異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第7章 恋の進路と収穫の秋

第67話「雪と灯りと、届けたい想い」

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朝。
一面の白銀に染まった景色を見て、悠翔は息をのんだ。
昨夜から降っていた雪はしんしんと積もり、牧場はまるで別世界のようだ。

「うわあ……真っ白!」

ひなのが窓の外を見て歓声を上げる。
ふわふわの部屋着姿で、ほっぺもほんのり桜色だ。

「雪だるま作れるかなー?」

「あとで一緒にやろうな。でも、その前に……鶏小屋、見に行ってくるよ」

悠翔は分厚いマントを羽織り、長靴を履いて外に出た。


---

雪を踏みしめながら歩く感触は、音が吸い込まれていくようで不思議な静けさがあった。
鶏たちは無事で、餌の減りも少ない。冬の間は活動が鈍るため、心配はいらなそうだ。

「……よし。次は牛舎だな」

小さな牛のベルナも、豚のトントンも暖かい藁の中でぐっすり。
動物たちの寝息が、ゆったりとした時間を作っていた。

(雪が降っても、いつもの日常がある。……なんだか、それだけで少し安心するな)


---

昼過ぎ、村の青年レオンが再びやってきた。

「悠翔! ちょっと村の集会所に来てくれないか? 今夜、冬至の火祭りをやることになったんだ」

「火祭り……?」

「ああ、村の伝統行事さ。火を囲んで、感謝と願いを込める祭り。子供たちも楽しみにしてる。ひなのちゃんも、来れるといいな」

「わかった。準備して向かうよ」


---

その日の夕方。

村の広場には大きなかがり火が焚かれ、人々が少しずつ集まり始めていた。
雪に囲まれた白銀の中、ゆらめく炎が赤く空を染めている。

ひなのはモコモコのケープに身を包み、手にカップを持って暖かいミルクティーを飲んでいた。

「お兄ちゃん、あったかいねぇ……」

「うん、いい匂いだ。村のみんなが作ってくれたんだって」

そのとき、広場の中央で村長が高らかに声を上げる。

「今年も無事に冬を迎えられたこと、女神に感謝を! そして来る春の恵みを願って――火よ、我らを照らせ!」

ぱちぱちと火の粉が舞い上がり、子供たちが歓声を上げる。

悠翔はその炎を見つめながら、ゆっくりと心の中で言葉を紡いでいた。

(この世界に来て、もうすぐ一年……俺はここで生きている。守りたいものがある。なら――)

ふと横を見ると、ひなのが眠そうに目をこすっていた。

(この子が笑っていられる日々を、これからも守っていきたい)


---

祭りのあと。

レオンと一緒に帰り道を歩いていると、ふと彼が言った。

「なあ、悠翔。春になったら、うちの畑、手伝ってくれないか?」

「え?」

「親父も年でな。お前の牧場技術、うちにも活かせると思うんだよ。……あと、うちの妹、最近お前の話ばっかりでさ」

「妹……って、フィリア?」

「そう」

レオンは肩をすくめる。

「お前がどう思ってるかは、無理に聞かない。でもな、あいつ、真剣なんだ。だから、春までに……答えてやれよ」

悠翔は、返事をせずに夜空を見上げた。
満天の星と、遠く流れた火の粉が、心をそっと揺らしていた。


---

スキルログ:
《スキル【季節行事:火祭り】を体験しました》
《新たな好感度イベントが発生しました:フィリア(進行度 1)》
《村人との信頼度が上昇しました》
《次の目標:春を迎える準備と、選ぶべき「道」を探ろう(進行度 10%)》




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