんな場に居合わせるのはまずい。この場から逃げなきゃ。というか、何で俺の名前なんか呼んでるんだ。あんな悩ましい、色気のある声で呼ばれたら俺……。
俺は顔に手を当てて動転していた。ゆっくりと音を立てずにその場を立ち去ろうとしたが、それは俺のおっちょこちょいに阻まれた。
「うわぁっ」
後ろに下がって行ったのだが、足がもつれてその場にお尻からドスンと転んでしまった。
「いててて、……ぁ」
お尻を強打してしまい、そのぶつけた箇所をさすりながら普通に声を出してしまっていた。とっさに口に手を当てても、すでに出した声はなかったことにはならない。部屋の中にいるラッセルには気づかれてしまっているだろう。
「イチロ?入ってこいよ」
「あ、あの、でも、俺……」
「いいから入ってこい」
やはりドアの前にいたのがバレてしまった。見てはいけないものを見てしまった罪悪感から、俺はラッセルの言葉に従った。
下を向きながら部屋に入ると、突き刺さるような視線が俺にふりかかるのがわかった。けれど顔を上げられない。どんな顔してラッセルを見ればいいんだ。
「こっちこいよ」
「あ……ぅ……、……ちょっ」
気まずくて、もじもじしながらラッセルの側まで歩いていくと、体を引っ張られてベッドの上に引っ張られた。
「覗き見してたのか?」
「ち、ちがっ!俺はそんなつもりはっ」
「じゃあなんで見てたんだ?」
ラッセルの声「おかえり」が聞きたかったから部屋まで来たけど、泣いてるかと思って様子を見たらえっちな声を出して俺の名前を呼んでオナってるラッセルに目が釘付けになった、なんて言えやしない。
俺は下を向きながらきゅっと口を塞いだ。
「……まぁ、いいか。見るならじっくり見ていけ」
――見ていけって、何言ってんだ!?
驚き過ぎて言葉も出ない俺。ラッセルはドギマギとしている俺が目の前にいるのにも構わずに下着から出していた自身の陰茎を扱き始めた。ラッセルの巨体に見合う大きさのそれ。かなりデカくて長かった。赤く腫れ上がった大きな肉棒はカリ部分がエグいくらいに張っていて、先走りでぬるついた先っぽがてかっている。反り上がって見えた裏筋は、血管が浮き出ていて逞しすぎて凶暴にも見える。先っぽからはどんどんと液が溢れ出てきていて、それは幹を伝い、ぬちぬちと全体に絡みついて卑猥な音を奏でる。
「くっ………は、……っん……」
――なんでこんなに色気が出てるんだろ。
ってくらいに艶かしい姿と声で俺の頭をおかしくする。ラッセルのことしか考えられなくなってきて、目の前の行為に目が逸らせない。見ているだけで興奮してきて後孔がじゅん、と濡れてきたのがわかった。もじもじと思わず足を擦り寄せてしまう。
気がついたらじっとラッセルの肉棒を一心に見つめてしまって目が閉じれない。顔が緩んでいるのを引き締めようとするのに、全然できない。
「はぁっ……」と甘い吐息を吐いてしまい、興奮し出す自分を抑えきれない。そんな俺に気づいたのか、ラッセルが俺に尋ねる。
「一緒に抜きあいっこでもするか?見てるだけじゃつまんないだろ」
手を止めて、扱いていた手を俺の股間に伸ばしてくる。
「お、俺……は……で、できない」
「できるさ。俺が抜いてやる」
「違うよ。出来ないんだ………………。だって俺、勃たないから……」
ぎゅっと、自分の手を握りしめた。
「俺……まだなんだ。……まだ……、精通してないから……っ」
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