異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第8章 世界を揺らす黒雲

第76話「塔の使者と、闇の胎動」

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風の巫女からの“封書”と“風紋石”を携え、悠翔は牧場に戻っていた。
ひなのに旅の無事を伝え、動物たちの様子を見て回った後、彼は祠で言われた言葉が頭から離れなかった。

> 「“西の塔”から、使者が来るでしょう」



だがその翌朝。予言のように、それはやってきた。

* * *

「……誰?」

玄関のベルが鳴り、出てみると、黒い外套に身を包んだ二人の人物がいた。

「初めまして、天城悠翔殿。私たちは“風の封書”を受け取ってまいりました。“塔の使者”とお呼びください」

声の主は、銀縁の眼鏡をかけた長身の青年。名をラグスと名乗り、もう一人の少女はレーンと呼ばれていた。

「……信じられないかもしれませんが、風の巫女様の導きで来ました。これを」

ラグスが差し出したのは、悠翔の持つものと同じ“風の封書”。
封蝋の紋様は、巫女の祠で見たものと一致していた。

「じゃあ、本当に……」

「ええ。巫女様の言葉通り、貴殿の元に“風”が集まりつつあります」

使者たちは居間に案内され、ひなのが興味津々にお茶を出した。
悠翔は、巫女から受け取った風紋石と塔の情報を話すと、ラグスが静かに頷いた。

「実は、我々の“西の塔”でも異常が発生しているのです。風の流れが乱れ、大地に“黒雲”の兆しが現れました。貴殿が持つ紋石は……その中心を貫く“鍵”となるでしょう」

「黒雲って……まさか、魔の気配?」

レーンが口を開いた。

「“黒の息吹”──それは、かつて世界を滅ぼしかけた魔神の残滓。その封印が、揺れはじめています。
結界の完成が間に合わなければ、再び“災厄の季節”が……」

悠翔は拳を握りしめた。

「結界を、完成させます。残りの“鍵”は?」

「最後の鍵は“水”の核。場所は……北の“沈み谷”に眠るとされています」

* * *

会話の最中、突如、牧場の外に風がざわめいた。
“何か”が来る。悠翔は直感でそう感じた。

そして現れたのは──黒衣をまとい、奇怪な仮面をつけた影。
ラグスが即座に前に出る。

「まさか、もう……“黒の徒”が!」

黒の徒。それは、魔神の力を信奉し、災厄を解き放たんとする狂信者たち。
塔の一部でもすでにその侵食が始まっているという。

「ここは危険です、下がってください!」

悠翔は、だが後退しなかった。
風の巫女から託された“風紋石”が、腰のポーチの中で微かに光った。

「この場所は、僕の大切な家族と仲間の場所だ。……絶対に、渡さない!」

ラグスとレーンの詠唱に呼応し、風の精霊たちが舞い踊る。
悠翔の身体にもまた、あの“風読みの感覚”が湧き上がる。

(わかる……風の流れが読める。あの仮面の……そこだ!)

悠翔の放った風の魔力が、仮面の男の手元の“魔核”を直撃した。
爆ぜた魔核により、男は撤退。周囲の闇も風に流されていく。

戦いの後、使者の一人・レーンがそっと言った。

「……やはり、あなたは“風の導き手”ですね」

悠翔は息を整えながら、夕陽の差し込む牧場を見つめた。

この場所を守るためにも、自分が“結界の中心”にならなければならない。

風は、そう告げていた。


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【イベントログ】

イベント発生:「塔の使者との邂逅」

新キャラクター:

ラグス(塔の使者・風属性の魔導士)

レーン(塔の使者・風と音の巫女見習い)


重要キーワード:「黒の徒」「黒の息吹」「水の核」

小規模戦闘イベント発生:「黒の徒の先触れ撃退」

新たな導線:「北の沈み谷」へ旅立つ準備

結界完成進捗:50% → 60%(使者連携進行)



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