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第1章 地球って何?
第7話 帳簿は雪より白い
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夜明け前、神殿の石段に白い紙束が二つ置かれた。
一つは神殿行き。もう一つは役所行き。
どちらも二十三項目、抜けなし。
《提出経路、確認。神殿→役所→査察院。往復の足元、滑り注意》
「そういうのは先に言って」
ミナが抱える板には、今日の印がすでに書かれている。
《本日の識別:青白縞+赤糸。昨日の“青白縞のみ”は無効》
「“無効”はやっぱり強いなあ」
《偽装に効きます》
若い司祭が気配を消すみたいに近づいた。
「受け取るよ。……二十三、全部埋まってる」
「ジオの地獄リストが役に立ちました」
《表現に悪意はありますか》
「八割くらい」
初老の神官は紙を撫で、短く頷いた。
「手続きは祈りの隣だ。雑にする者は、祈りも雑になる」
役所のカーティスは、いつも通り渋い顔。
「字が読める。行がまっすぐ。良」
「褒め言葉が石みたい」
「石は基礎だ」
* * *
午前。
井戸の前で、私は加熱ステーションに赤い縄を張った。
鍛冶屋のオルゴじいさんが昨夜作ってくれた、石と土の小型かまど。煙が細く上へ伸びる。周囲には砂桶と水壺。
“ここから先、走らない”と板書。
「火は嫌がられる?」
「屋外、監督、消火。三つ揃えば許される」若い司祭が言う。
《三行要約:外で・見てて・消せる》
「今日は要約が働き者」
湯たんぽの列の先頭は、猫柄を選びがちな子どもたち。赤糸が、雪の白に映える。
ハナが砂袋を担いで現れた。
「請求書は後払いだよ。星では払えないからね」
「パンで――あ、ダメか」
「パンは受け取る。請求書は別」
銀の鷹のランスは、昨夜削った滑り止め板を担いで来た。
「井戸の踏み台に敷け。年寄りが楽だ」
「助かる。星三つ」
「星は通貨じゃない」
「パンを添える」
「交渉成立」
《本日のステータス(午前)》
・残ポイント:18 → 20(素材変換+2:欠けた魔石片×2)
・本日のレート:銅貨107=SP1(微減)
・貸出:湯たんぽ 26/カイロ 配布70/浄水器 常設
・返却:前日分 未返却3(夜回収)
・事故:0(転倒0)
・提案:4(“踏み台に板” “手すり” “カバーに名札” “加熱列の目印旗”)
・返品:不可(衛生・安全)
ミナが“名札案”を聞いて目を輝かせる。
「猫柄に名前札! 喧嘩が減る!」
「いいね。ただし譲る時は札も一緒」
《三行要約:名前・守る・渡す》
そこへ、灰の外套。巡回官オルセンが、書簡を一枚掲げた。
「中間点検。帳簿・現物・運用、順に見る」
グレンが木簡を新しく取り出す。
「質問は短く。嘘は不可」
「もともと嘘をつく余裕はないよ」
帳簿は白い。
ミナの字は丸く、私の字は真っ直ぐで、カーティスの朱が刺すみたいに入っている。
現物は縞と赤糸。
加熱ステーションは砂と水。
運用は列と旗。
「……」
オルセンの無表情が、わずかに止まった。
「欠落なし。ただし、音が問題だ」
「音?」
彼はポケットから小さな銀の壺を出した。
「祈りの時刻を告げる鈴だ。お前の“加熱時間の合図”が、これと紛らわしい」
私は自分のキッチンタイマーを見た。
ピピピ、と鳴るやつ。
ああ――昨日、ちょっとざわついたのは、それか。
《宗教音と業務音の混同は“摩擦”になります》
「音、変える。砂時計にする。見えるし、静か」
若い司祭が笑う。
「砂なら、神殿も怒らない」
ハナが指を鳴らす。
「砂時計、うちに在庫が――ない。作れる?」
「オルゴじいさん」
「石で枠作る。中身は砂。すぐだ」
* * *
昼。
“評判(レビュー)板”が賑やかだ。
“赤糸、遠目で安心。★3”
“踏み台、膝が笑わない。★3”
“タイマーが鳴らないので心が静か。★3”
そこへ、紙が一枚、風に押されるように貼られた。
“地球の道具で祈りを汚すな――匿名”
空気が冷える。
ミナが唇を噛む。
私は紙をはがさず、横に空白を作って書いた。
“検証→変更→公開。祈りは守る。作法は揃える”
《三行要約:測る・直す・見せる》
若い司祭がその横に、静かに一行足した。
“祈りは静けさを嫌わない(神殿より)”
空気が、ほんの少しだけ和らぐ。
オルセンは笑わない。
ただ、板を長く見ていた。
* * *
午後。
“物々交換板”の横に新しい札が増えた。
“落ちない手袋紐(青白縞)/短め”
“子ども用砂時計/猫耳付き”
“赤糸の余り/縫い練習どうぞ”
母が針を走らせている。猫耳砂時計は、見た目が八割かわいい。
「耳、いる?」
「いる」
《交渉に効きます》
オルゴじいさんが石枠砂時計を持ってくる。
角の面取りが手の温度みたいに丸い。
「一回転で五分だ。湯たんぽの安全時間に合わせた」
「最高。星三つ」
「パン三つにしろ」
「交渉が早い」
《本日のステータス(夕)》
・残ポイント:20 → 17(部材・備品で-3)
・本日のレート:銅貨109=SP1
・貸出:湯たんぽ 33/カイロ 配布90/浄水器 常設
・返却:湯たんぽ 29(未返却4→夜回収)
・事故:0/苦情:0
・提案:7(“砂時計の鳴らない鐘好き” “名札の紐は長めに” ほか)
・返品:不可(衛生・安全)
ハナがふと周囲を見回して、低く言う。
「偽装、今日は来ない。けど明日は別の形で来る。赤糸の偽物に注意だよ」
「赤の…色味、変える?」
《提案:二色撚り糸。日替わりで撚りの向きを逆に》
「ややこしいけど、効きそう」
補佐官グレンが板を写し取る手を止めた。
「撚り方向の記述を板に。左撚り=本日、右撚り=無効」
「了解」
若い司祭が口を開いた。
「明朝、祈りの鈴の前に“鳴らない鐘(砂時計)”の説明を、私からもする。宗教は怖くないと伝えたい」
「ありがとう。……オルセンさんは?」
巡回官は灰の外套の襟を直しながら、短く言った。
「今日は良。音の摩擦を一日で解いた。監査は記録の積み重ねを見る。お前は積むのが上手い」
「褒められてる?」
「事実を述べた」
「じゃあ、事実で返す」
私はパンの籠を押し出した。
「温まり。今日のは蜂蜜が少し」
オルセンは一秒だけ迷って、無言で一つ取った。
グレンも一つ。
カーティスは二つ。
「請求書は――」
「それは星で払ってほしい」
「無茶を言う」
* * *
夜。
“相談箱”には、折った紙がぎゅうぎゅうに入っていた。
ミナと座り込んで、一枚ずつ開く。
“祈りの鈴と砂時計、どっちも好き”
“名札で喧嘩が減った。弟に渡せた”
“砂時計の猫耳、鼻も付けて”
「鼻は……」
《造形費が増えます》
「ジオ、夢を見ない」
《夢は掲示板の端に書いてください》
最後の一枚は、紙の角が綺麗に揃っていた。
“中央の人へ。笑わなくていい。見ててください。寒さは待たない”
私は紙を両手で包んだ。
「……見てる?」
「見ている」
振り返ると、神殿の影に、灰の外套。オルセンがそこにいた。
「三日目までで、違反はゼロ。工夫は多数。明日もゼロで来い」
「はい」
彼は踵を返し、それでも一瞬だけ止まって、砂時計を一つ手に取った。
猫耳の、鳴らない鐘。
「静かな規律は、嫌いではない」
去っていく背中を、雪ではなく静けさが追いかけた。
窓越しに母が手を振る。縞と赤糸が、夜の中でほそく揺れる。
私は掲示の下に、短い一行を足した。
“音を変えたら、争いが減った。道具が変わると、祈りも歩ける。”
明日は四日目。
帳簿は雪より白く、手はパンより温かい。
笑わない人を、頷かせるために。
---
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一つは神殿行き。もう一つは役所行き。
どちらも二十三項目、抜けなし。
《提出経路、確認。神殿→役所→査察院。往復の足元、滑り注意》
「そういうのは先に言って」
ミナが抱える板には、今日の印がすでに書かれている。
《本日の識別:青白縞+赤糸。昨日の“青白縞のみ”は無効》
「“無効”はやっぱり強いなあ」
《偽装に効きます》
若い司祭が気配を消すみたいに近づいた。
「受け取るよ。……二十三、全部埋まってる」
「ジオの地獄リストが役に立ちました」
《表現に悪意はありますか》
「八割くらい」
初老の神官は紙を撫で、短く頷いた。
「手続きは祈りの隣だ。雑にする者は、祈りも雑になる」
役所のカーティスは、いつも通り渋い顔。
「字が読める。行がまっすぐ。良」
「褒め言葉が石みたい」
「石は基礎だ」
* * *
午前。
井戸の前で、私は加熱ステーションに赤い縄を張った。
鍛冶屋のオルゴじいさんが昨夜作ってくれた、石と土の小型かまど。煙が細く上へ伸びる。周囲には砂桶と水壺。
“ここから先、走らない”と板書。
「火は嫌がられる?」
「屋外、監督、消火。三つ揃えば許される」若い司祭が言う。
《三行要約:外で・見てて・消せる》
「今日は要約が働き者」
湯たんぽの列の先頭は、猫柄を選びがちな子どもたち。赤糸が、雪の白に映える。
ハナが砂袋を担いで現れた。
「請求書は後払いだよ。星では払えないからね」
「パンで――あ、ダメか」
「パンは受け取る。請求書は別」
銀の鷹のランスは、昨夜削った滑り止め板を担いで来た。
「井戸の踏み台に敷け。年寄りが楽だ」
「助かる。星三つ」
「星は通貨じゃない」
「パンを添える」
「交渉成立」
《本日のステータス(午前)》
・残ポイント:18 → 20(素材変換+2:欠けた魔石片×2)
・本日のレート:銅貨107=SP1(微減)
・貸出:湯たんぽ 26/カイロ 配布70/浄水器 常設
・返却:前日分 未返却3(夜回収)
・事故:0(転倒0)
・提案:4(“踏み台に板” “手すり” “カバーに名札” “加熱列の目印旗”)
・返品:不可(衛生・安全)
ミナが“名札案”を聞いて目を輝かせる。
「猫柄に名前札! 喧嘩が減る!」
「いいね。ただし譲る時は札も一緒」
《三行要約:名前・守る・渡す》
そこへ、灰の外套。巡回官オルセンが、書簡を一枚掲げた。
「中間点検。帳簿・現物・運用、順に見る」
グレンが木簡を新しく取り出す。
「質問は短く。嘘は不可」
「もともと嘘をつく余裕はないよ」
帳簿は白い。
ミナの字は丸く、私の字は真っ直ぐで、カーティスの朱が刺すみたいに入っている。
現物は縞と赤糸。
加熱ステーションは砂と水。
運用は列と旗。
「……」
オルセンの無表情が、わずかに止まった。
「欠落なし。ただし、音が問題だ」
「音?」
彼はポケットから小さな銀の壺を出した。
「祈りの時刻を告げる鈴だ。お前の“加熱時間の合図”が、これと紛らわしい」
私は自分のキッチンタイマーを見た。
ピピピ、と鳴るやつ。
ああ――昨日、ちょっとざわついたのは、それか。
《宗教音と業務音の混同は“摩擦”になります》
「音、変える。砂時計にする。見えるし、静か」
若い司祭が笑う。
「砂なら、神殿も怒らない」
ハナが指を鳴らす。
「砂時計、うちに在庫が――ない。作れる?」
「オルゴじいさん」
「石で枠作る。中身は砂。すぐだ」
* * *
昼。
“評判(レビュー)板”が賑やかだ。
“赤糸、遠目で安心。★3”
“踏み台、膝が笑わない。★3”
“タイマーが鳴らないので心が静か。★3”
そこへ、紙が一枚、風に押されるように貼られた。
“地球の道具で祈りを汚すな――匿名”
空気が冷える。
ミナが唇を噛む。
私は紙をはがさず、横に空白を作って書いた。
“検証→変更→公開。祈りは守る。作法は揃える”
《三行要約:測る・直す・見せる》
若い司祭がその横に、静かに一行足した。
“祈りは静けさを嫌わない(神殿より)”
空気が、ほんの少しだけ和らぐ。
オルセンは笑わない。
ただ、板を長く見ていた。
* * *
午後。
“物々交換板”の横に新しい札が増えた。
“落ちない手袋紐(青白縞)/短め”
“子ども用砂時計/猫耳付き”
“赤糸の余り/縫い練習どうぞ”
母が針を走らせている。猫耳砂時計は、見た目が八割かわいい。
「耳、いる?」
「いる」
《交渉に効きます》
オルゴじいさんが石枠砂時計を持ってくる。
角の面取りが手の温度みたいに丸い。
「一回転で五分だ。湯たんぽの安全時間に合わせた」
「最高。星三つ」
「パン三つにしろ」
「交渉が早い」
《本日のステータス(夕)》
・残ポイント:20 → 17(部材・備品で-3)
・本日のレート:銅貨109=SP1
・貸出:湯たんぽ 33/カイロ 配布90/浄水器 常設
・返却:湯たんぽ 29(未返却4→夜回収)
・事故:0/苦情:0
・提案:7(“砂時計の鳴らない鐘好き” “名札の紐は長めに” ほか)
・返品:不可(衛生・安全)
ハナがふと周囲を見回して、低く言う。
「偽装、今日は来ない。けど明日は別の形で来る。赤糸の偽物に注意だよ」
「赤の…色味、変える?」
《提案:二色撚り糸。日替わりで撚りの向きを逆に》
「ややこしいけど、効きそう」
補佐官グレンが板を写し取る手を止めた。
「撚り方向の記述を板に。左撚り=本日、右撚り=無効」
「了解」
若い司祭が口を開いた。
「明朝、祈りの鈴の前に“鳴らない鐘(砂時計)”の説明を、私からもする。宗教は怖くないと伝えたい」
「ありがとう。……オルセンさんは?」
巡回官は灰の外套の襟を直しながら、短く言った。
「今日は良。音の摩擦を一日で解いた。監査は記録の積み重ねを見る。お前は積むのが上手い」
「褒められてる?」
「事実を述べた」
「じゃあ、事実で返す」
私はパンの籠を押し出した。
「温まり。今日のは蜂蜜が少し」
オルセンは一秒だけ迷って、無言で一つ取った。
グレンも一つ。
カーティスは二つ。
「請求書は――」
「それは星で払ってほしい」
「無茶を言う」
* * *
夜。
“相談箱”には、折った紙がぎゅうぎゅうに入っていた。
ミナと座り込んで、一枚ずつ開く。
“祈りの鈴と砂時計、どっちも好き”
“名札で喧嘩が減った。弟に渡せた”
“砂時計の猫耳、鼻も付けて”
「鼻は……」
《造形費が増えます》
「ジオ、夢を見ない」
《夢は掲示板の端に書いてください》
最後の一枚は、紙の角が綺麗に揃っていた。
“中央の人へ。笑わなくていい。見ててください。寒さは待たない”
私は紙を両手で包んだ。
「……見てる?」
「見ている」
振り返ると、神殿の影に、灰の外套。オルセンがそこにいた。
「三日目までで、違反はゼロ。工夫は多数。明日もゼロで来い」
「はい」
彼は踵を返し、それでも一瞬だけ止まって、砂時計を一つ手に取った。
猫耳の、鳴らない鐘。
「静かな規律は、嫌いではない」
去っていく背中を、雪ではなく静けさが追いかけた。
窓越しに母が手を振る。縞と赤糸が、夜の中でほそく揺れる。
私は掲示の下に、短い一行を足した。
“音を変えたら、争いが減った。道具が変わると、祈りも歩ける。”
明日は四日目。
帳簿は雪より白く、手はパンより温かい。
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