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1章 転生ガチャで始まる異世界スローライ フ!? ポンコツ神と無自覚最強の村暮らし
第3話「ギルド試験に挑戦!?目指せ正式冒険者」
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数日後――畑の手入れを終えた俺に、ギルドからの手紙が届いた。
「レク・エルディアス様へ。初回仮登録からのステップアップに関して……?」
内容を要約すると、こうだ。
【仮登録冒険者としての活動が認められたため、正式な冒険者試験を受ける資格を得ました】
【試験は3日後、ギルド本部にて実施されます】
【合格者にはランク認定と専用バッジ、報酬の引き上げ、依頼の幅拡張が与えられます】
「正式な……冒険者?」
俺は少し悩んだ。スローライフを志している身としては、目立つことは避けたい。だが――
「スローライフを守るためにも、ある程度の信用って必要だよな……」
畑の拡張や、いずれは他の村との交易も視野に入れたとき、ギルドの後ろ盾は大きい。
「受けるか、試験。よし、やってみよう」
◇◇◇
「正式試験ですか!? レクさんなら、きっと合格できます!」
リィナは両手を握りしめて応援モード。
「我が主よ、試験会場では私も同行可能ですか?」
「お前……そのサイズで浮いてたら目立つんだけど」
「では小鳥の姿になりますね。ぴぴ」
「やめて!? なんかヘンなキャラ入ってるぞ!」
こうして、俺の“冒険者ランク試験”への挑戦が始まる。
ギルド本部――そこには、思っていた以上のクセ者たちが待っていたのだった。
✳✳✳
三日後。俺はリィナとフェリアを連れて、ギルド本部へとやってきた。
建物は三階建ての石造りで、町の中心にそびえ立つように建っていた。
「わぁ……すごく立派な建物……!」
「入る前から威圧感あるな……。スローライフ遠ざかってないか、俺?」
受付で名前を告げると、試験用の大広間に案内された。
そこには、俺と同じように試験を受けにきた受験者たちが、20人以上も集まっていた。
――しかも、みんなクセが強そうだった。
「この試験で私の天才ぶりを証明してやる!」
「フッ……我が剣に敵う者などいない……!」
「ぴぴぴー! 鳥ですら受けに来たか!」
最後のやつ、明らかに仮装だよな!?
「主よ、あれは“コスプレ系冒険者”という分類に入ります」
「そんなカテゴリいらんから!」
◇◇◇
やがて、試験官が入室した。
「静粛に! 第一試験、知識試問を開始する!」
現れたのは、眼鏡をかけた鋭い目の女性――試験官セリアだった。
「第一試験では、魔物の分類、薬草の知識、依頼内容の適正判断、ギルド規約に関する筆記を行います」
「筆記試験……!」
てっきり体力テストかと思ってた俺は、意表を突かれて一瞬フリーズした。
「筆記用紙を配布。制限時間は30分。カンニング発覚時は即失格とします」
机に置かれた紙を見ると――
【次の魔物のうち、火属性に強いものを2つ選びなさい】
【キルニア草の効果として誤っているものを1つ選べ】
【依頼者が“危険”と明記していない場合、Cランク冒険者がBランク依頼を受けるのは――】
うわ、これ意外とガチだ……!
だが、俺には“スキル”がある。
───────────────
《ユニークスキル:知識の泉》発動中
効果:五感を通じた知識の吸収効率上昇
補助:過去に見聞きした知識を自動整理・思考補完
───────────────
(――そういや昔、地球で読んだファンタジー資料集が役に立つとは)
俺は筆を走らせた。静かな空間に、紙とペンの音だけが響いていた。
✳✳✳
「はい、そこまで! 筆記試験終了!」
セリア試験官が時間を告げると同時に、受験者たちが一斉にペンを置いた。
「いやー……頭使ったら腹減ったな……」
「主よ、私の風で脳を冷却しましょうか?」
「脳冷却って何!? お前は扇風機か!」
そんな会話をしているうちに、採点結果が発表された。
「筆記試験の合格者は――」
受験者たちが息をのむ中、セリアが名前を読み上げる。
「レク・クレイド、合格」
「よっしゃあああ!!」
ついガッツポーズを決めてしまい、周囲の受験者から「こいつ誰?」みたいな視線を浴びた。
「他の合格者は――カイ・ローゼン、ミア・フォルテ、ドワル・グランデ……以上10名」
半分は脱落か。意外と厳しいな……。
◇◇◇
「では次の試験に移る。第二試験は――模擬実戦だ!」
「やっぱり来たか……!」
「戦闘試験では、実力だけでなく冷静さや連携力も試される。相手は訓練用ゴーレムだ」
セリアが指を鳴らすと、広間の床がガコンと動き、無骨な石の巨人――訓練用ゴーレムがせり上がってきた。
「おいおい、あれって本当に訓練用か? 普通にヤバい強さに見えるんだが」
「フッ、俺の剣技なら一撃だ!」と自信満々の受験者。
――絶対フラグだよな、これ。
「順番に前に出ろ! 倒せなくても、動きを封じるなど対応を見せれば合格点を与える!」
俺の番は三番目。前の受験者の戦いを見ていたが――
「ぎゃあああっ!? あいつ硬すぎる!」
「剣が欠けた!? 嘘だろ!」
想像以上にハードな戦いになりそうだ。
「主よ、ゴーレムは風の隙間を探せば攻略可能です」
「風の隙間……?」
フェリアのヒントがカギになりそうだ。
✳✳✳
ついに、俺――レク・エルディアスの番がきた。
「三番手、前へ!」
「いっちょ、やりますか」
深呼吸しながら前に出ると、訓練用ゴーレムがギュオンと腕を回した。
重々しいその動きに、空気がピリッと張り詰める。
「主よ、左肩の合わせ目。そこに風が抜けています」
「そこか……!」
───────────────
《ユニークスキル:風刃展開》
効果:鋭利な風の刃で対象を斬撃
対象:構造の継ぎ目、接合部への特効
───────────────
「風刃、展開っ!!」
俺が手を振ると、透明な刃がシュッと走り、ゴーレムの左肩に深々と刻み込まれた。
ドゴンッ!
鈍い音と共に、ゴーレムの腕が弾かれる。
「ほぉ……あの巨体を、風属性で……?」
セリアの口調が微妙に変わった。
だが、ここからが本番だ!
「次、足元ッ!」
「主よ、起動脚部は接地時に空気が逃げています。狙い目です」
「なら――“風鎮”!」
───────────────
《ユニークスキル:風鎮》発動
効果:対象の風属性干渉領域を固定
副効果:動作制限・バランス崩壊
───────────────
ゴーレムの脚部が動きを失い、ぐらりとバランスを崩す。
「今だ――“双刃風輪”ッ!」
───────────────
《ユニークスキル:双刃風輪》発動
効果:二重の風輪が高速回転し、切断力を増強
特性:対象の魔素密度を解析し、刃圧を自動調整
───────────────
回転する風の刃が、ゴーレムの膝関節を一閃――!
ドガァァン!!
ゴーレムは、轟音とともに倒れた。
「……討伐、完了です」
◇◇◇
「ふむ……戦術、判断力、魔力制御、いずれも優秀」
試験官セリアが俺のスキルログを確認しながら、満足げに頷く。
「次回試験、最終評価が楽しみですね」
「え、まだあるの!?」
✳✳✳
「さて……いよいよ、最終試験です」
セリア試験官が言ったその瞬間、会場の雰囲気が一変した。
先ほどまでの個人戦形式ではなく、今度は“フィールド形式”らしい。
「受験者同士を3人1組のチームに分け、模擬ダンジョンにて実技を行います。課題は3つ。
魔物の殲滅、安全確保、依頼品の回収。全項目を満たしたチームのみ、合格とします」
なるほど、チームワークと総合力を見る試験か。
「チーム分けは、こちらでランダムに行います」
どうやら完全に運任せらしいが――
(俺、運だけはいい自信あるんだよな……)
表示されたチーム一覧を見ると、俺の名前はこうなっていた。
【チームC:レク・エルディアス/ミア・フォルテ/ドワル・グランデ】
「あ、さっき筆記と実戦で合格してた人たちだ!」
ミアは弓使いの少女で、理知的な雰囲気。
ドワルは大柄な斧戦士。まるでドワーフ族かと思いきや、れっきとした人間らしい。
「よし、初めまして。俺はレク、よろしく頼む」
「こちらこそ。私はミア、戦闘支援型のスナイパーです」
「ワシはドワル! 一撃必中の破壊屋じゃ!」
個性的すぎる二人だが、バランスは悪くない。俺が中距離・風属性、ミアが遠距離、ドワルが近接破壊型。
「主よ、この組み合わせ……理論上、非常に相性がいいです」
「お前、何気に分析屋だったのか……」
◇◇◇
「試験開始ィィ!!」
セリアの号令とともに、模擬ダンジョンの扉が開かれる。
暗い通路を抜けた先――広がるフィールドに、魔物たちがうごめいていた。
スライム、コボルト、キマイラもどき……そして、奥に巨大な影。
「おいおい、あれってボス級だろ……!」
「主よ、これはきっと想定外の試練です。気を引き締めて」
「やるしかねぇな。――行くぞ、チームC!」
✳✳✳
ダンジョンの中央に鎮座する、巨大な魔物。
それは、牛の頭とトカゲの胴体、翼のような膜を背負った異形の魔獣だった。
「……なんだ、あれ」
「主よ、《キメラ・グロウル》と推定されます。通常個体より、やや変異しています」
「試験で出すモンスターのレベルじゃねぇ!」
「試験に見せかけたサバイバルね」とミアが静かに言った。
◇◇◇
敵の咆哮と共に戦闘開始!
「まずは牽制ッ!」
ミアの矢が光をまとって放たれる。
――パシュッ! ズドン!
直撃したのは、魔獣の目元。鋭い視線が一瞬逸れた。
「今じゃワシの出番じゃ! 喰らえ、“轟雷斧牙”!!」
───────────────
《アクティブスキル:轟雷斧牙》
効果:衝撃波を伴う強撃。対象にスタン効果付与
───────────────
斧を地面ごと叩きつけ、衝撃波が魔獣を揺らす。
「ナイス、ドワル!」
その隙に、俺も前に出る!
「“風走剣・双刃”――!」
脚に風をまとい、斬撃で敵の脇腹を裂く。
しかし――
「ぐおおおっ!!」
魔獣の尻尾が大きくうねり、俺に迫る!
(やば――間に合わない!)
その瞬間、脳内にシステムメッセージが走った。
───────────────
《ユニークスキル:疾風の誓い》が覚醒条件を満たしました
発動条件:仲間の危機と連携意志
効果:風の加護による回避性能の極限上昇+連携時バフ発動
───────────────
「――っ!」
風が身体を包み、俺の動きが加速する。
「“疾風の誓い”、発動ッ!!」
スローモーションのような感覚の中、尻尾を紙一重で回避!
そのままミアの援護射撃、ドワルの斧撃と連携して――
キメラ・グロウルに一斉攻撃!
ズガガンッ!!
「命中ッ! 目標、大ダメージです!」
「主よ、今です!」
「決める――“風牙斬・改”!!」
渾身の一撃が、魔獣の首筋を貫いた――。
✳✳✳
キメラ・グロウルの巨体が、ゆっくりと崩れ落ちる。
「討伐、完了……!」
俺たち3人はしばし無言で立ち尽くしていた。
だが、直後――
「やったぁぁあ!!」
「ふぉっふぉっふぉっ、ワシらやったぞぉ!」
「最高の連携だったよ、二人とも!」
互いに拳を合わせ、笑い合う。まさか、試験でこんな達成感があるとは。
◇◇◇
ダンジョンから帰還後、ギルド本部で最終評価が下された。
「チームC、課題全達成。討伐、回収、安全確保、すべて高水準。――合格です」
「……!」
セリアの言葉に、思わず全員でガッツポーズ。
「特にレク・エルディアス、あなたのスキル運用は記録的です。……というか、なぜ全てユニークスキルなのですか?」
「え、いや……たまたま?」
妙な間が流れる。
「……まあ、よろしい。ではこれを」
セリアが差し出したのは――
【正式冒険者証/ランクD】
金属製のバッジと、名前入りのカードだった。
「やった……! これで俺も正式な冒険者!」
「主よ、ランクDは新人としては異例の高評価です。もはや注目の的ですね」
「う、うれしいけど目立つのはちょっと……」
だが、ギルド内ではすでにささやかれていた。
「……あの新人、全スキルがユニークだってよ」
「試験のゴーレムを片手で倒したらしいぜ」
「え、次代の“伝説枠”とか……?」
静かに、だが確実に。
レク・エルディアスの名が、ギルドに刻まれ始めていた。
「レク・エルディアス様へ。初回仮登録からのステップアップに関して……?」
内容を要約すると、こうだ。
【仮登録冒険者としての活動が認められたため、正式な冒険者試験を受ける資格を得ました】
【試験は3日後、ギルド本部にて実施されます】
【合格者にはランク認定と専用バッジ、報酬の引き上げ、依頼の幅拡張が与えられます】
「正式な……冒険者?」
俺は少し悩んだ。スローライフを志している身としては、目立つことは避けたい。だが――
「スローライフを守るためにも、ある程度の信用って必要だよな……」
畑の拡張や、いずれは他の村との交易も視野に入れたとき、ギルドの後ろ盾は大きい。
「受けるか、試験。よし、やってみよう」
◇◇◇
「正式試験ですか!? レクさんなら、きっと合格できます!」
リィナは両手を握りしめて応援モード。
「我が主よ、試験会場では私も同行可能ですか?」
「お前……そのサイズで浮いてたら目立つんだけど」
「では小鳥の姿になりますね。ぴぴ」
「やめて!? なんかヘンなキャラ入ってるぞ!」
こうして、俺の“冒険者ランク試験”への挑戦が始まる。
ギルド本部――そこには、思っていた以上のクセ者たちが待っていたのだった。
✳✳✳
三日後。俺はリィナとフェリアを連れて、ギルド本部へとやってきた。
建物は三階建ての石造りで、町の中心にそびえ立つように建っていた。
「わぁ……すごく立派な建物……!」
「入る前から威圧感あるな……。スローライフ遠ざかってないか、俺?」
受付で名前を告げると、試験用の大広間に案内された。
そこには、俺と同じように試験を受けにきた受験者たちが、20人以上も集まっていた。
――しかも、みんなクセが強そうだった。
「この試験で私の天才ぶりを証明してやる!」
「フッ……我が剣に敵う者などいない……!」
「ぴぴぴー! 鳥ですら受けに来たか!」
最後のやつ、明らかに仮装だよな!?
「主よ、あれは“コスプレ系冒険者”という分類に入ります」
「そんなカテゴリいらんから!」
◇◇◇
やがて、試験官が入室した。
「静粛に! 第一試験、知識試問を開始する!」
現れたのは、眼鏡をかけた鋭い目の女性――試験官セリアだった。
「第一試験では、魔物の分類、薬草の知識、依頼内容の適正判断、ギルド規約に関する筆記を行います」
「筆記試験……!」
てっきり体力テストかと思ってた俺は、意表を突かれて一瞬フリーズした。
「筆記用紙を配布。制限時間は30分。カンニング発覚時は即失格とします」
机に置かれた紙を見ると――
【次の魔物のうち、火属性に強いものを2つ選びなさい】
【キルニア草の効果として誤っているものを1つ選べ】
【依頼者が“危険”と明記していない場合、Cランク冒険者がBランク依頼を受けるのは――】
うわ、これ意外とガチだ……!
だが、俺には“スキル”がある。
───────────────
《ユニークスキル:知識の泉》発動中
効果:五感を通じた知識の吸収効率上昇
補助:過去に見聞きした知識を自動整理・思考補完
───────────────
(――そういや昔、地球で読んだファンタジー資料集が役に立つとは)
俺は筆を走らせた。静かな空間に、紙とペンの音だけが響いていた。
✳✳✳
「はい、そこまで! 筆記試験終了!」
セリア試験官が時間を告げると同時に、受験者たちが一斉にペンを置いた。
「いやー……頭使ったら腹減ったな……」
「主よ、私の風で脳を冷却しましょうか?」
「脳冷却って何!? お前は扇風機か!」
そんな会話をしているうちに、採点結果が発表された。
「筆記試験の合格者は――」
受験者たちが息をのむ中、セリアが名前を読み上げる。
「レク・クレイド、合格」
「よっしゃあああ!!」
ついガッツポーズを決めてしまい、周囲の受験者から「こいつ誰?」みたいな視線を浴びた。
「他の合格者は――カイ・ローゼン、ミア・フォルテ、ドワル・グランデ……以上10名」
半分は脱落か。意外と厳しいな……。
◇◇◇
「では次の試験に移る。第二試験は――模擬実戦だ!」
「やっぱり来たか……!」
「戦闘試験では、実力だけでなく冷静さや連携力も試される。相手は訓練用ゴーレムだ」
セリアが指を鳴らすと、広間の床がガコンと動き、無骨な石の巨人――訓練用ゴーレムがせり上がってきた。
「おいおい、あれって本当に訓練用か? 普通にヤバい強さに見えるんだが」
「フッ、俺の剣技なら一撃だ!」と自信満々の受験者。
――絶対フラグだよな、これ。
「順番に前に出ろ! 倒せなくても、動きを封じるなど対応を見せれば合格点を与える!」
俺の番は三番目。前の受験者の戦いを見ていたが――
「ぎゃあああっ!? あいつ硬すぎる!」
「剣が欠けた!? 嘘だろ!」
想像以上にハードな戦いになりそうだ。
「主よ、ゴーレムは風の隙間を探せば攻略可能です」
「風の隙間……?」
フェリアのヒントがカギになりそうだ。
✳✳✳
ついに、俺――レク・エルディアスの番がきた。
「三番手、前へ!」
「いっちょ、やりますか」
深呼吸しながら前に出ると、訓練用ゴーレムがギュオンと腕を回した。
重々しいその動きに、空気がピリッと張り詰める。
「主よ、左肩の合わせ目。そこに風が抜けています」
「そこか……!」
───────────────
《ユニークスキル:風刃展開》
効果:鋭利な風の刃で対象を斬撃
対象:構造の継ぎ目、接合部への特効
───────────────
「風刃、展開っ!!」
俺が手を振ると、透明な刃がシュッと走り、ゴーレムの左肩に深々と刻み込まれた。
ドゴンッ!
鈍い音と共に、ゴーレムの腕が弾かれる。
「ほぉ……あの巨体を、風属性で……?」
セリアの口調が微妙に変わった。
だが、ここからが本番だ!
「次、足元ッ!」
「主よ、起動脚部は接地時に空気が逃げています。狙い目です」
「なら――“風鎮”!」
───────────────
《ユニークスキル:風鎮》発動
効果:対象の風属性干渉領域を固定
副効果:動作制限・バランス崩壊
───────────────
ゴーレムの脚部が動きを失い、ぐらりとバランスを崩す。
「今だ――“双刃風輪”ッ!」
───────────────
《ユニークスキル:双刃風輪》発動
効果:二重の風輪が高速回転し、切断力を増強
特性:対象の魔素密度を解析し、刃圧を自動調整
───────────────
回転する風の刃が、ゴーレムの膝関節を一閃――!
ドガァァン!!
ゴーレムは、轟音とともに倒れた。
「……討伐、完了です」
◇◇◇
「ふむ……戦術、判断力、魔力制御、いずれも優秀」
試験官セリアが俺のスキルログを確認しながら、満足げに頷く。
「次回試験、最終評価が楽しみですね」
「え、まだあるの!?」
✳✳✳
「さて……いよいよ、最終試験です」
セリア試験官が言ったその瞬間、会場の雰囲気が一変した。
先ほどまでの個人戦形式ではなく、今度は“フィールド形式”らしい。
「受験者同士を3人1組のチームに分け、模擬ダンジョンにて実技を行います。課題は3つ。
魔物の殲滅、安全確保、依頼品の回収。全項目を満たしたチームのみ、合格とします」
なるほど、チームワークと総合力を見る試験か。
「チーム分けは、こちらでランダムに行います」
どうやら完全に運任せらしいが――
(俺、運だけはいい自信あるんだよな……)
表示されたチーム一覧を見ると、俺の名前はこうなっていた。
【チームC:レク・エルディアス/ミア・フォルテ/ドワル・グランデ】
「あ、さっき筆記と実戦で合格してた人たちだ!」
ミアは弓使いの少女で、理知的な雰囲気。
ドワルは大柄な斧戦士。まるでドワーフ族かと思いきや、れっきとした人間らしい。
「よし、初めまして。俺はレク、よろしく頼む」
「こちらこそ。私はミア、戦闘支援型のスナイパーです」
「ワシはドワル! 一撃必中の破壊屋じゃ!」
個性的すぎる二人だが、バランスは悪くない。俺が中距離・風属性、ミアが遠距離、ドワルが近接破壊型。
「主よ、この組み合わせ……理論上、非常に相性がいいです」
「お前、何気に分析屋だったのか……」
◇◇◇
「試験開始ィィ!!」
セリアの号令とともに、模擬ダンジョンの扉が開かれる。
暗い通路を抜けた先――広がるフィールドに、魔物たちがうごめいていた。
スライム、コボルト、キマイラもどき……そして、奥に巨大な影。
「おいおい、あれってボス級だろ……!」
「主よ、これはきっと想定外の試練です。気を引き締めて」
「やるしかねぇな。――行くぞ、チームC!」
✳✳✳
ダンジョンの中央に鎮座する、巨大な魔物。
それは、牛の頭とトカゲの胴体、翼のような膜を背負った異形の魔獣だった。
「……なんだ、あれ」
「主よ、《キメラ・グロウル》と推定されます。通常個体より、やや変異しています」
「試験で出すモンスターのレベルじゃねぇ!」
「試験に見せかけたサバイバルね」とミアが静かに言った。
◇◇◇
敵の咆哮と共に戦闘開始!
「まずは牽制ッ!」
ミアの矢が光をまとって放たれる。
――パシュッ! ズドン!
直撃したのは、魔獣の目元。鋭い視線が一瞬逸れた。
「今じゃワシの出番じゃ! 喰らえ、“轟雷斧牙”!!」
───────────────
《アクティブスキル:轟雷斧牙》
効果:衝撃波を伴う強撃。対象にスタン効果付与
───────────────
斧を地面ごと叩きつけ、衝撃波が魔獣を揺らす。
「ナイス、ドワル!」
その隙に、俺も前に出る!
「“風走剣・双刃”――!」
脚に風をまとい、斬撃で敵の脇腹を裂く。
しかし――
「ぐおおおっ!!」
魔獣の尻尾が大きくうねり、俺に迫る!
(やば――間に合わない!)
その瞬間、脳内にシステムメッセージが走った。
───────────────
《ユニークスキル:疾風の誓い》が覚醒条件を満たしました
発動条件:仲間の危機と連携意志
効果:風の加護による回避性能の極限上昇+連携時バフ発動
───────────────
「――っ!」
風が身体を包み、俺の動きが加速する。
「“疾風の誓い”、発動ッ!!」
スローモーションのような感覚の中、尻尾を紙一重で回避!
そのままミアの援護射撃、ドワルの斧撃と連携して――
キメラ・グロウルに一斉攻撃!
ズガガンッ!!
「命中ッ! 目標、大ダメージです!」
「主よ、今です!」
「決める――“風牙斬・改”!!」
渾身の一撃が、魔獣の首筋を貫いた――。
✳✳✳
キメラ・グロウルの巨体が、ゆっくりと崩れ落ちる。
「討伐、完了……!」
俺たち3人はしばし無言で立ち尽くしていた。
だが、直後――
「やったぁぁあ!!」
「ふぉっふぉっふぉっ、ワシらやったぞぉ!」
「最高の連携だったよ、二人とも!」
互いに拳を合わせ、笑い合う。まさか、試験でこんな達成感があるとは。
◇◇◇
ダンジョンから帰還後、ギルド本部で最終評価が下された。
「チームC、課題全達成。討伐、回収、安全確保、すべて高水準。――合格です」
「……!」
セリアの言葉に、思わず全員でガッツポーズ。
「特にレク・エルディアス、あなたのスキル運用は記録的です。……というか、なぜ全てユニークスキルなのですか?」
「え、いや……たまたま?」
妙な間が流れる。
「……まあ、よろしい。ではこれを」
セリアが差し出したのは――
【正式冒険者証/ランクD】
金属製のバッジと、名前入りのカードだった。
「やった……! これで俺も正式な冒険者!」
「主よ、ランクDは新人としては異例の高評価です。もはや注目の的ですね」
「う、うれしいけど目立つのはちょっと……」
だが、ギルド内ではすでにささやかれていた。
「……あの新人、全スキルがユニークだってよ」
「試験のゴーレムを片手で倒したらしいぜ」
「え、次代の“伝説枠”とか……?」
静かに、だが確実に。
レク・エルディアスの名が、ギルドに刻まれ始めていた。
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その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
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