少女は自重を知らない~私、普通ですよね?

チャチャ

文字の大きさ
11 / 48

11 商人ギルドギルドマスターのお願い

宿屋に戻って、ようやくひと息つける――と思ったところで、
トントン。
と軽く部屋のドアが叩かれた。

「……はい、どなたですかー?」

扉を開けると、宿屋の従業員さんだった。

「申し訳ありません、お休みのところ。お客様がお見えです。下でお待ちです。」

「お客様……?わかりました。すぐ行きますね。」

戸を閉め、身支度を整える。
(お客さんって誰だろ……知り合いなんて、トトさんくらいしかいないのに……?)


---

1階に降りると、身なりの良いスーツ姿の男性が一人、落ち着いた様子で待っていた。

「こんばんは。私は商人ギルドのパルマと申します。ギルドマスターからのご指名でお迎えに上がりました。」

「ギルドマスター?えっ、私、何かしました……?」

「詳しいお話は、ギルドマスターから直接聞いていただければと思います。」

そう言って彼は深く一礼し、馬車まで案内してくれた。


---

道中、ミサトはずっと頭を抱えていた。

(ギルドマスターって、超偉い人だよね?なんか怒られることしたかな……ポトフの味が濃すぎたとか……?いやでも、それは無いよね……)

そんなことを考えているうちに、馬車は商人ギルドの建物の前に到着した。


---

中に案内され、ギルドマスターの部屋の前で扉をノックする。

トントン

「入ってください。」

「失礼します!」

中に入ると、赤い長髪にスタイルのいい美しい女性が立っていた。
思わず見惚れてしまい――

「あら、変な顔。ふふっ、可愛い子ね。」

「えっ、す、すみません……!」

(めっちゃ綺麗な人……この人が、ギルドマスター?)

「改めまして、私はこの街の商人ギルドのギルドマスター、ネイサです。急にお呼び立てしてごめんなさいね。」

「いえ、私こそ突然でびっくりしました。ミサトです。」

「今日はね、お願いがあって来ていただいたの。」

ネイサは静かに微笑むと、話を続けた。

「この街に新しい料理が登場しました。“ポトフ”という料理、あなたが作り方を教えたと聞きました。」

「……あっ、やっぱり……」

ようやく合点がいった。
あの料理が、街の話題になるなんて。

「はい。トトさんに教えただけなんですが……」

「とても素晴らしい料理です。味だけでなく、保存性や材料の使い方……これまでにない画期的な一皿です。」

そう語るネイサの瞳は真剣だった。

「お願いです。あなたが知っているレシピを、商人ギルドに登録していただけませんか?この世界に“食の革命”を起こせると、私は本気で思っています。」


---
感想 31

あなたにおすすめの小説

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。

ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。 飲めないお酒を飲んでぶったおれた。 気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。 その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった

モンド家の、香麗なギフトは『ルゥ』でした。~家族一緒にこの異世界で美味しいスローライフを送ります~

みちのあかり
ファンタジー
10歳で『ルゥ』というギフトを得た僕。 どんなギフトかわからないまま、義理の兄たちとダンジョンに潜ったけど、役立たずと言われ取り残されてしまった。 一人きりで動くこともできない僕を助けてくれたのは一匹のフェンリルだった。僕のギルト『ルゥ』で出来たスープは、フェンリルの古傷を直すほどのとんでもないギフトだった。 その頃、母も僕のせいで離婚をされた。僕のギフトを理解できない義兄たちの報告のせいだった。 これは、母と僕と妹が、そこから幸せになるまでの、大切な人々との出会いのファンタジーです。 カクヨムにもサブタイ違いで載せています。

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

辺境薬術師のポーションは至高 騎士団を追放されても、魔法薬がすべてを解決する

鶴井こう
ファンタジー
【書籍化しました】 余分にポーションを作らせ、横流しして金を稼いでいた王国騎士団第15番隊は、俺を追放した。 いきなり仕事を首にされ、隊を後にする俺。ひょんなことから、辺境伯の娘の怪我を助けたことから、辺境の村に招待されることに。 一方、モンスターたちのスタンピードを抑え込もうとしていた第15番隊。 しかしポーションの数が圧倒的に足りず、品質が低いポーションで回復もままならず、第15番隊の守備していた拠点から陥落し、王都は徐々にモンスターに侵略されていく。 俺はもふもふを拾ったり農地改革したり辺境の村でのんびりと過ごしていたが、徐々にその腕を買われて頼りにされることに。功績もステータスに表示されてしまい隠せないので、褒賞は甘んじて受けることにしようと思う。

城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?

甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。 友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。 マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に…… そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり…… 武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。