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しおりを挟む途切れ途切れに泣きそうになりながらもそう答えた。
これが俺が隠したかったもう一つの秘密だった。
もういい大人なのにまだ精通していない――まだ射精をむかえたことがない。勃起もしない訳じゃないけれど、反応はいつも悪くてしっかりと勃ち上がったことはないんじゃないかと思う。
こんな秘密をラッセルに言わなきゃいけない状況になるなんて考えもしなかった。恥ずかしい。顔から火が吹きそうだ。
「20歳もとうに超えているのに、おかしいよな……」
ははは、と乾いた笑いしか出てこない。笑い話にして笑い飛ばして欲しいから自分から笑ったのに、上手くいかなかった。
――あ、やばい俺泣きそう。
涙が目に溜まってきて落ちてきてしまいそうだ。ラッセルにお前変だななんて言われて笑われたら立ち直れる気がしなかった。
「別におかしくはないだろう。成長の度合いは人それぞれだ」
思ってもみなかった言葉に、ポロリと涙が出てしまった。けどそれは仕方がない。だって、ラッセルは俺が欲しかった言葉をくれたから。ラッセルの言葉はすっと、俺のぽっかりと開いた心の隙間を埋めてくれる。どうしてこんなにも俺を満たしてくれるのだろう。俺に足りない、俺が欲しがっているものを。
「でも、さっきお前しっかり勃ってたんじゃないのか?」
「……え?」
それ、と指さされた俺の股間。
「う、うそ……そんなわけ……」
今まで何年も、ちょっと反応することはあれど、うんともすんとも言わなかったのに、ここに来てそんな反応するなんて都合のいい話があるわけがない。ラッセルの手が股間に伸びてズボンの上から確かめられた。
「や、ぁ……んんっ……」
いきなりだったので驚いて女みたいな声を出してしまった。パッと口を塞いだが、その隙にラッセルの手がさらにズボンの中に入ってきてパンツの上から股間をやわやわと揉まれる。
「ひっ、……やぁ……んぅっ…………」
確かに少し膨張しているような気がするし、ラッセルの手の動きに反応して大きくなってきているようだ。ラッセルの自慰行為を見て確かに興奮したけど、こんな事になるなんて思いもよらなかった。どんなエッチな動画や画像を見ても反応もしなかったのに、今この状況で俺はドキドキと興奮しまくっている。
「ラッセル……や、……だめ……ぁっ、んんっ」
口を手で塞いでいても、声は全く抑えられない。こんな快感に震えて甘い声を出していちゃ、だめだなんて受け取られないことはわかっていた。ちゃんと拒否しなきゃと思っても、ラッセルの思いのままに動かされると気持ちよくなってしまう。
俺の反応が良かったからか、ラッセルは俺のパンツごと下にずらした。ぴょこっと少し大きく勃ち上がり始めた陰茎が現れる。止める間もなく、しゅるりと伸びてきた手に勃ち上がり始めていた陰茎を絡めとられた。触られるだけでびくびくと震えてしまう。ずるりと皮を剥かれ顔を出したあどけない亀頭。大きさは言うまでもなくラッセルのものとは比べ物にならない。
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