内定ゼロ、でも異世界でスカウトされました!」

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第九話:地球からの来訪者と、二つ目の門

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魔導誓約を終えた夜、私は深い眠りの中で“門”の夢を見た。

光と闇が渦を巻き、その中心に、もうひとつの“扉”が揺れていた。
それは、私が使う門とは異なる色を持ち、誰かが――向こうからこちらを見ていた。

「……誰?」

その問いに、夢の中の“扉”は静かに開かれた。



目が覚めると、レンが真剣な顔で立っていた。

「カスミ。さっき、魔導院に急報が届いた。“別の門”が、地球と異世界の間に開かれたらしい」

「え……?」

「しかも、向こう側から“誰か”が来た」

胸がざわめいた。もしかして、地球側の誰かが――こちらの世界に?



魔導院に着くと、すでに騎士や魔導師たちが緊張した面持ちで集まっていた。
中心にいたのは、白衣の女性だった。
髪をまとめ、落ち着いた眼差しで周囲を観察している。

「イチノセ・カスミさんですね?」

「……はい。あなたは?」

「私は加賀谷 澪(かがや みお)。地球側で、“門の力”を追っていた研究者です」

その瞬間、私は思い出した。大学の研究室で噂されていた「特異点エネルギー研究プロジェクト」――澪さんは、その主任だったはずだ。

「どうしてこっちに?」

「“あなた”が、あまりに強く“扉”を開いたから。共鳴した別の門が、私をここに導いたの」

澪は続けた。

「門の力には、想像以上の影響力がある。地球側でも異変が出始めている。現実が、歪み始めているのよ」

「それって……この力のせいで?」

「可能性は高い。だからお願い。あなたと一緒に、“門の安定”の研究をさせて」



私は迷っていた。

澪さんは信頼できる人だ。でも、地球からこの世界へ“自由に来られる”ようになったら……この世界が、奪われるかもしれない。

「……ねえ澪さん。あなたはこの世界を“研究対象”として見てる?」

その問いに、彼女はほんの少しだけ言葉を詰まらせた。

「私は科学者。でも同時に、人としてここに来た。あなたの目で、それを判断してほしい」

そう言った彼女の瞳は、決して冷たいものではなかった。



その夜。私は、サラとレンに相談した。

「地球から誰かが来た……それって、すごいことじゃない?」
サラは興味津々だ。

「だが危険もある。門が二つ以上存在するということは、“誰かが故意にそれを開けた”可能性もある」
レンは警戒を解かない。

私は、地球と異世界の架け橋になるか、それとも引き返すべきか――その選択の岐路に立っていた。

だが、心の奥で思っていた。

――きっと、この力は“二つの世界”を繋げるためにある。
その先に、誰かの“救い”や“未来”があるなら――私は進もう。

「澪さん。協力します。ただし、“この世界を守る”という条件で」

「……ありがとう。じゃあ、まずは“門の座標”の安定から始めましょう」

そして、私たちは動き出した。

“門の核心”に向かって――。




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