少女は自重を知らない~私、普通ですよね?

チャチャ

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12 ギルマスの思い

ギルドマスター・ネイサさんのお願いは、やはり私の知っている“料理のレシピ”だった。

料理のレシピを商人ギルドに登録すれば、それを使って料理を提供するお店の売上の――なんと半分が私に入るという。

「……え、は、半分!? 半分って……あの、お店のですか? 売上の!?」

思わず口がパクパクしてしまう。
自分で生み出した料理でもないのに、そんな大金を受け取ってもいいのかな……。

するとネイサさんが、まっすぐこちらを見て話しかけてきた。

「いかがでしょうか? 今すぐ答えを出す必要はありません。ただ……もし登録していただけるのなら、私が責任を持って動きます!」

その眼差しはまるで戦う騎士のように真剣で、ちょっと怖いくらいだった。

(……ネイサさん、なにか事情があるのかな……。この世界でも女性って、生きづらいのかな?)

「……わかりました。少し考えてみます。今日はもう、お話は終わりですか?」

「ええ。ありがとう、ミサトさん。もしこの街で何か商売を始めようと思ったら、いつでも相談してくださいね♪」

「ふふっ、ありがとうございます。そのときは、ぜひお願いします。」

その後しばらく、ネイサさんと世間話をしてからギルドを後にした。


---

そのころ、ギルドマスターの部屋ではネイサとサブギルドマスターのシースーが密談を交わしていた。

「……で、シースー。あの子、どう思った?」

「私は直接話してませんが……あの若さで、あの料理を? 正直、信じがたいです。」

「私も最初はそう思ったわ。でもね、もし彼女がレシピを売ってくれたら……私たちの立場も変わるのよ! 女性でも結果を出せるって証明できる!」

ネイサは目を燃やす。
この街で女がギルドを率いるには、実績が何よりの武器だった。

「“女性には無理”なんて言葉、二度と言わせないわよ。」

シースーは苦笑いを浮かべながら言った。

「……あまり必死さを見せすぎると、引かれますよ?逃げられないよう、気をつけてくださいね。」

「えっ……そんなに出ちゃってた?」

「出てました。確実に。」

「うぅ……やっぱり引かれたかぁ……」


---

一方その頃、ミサトは宿屋の自室に戻ってきていた。

「ふぅー。なんだか……今日は疲れたなぁ。ネイサさん、めっちゃ本気だったし……」

ベッドにごろりと寝転がって、天井を見上げる。

「どうしよう。料理を広めるつもり、今はないんだよね……」

この街でレストラン経営をするつもりもない。
それに、今はまだ――

「今回はポーションを売るのよ!」

ふんすと気合を入れ直して、明日からの準備に思いを馳せるのだった。


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