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第七話:真実の王都と、封印の図書館
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王都フィルアーデ。
巨大な城壁と白亜の尖塔、そして何層にも広がる街並みが、私たちの前にそびえていた。
「すご……」
思わず呟いた声が、風に流れていく。地球で言うなら、中世ヨーロッパの街並みをそのまま何十倍にも拡張したような景色。だけど、ここには“魔法”が息づいている。
「初めてだと圧倒されるよね」
サラが笑う。
「俺はあまり好きじゃないがな。あの城の中には、ろくでもない連中が多い」
レンの声は皮肉まじりだった。
王都の門前では、王室直属の衛兵たちが私たちを待っていた。
彼らはエルノの命を受け、私たちを“客人”として迎える役目を担っているらしい。
*
まず案内されたのは、城下区の南端にある“観察邸”。
外見は貴族の別邸のようだが、中は驚くほどシンプルで、どこか“閉じ込められてる感”がある。
「ま、監視はついてるけど、自由にはしていいってさ。食事もちゃんと出るし」
サラが窓辺で外を眺めながら言った。
「王都の情報を手に入れるには、これ以上の足場もない。上手く利用しよう」
レンも冷静だ。
私はしばらく迷った末、意を決してエルノに“ひとつの要望”を伝えた。
「王都にあるという、“門”に関する記録を見たいんです。歴史でも魔術でも構いません。何か知りたいんです、自分の力について」
エルノは黙って私を見つめていたが、やがて頷いた。
「……条件があります。あなたの“門の記憶”を、魔道官が一時的に共有させていただきたい。見返りに、あなたを“封印図書館”へ案内しましょう」
「……わかりました」
取引は成立した。
“監視対象”である私が、王都で得られる最大限の自由を使って、私は“答え”に近づこうとしていた。
*
封印図書館――王都の地下に隠された、禁術と旧記の保管所。
数百年前に封印された魔術文明の名残が、そこには眠っているという。
「ここは本来、王族と一部の魔術院しか入れない場所。今日だけは、特別に許可する」
エルノの導きで階段を下りると、そこはまるで洞窟のような空間だった。
石造りの回廊に魔力を封じる結界が張られ、本棚には錬金術書や失われた召喚魔術の書が並ぶ。
その一角。私が手に取ったのは、革の背表紙に銀文字が刻まれた古文書だった。
《境界術概論:門を開く者たち》
めくると、こんな記述が目に入る。
> 『門使いとは、双つの世界を結びし者。 彼らは災厄を呼ぶ者とも、救済を運ぶ者とも記されてきた。 “門”は、いずれもう一つの扉を開く鍵である。 それが“神域”と呼ばれる、第三の世界への通路であると――』
「第三の世界……?」
そこへ、後ろから誰かが近づいてくる気配がした。
振り返ると、白いローブをまとった若い女性が立っていた。
「あなたが、門使い……」
その瞳は、不思議な光を宿していた。
「私はリリア・アルフェリア。魔術院の副長……そして、“門に選ばれし者”の監視者でもあります」
「監視者……?」
「いずれわかるわ。あなたがこれから向き合うのは、ただの異世界ではない。“存在の根源”に触れる可能性すらある」
彼女の言葉は、まるで預言のように私の胸に刺さった。
*
帰路、私は何度も“第三の世界”という言葉を繰り返していた。
私の“門”は、ただの異世界転移ではなかった。
世界と世界を超え、いずれ“根源”に届く力かもしれない。
「カスミ、大丈夫……?」
サラが心配そうに覗き込む。
「うん、まだはっきりしないけど……でも進みたい。私、自分の力が何なのかをちゃんと知りたいの」
私の旅は、ただの異世界往復では終わらない。
それをこの王都が、静かに教えてくれていた。
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巨大な城壁と白亜の尖塔、そして何層にも広がる街並みが、私たちの前にそびえていた。
「すご……」
思わず呟いた声が、風に流れていく。地球で言うなら、中世ヨーロッパの街並みをそのまま何十倍にも拡張したような景色。だけど、ここには“魔法”が息づいている。
「初めてだと圧倒されるよね」
サラが笑う。
「俺はあまり好きじゃないがな。あの城の中には、ろくでもない連中が多い」
レンの声は皮肉まじりだった。
王都の門前では、王室直属の衛兵たちが私たちを待っていた。
彼らはエルノの命を受け、私たちを“客人”として迎える役目を担っているらしい。
*
まず案内されたのは、城下区の南端にある“観察邸”。
外見は貴族の別邸のようだが、中は驚くほどシンプルで、どこか“閉じ込められてる感”がある。
「ま、監視はついてるけど、自由にはしていいってさ。食事もちゃんと出るし」
サラが窓辺で外を眺めながら言った。
「王都の情報を手に入れるには、これ以上の足場もない。上手く利用しよう」
レンも冷静だ。
私はしばらく迷った末、意を決してエルノに“ひとつの要望”を伝えた。
「王都にあるという、“門”に関する記録を見たいんです。歴史でも魔術でも構いません。何か知りたいんです、自分の力について」
エルノは黙って私を見つめていたが、やがて頷いた。
「……条件があります。あなたの“門の記憶”を、魔道官が一時的に共有させていただきたい。見返りに、あなたを“封印図書館”へ案内しましょう」
「……わかりました」
取引は成立した。
“監視対象”である私が、王都で得られる最大限の自由を使って、私は“答え”に近づこうとしていた。
*
封印図書館――王都の地下に隠された、禁術と旧記の保管所。
数百年前に封印された魔術文明の名残が、そこには眠っているという。
「ここは本来、王族と一部の魔術院しか入れない場所。今日だけは、特別に許可する」
エルノの導きで階段を下りると、そこはまるで洞窟のような空間だった。
石造りの回廊に魔力を封じる結界が張られ、本棚には錬金術書や失われた召喚魔術の書が並ぶ。
その一角。私が手に取ったのは、革の背表紙に銀文字が刻まれた古文書だった。
《境界術概論:門を開く者たち》
めくると、こんな記述が目に入る。
> 『門使いとは、双つの世界を結びし者。 彼らは災厄を呼ぶ者とも、救済を運ぶ者とも記されてきた。 “門”は、いずれもう一つの扉を開く鍵である。 それが“神域”と呼ばれる、第三の世界への通路であると――』
「第三の世界……?」
そこへ、後ろから誰かが近づいてくる気配がした。
振り返ると、白いローブをまとった若い女性が立っていた。
「あなたが、門使い……」
その瞳は、不思議な光を宿していた。
「私はリリア・アルフェリア。魔術院の副長……そして、“門に選ばれし者”の監視者でもあります」
「監視者……?」
「いずれわかるわ。あなたがこれから向き合うのは、ただの異世界ではない。“存在の根源”に触れる可能性すらある」
彼女の言葉は、まるで預言のように私の胸に刺さった。
*
帰路、私は何度も“第三の世界”という言葉を繰り返していた。
私の“門”は、ただの異世界転移ではなかった。
世界と世界を超え、いずれ“根源”に届く力かもしれない。
「カスミ、大丈夫……?」
サラが心配そうに覗き込む。
「うん、まだはっきりしないけど……でも進みたい。私、自分の力が何なのかをちゃんと知りたいの」
私の旅は、ただの異世界往復では終わらない。
それをこの王都が、静かに教えてくれていた。
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