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あなたの正しい時間になりたい
宣戦布告
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「えっ!昨日の『MINAXIS』の案件通った!?柏木と澪緒ちゃんの2人で!?」
「はい。澁澤さんが頑張ってくれました」
月一回の戦略会議。
そこで営業部部長の氷室が柏木の報告を聞いて喜びの声を上げた。
今日の柏木はライトブラウンのスリーピースにライトブルーのシャツ、紺のネクタイ、澪緒はライトブルーの薄手のニットに紺のパンツ。
嗜好は服にも現れる。リンクコーデのような2人は一見正反対のだが案外似た者同士かもなと氷室は思う。
「てっきり先方からの難題を会社に持ち帰ってくると思ってたよ。大金星!素晴らしい!2人ともよくやった!」
氷室が拍手喝采する。
下町出身の氷室は有川デザインオフィスの潤滑油。他の社員もおめでとー、と口にして氷室に賛同するように拍手する。
戦略会議に祝賀ムードが漂う。
賞賛された柏木は口元に笑みを浮かべて一礼し、隣の澪緒は顔の前で白い手をパチパチさせながらお辞儀をする。
共に修羅場をくぐって距離が縮まった。
澪緒と柏木はそういう親密さを漂わせていた。
「お前ら、バディだ!しばらく営業、2人で行け!」
「氷室さん、まだ柏木はWEBの方の知識が足りませんし、澁澤と行かせるのはケースバイケースで。澁澤に負荷がかかりすぎます」
それまで思案顔で報告を聞いていた副島が口を開く。
柏木の視線が澪緒の笑顔から副島に移動する。
氷室が続ける。
「そうですか?副島さんの負担も軽くなっていいでしょ?そろそろ澪緒ちゃんも、ひとり立ちしないと」
「いずれ。今ではないですね」
「早い方がいいと思うなー。営業は澪緒ちゃんと柏木の2人で行って、実務は他の人間がやってもいいんだからさ。副島さん以外に売り上げの柱、作らないと。カッコいい系の柏木と可愛い系の澪緒ちゃんが営業来たら女性は嬉しいでしょ」
「外見を武器にするような言い方はちょっと」
「あ、こういうのハラスメントなんだっけ?失礼。ハハ、今の撤回。でもまぁ、澪緒ちゃん、柏木ちょっと堅いけど一緒に仕事してやってよ。俺もサポートするからさ」
「あ、はい。是非」
「澁澤、俺たちはクライアント第一だからな。常に足元を見ろよ。後で俺のとこに昨日の報告をしに来るように」
「はい」
普段は感情を乱すことがない副島が珍しく澪緒に釘を刺す。
会議室にいる面々は隣の人間と顔を見合わせたり澪緒に同情の目を向けたが、名指しで釘を刺された当人は平然としていた。
ーー副島さん、もしかして、俺に嫉妬してる?
先程から澪緒と柏木のバディにそれとなく反対する副島の様子を見て、澪緒は仄暗い喜びを感じていた。
澪緒を子ども扱いしてくる割にはいざ魅力的な柏木理緋都が澪緒の隣にいると自分の権力で阻止しようとしてくる。
呆れるほど自分勝手。
でも大丈夫。
俺が好きなのは副島さんだけだから。
澪緒はそう伝えるために精一杯の愛を込めて副島を見つめたが、目が合うなり副島は露骨に澪緒から目をそらした。
会議の議題が他の案件に移った。
「大丈夫か?顔色悪い」
澪緒の隣に座る柏木が小声で聞いてきた。
「ん。足元見なきゃね」
澪緒はまた透明人間になっていく自分を感じた。副島に、スルーされた。それは嫌われるより辛いこと。
また麦と飲み会だなと暗く沈んむ澪緒の視界に柏木の拳が入ってきた。
「え?」
柏木を見上げると柏木の優しい笑顔とぶつかる。
澪緒は拳の意味を理解し、自分の手を同じ形ににぎって柏木の拳にぶつける。
グータッチなんてしたのは学生以来のこと。本当にバディみたいで思わず目を合わせて笑い合う。
「よろしく、相棒」
柏木の頬に笑窪ができていた。
澪緒は号泣してしまいたいのを必死にこらえた。
「失礼します。澁澤です。報告に参りました」
部長職の副島に与えられている個室のドアを澪緒がノックする。ブラインドが閉まってたから嫌な予感がしたが、予想通り澪緒が部屋に入るなり、副島に腕をつかまれ部屋に強引に引きずり込まれる。
副島に唇を押し付けられる。
普段は穏やかな反面、荒れると抑制がきかなくなる副島に澪緒は身の危険を感じた。
先ほどの柏木との一連の光景がよほど逆鱗に触れたんだろう。
「柏木にはしゃぐお前が哀れで見ていられなかったぞ。女しか愛さない男に希望を持っても虚しいだけだ」
副島が澪緒のニットに手を入れてくる。
「何言って…やめ…柏木さんはただ喜びを分かち合おうとしてやっただけだ」
「あの男といても未来はない」
「未来がないのは、あなたと一緒にいたって同じだ」
「俺はお前の体も含めてお前を大切にしてる。あの男にそれができると思うか?」
「試してみなきゃわからないでしょう」
「試す?遊ばれて何もかもバレて社会的に破滅するだけだ」
売り言葉に買い言葉。
ただ、ちょっと嫉妬して欲しかっただけ。
線香花火くらいのわずかな炎だったのに、それを大量の氷水をぶっかけて消そうとするような副島に澪緒は激しく傷ついた。
再度唇が押し付けられる。澪緒は必死に抵抗する。
「帰る場所があるあなたに俺のことをどうこう言う資格はない」
「その帰る場所を守るために、俺がどれほど苦しんでいるか知ってるだろう」
「辛い時だけ俺の側に立とうとする。卑怯だ」
「澪緒…あの男を心の支えにしてるならそれは間違えてる」
「柏木さんは関係ない。今まで我慢して言わなかった。俺に大人になれと言うくせにいつまでも子供扱いする。いい加減それをやめてほしい。昨日のプレゼンだって俺一人でやってのけた。そろそろあなたに認めてほしい。じゃないと、俺は、この先一歩も前に進めない」
「俺と一緒に進めばいい」
あらんかぎりの力で抱きしめてくる副島に、澪緒は恐怖と愛しさの両方を感じた。
その時だった。
コンコンと強めにドアを叩く音がした。
「柏木です。今ちょっと打ち合わせよろしいでしょうか」
ドア一枚隔てて聞こえてくる渦中の人物に、澪緒は慌てて副島から身を剥がし元いた場所へ立つ。
絶賛痴話喧嘩中だが勤務時間中の今、そんなことは打ち合わせを拒否する理由にならない。澪緒が平静を装ったのを確認してから副島がどうぞ、と返事をする。
「失礼します」
柏木はいつもの形の良い笑顔を浮かべ入室してきた。
「氷室部長から言われて参りました。お2人が昨日の件で打ち合わせてるならちょうどいいからと。これ、昨日の案件のスケジュールです。まだ仮ですが。初めてのクライアントなので副島部長にも確認を、とのことでした。もちろん澁澤さんも目を通して頂けるとありがたいです」
「えっ、スケジュールもうできたんですか」
早い。
昨日の今日で新人がもうスケジュール作成とは。
それだけ協力者がいたということだ。
「印刷はどこにしました?」
「澁澤さんの許可なくすみません。今回ノベルティがあったのでそういうのが得意な島村印刷さんに。氷室部長もノベルティは島村さんじゃない?と仰ったので」
「ああ、俺もそう考えてたので大丈夫です。島村印刷さんと仕事したことないですよね?よくスケジュールできましたね」
「入社前の契約の時に井上さんの紹介で夏目さんとお話させて頂きました。夏目さんとは柔道の話で盛り上がってあの日、に飲みに行ったんですよ。印刷のことなどその時詳しく教えてもらいました」
これには副島も驚きの表情を浮かべた。
入社前に印刷所と懇意になる対人スキル。
「柏木は柔道やってたのか?」
「はい。学生時代、必要にせまられて」
必要にせまられて柔道をするのが一体どんな場面なのかは想像つかないが澪緒と副島は喧嘩していたことも忘れスケジュールに目を通していった。
ワインのラベルと紙袋の打ち合わせ日、紙選定、ワインの会社選定、見積提出日、初稿提出日、修正指示までのやり取りの細かい日程、入稿日、校了日、シール貼り、発送、納品日。
スケジュールは、完璧だった。
あとはワインの会社をどこにするかに決めれば、もう合格だった。
「澪緒、ニットからシャツが出てる」
「えっ」
本日2度目の驚き。
柏木が澪緒を下の名前で呼んだ。
「…ああ、失礼しました。氷室部長がバディと仰ってたから。親しみを込めて」
「全然大丈夫です、好きに呼んでください。みんなもそうだから」
澪緒は、澪緒の下の名を呼んだことに謝罪してきた柏木をフォローするつもりで言ったが、それは副島への当てこすりのように響いた。
「じゃあ、澪緒。バディになったことだし、ランチでも行こうか」
副島がジロリと柏木を睨んだ。
「はい。澁澤さんが頑張ってくれました」
月一回の戦略会議。
そこで営業部部長の氷室が柏木の報告を聞いて喜びの声を上げた。
今日の柏木はライトブラウンのスリーピースにライトブルーのシャツ、紺のネクタイ、澪緒はライトブルーの薄手のニットに紺のパンツ。
嗜好は服にも現れる。リンクコーデのような2人は一見正反対のだが案外似た者同士かもなと氷室は思う。
「てっきり先方からの難題を会社に持ち帰ってくると思ってたよ。大金星!素晴らしい!2人ともよくやった!」
氷室が拍手喝采する。
下町出身の氷室は有川デザインオフィスの潤滑油。他の社員もおめでとー、と口にして氷室に賛同するように拍手する。
戦略会議に祝賀ムードが漂う。
賞賛された柏木は口元に笑みを浮かべて一礼し、隣の澪緒は顔の前で白い手をパチパチさせながらお辞儀をする。
共に修羅場をくぐって距離が縮まった。
澪緒と柏木はそういう親密さを漂わせていた。
「お前ら、バディだ!しばらく営業、2人で行け!」
「氷室さん、まだ柏木はWEBの方の知識が足りませんし、澁澤と行かせるのはケースバイケースで。澁澤に負荷がかかりすぎます」
それまで思案顔で報告を聞いていた副島が口を開く。
柏木の視線が澪緒の笑顔から副島に移動する。
氷室が続ける。
「そうですか?副島さんの負担も軽くなっていいでしょ?そろそろ澪緒ちゃんも、ひとり立ちしないと」
「いずれ。今ではないですね」
「早い方がいいと思うなー。営業は澪緒ちゃんと柏木の2人で行って、実務は他の人間がやってもいいんだからさ。副島さん以外に売り上げの柱、作らないと。カッコいい系の柏木と可愛い系の澪緒ちゃんが営業来たら女性は嬉しいでしょ」
「外見を武器にするような言い方はちょっと」
「あ、こういうのハラスメントなんだっけ?失礼。ハハ、今の撤回。でもまぁ、澪緒ちゃん、柏木ちょっと堅いけど一緒に仕事してやってよ。俺もサポートするからさ」
「あ、はい。是非」
「澁澤、俺たちはクライアント第一だからな。常に足元を見ろよ。後で俺のとこに昨日の報告をしに来るように」
「はい」
普段は感情を乱すことがない副島が珍しく澪緒に釘を刺す。
会議室にいる面々は隣の人間と顔を見合わせたり澪緒に同情の目を向けたが、名指しで釘を刺された当人は平然としていた。
ーー副島さん、もしかして、俺に嫉妬してる?
先程から澪緒と柏木のバディにそれとなく反対する副島の様子を見て、澪緒は仄暗い喜びを感じていた。
澪緒を子ども扱いしてくる割にはいざ魅力的な柏木理緋都が澪緒の隣にいると自分の権力で阻止しようとしてくる。
呆れるほど自分勝手。
でも大丈夫。
俺が好きなのは副島さんだけだから。
澪緒はそう伝えるために精一杯の愛を込めて副島を見つめたが、目が合うなり副島は露骨に澪緒から目をそらした。
会議の議題が他の案件に移った。
「大丈夫か?顔色悪い」
澪緒の隣に座る柏木が小声で聞いてきた。
「ん。足元見なきゃね」
澪緒はまた透明人間になっていく自分を感じた。副島に、スルーされた。それは嫌われるより辛いこと。
また麦と飲み会だなと暗く沈んむ澪緒の視界に柏木の拳が入ってきた。
「え?」
柏木を見上げると柏木の優しい笑顔とぶつかる。
澪緒は拳の意味を理解し、自分の手を同じ形ににぎって柏木の拳にぶつける。
グータッチなんてしたのは学生以来のこと。本当にバディみたいで思わず目を合わせて笑い合う。
「よろしく、相棒」
柏木の頬に笑窪ができていた。
澪緒は号泣してしまいたいのを必死にこらえた。
「失礼します。澁澤です。報告に参りました」
部長職の副島に与えられている個室のドアを澪緒がノックする。ブラインドが閉まってたから嫌な予感がしたが、予想通り澪緒が部屋に入るなり、副島に腕をつかまれ部屋に強引に引きずり込まれる。
副島に唇を押し付けられる。
普段は穏やかな反面、荒れると抑制がきかなくなる副島に澪緒は身の危険を感じた。
先ほどの柏木との一連の光景がよほど逆鱗に触れたんだろう。
「柏木にはしゃぐお前が哀れで見ていられなかったぞ。女しか愛さない男に希望を持っても虚しいだけだ」
副島が澪緒のニットに手を入れてくる。
「何言って…やめ…柏木さんはただ喜びを分かち合おうとしてやっただけだ」
「あの男といても未来はない」
「未来がないのは、あなたと一緒にいたって同じだ」
「俺はお前の体も含めてお前を大切にしてる。あの男にそれができると思うか?」
「試してみなきゃわからないでしょう」
「試す?遊ばれて何もかもバレて社会的に破滅するだけだ」
売り言葉に買い言葉。
ただ、ちょっと嫉妬して欲しかっただけ。
線香花火くらいのわずかな炎だったのに、それを大量の氷水をぶっかけて消そうとするような副島に澪緒は激しく傷ついた。
再度唇が押し付けられる。澪緒は必死に抵抗する。
「帰る場所があるあなたに俺のことをどうこう言う資格はない」
「その帰る場所を守るために、俺がどれほど苦しんでいるか知ってるだろう」
「辛い時だけ俺の側に立とうとする。卑怯だ」
「澪緒…あの男を心の支えにしてるならそれは間違えてる」
「柏木さんは関係ない。今まで我慢して言わなかった。俺に大人になれと言うくせにいつまでも子供扱いする。いい加減それをやめてほしい。昨日のプレゼンだって俺一人でやってのけた。そろそろあなたに認めてほしい。じゃないと、俺は、この先一歩も前に進めない」
「俺と一緒に進めばいい」
あらんかぎりの力で抱きしめてくる副島に、澪緒は恐怖と愛しさの両方を感じた。
その時だった。
コンコンと強めにドアを叩く音がした。
「柏木です。今ちょっと打ち合わせよろしいでしょうか」
ドア一枚隔てて聞こえてくる渦中の人物に、澪緒は慌てて副島から身を剥がし元いた場所へ立つ。
絶賛痴話喧嘩中だが勤務時間中の今、そんなことは打ち合わせを拒否する理由にならない。澪緒が平静を装ったのを確認してから副島がどうぞ、と返事をする。
「失礼します」
柏木はいつもの形の良い笑顔を浮かべ入室してきた。
「氷室部長から言われて参りました。お2人が昨日の件で打ち合わせてるならちょうどいいからと。これ、昨日の案件のスケジュールです。まだ仮ですが。初めてのクライアントなので副島部長にも確認を、とのことでした。もちろん澁澤さんも目を通して頂けるとありがたいです」
「えっ、スケジュールもうできたんですか」
早い。
昨日の今日で新人がもうスケジュール作成とは。
それだけ協力者がいたということだ。
「印刷はどこにしました?」
「澁澤さんの許可なくすみません。今回ノベルティがあったのでそういうのが得意な島村印刷さんに。氷室部長もノベルティは島村さんじゃない?と仰ったので」
「ああ、俺もそう考えてたので大丈夫です。島村印刷さんと仕事したことないですよね?よくスケジュールできましたね」
「入社前の契約の時に井上さんの紹介で夏目さんとお話させて頂きました。夏目さんとは柔道の話で盛り上がってあの日、に飲みに行ったんですよ。印刷のことなどその時詳しく教えてもらいました」
これには副島も驚きの表情を浮かべた。
入社前に印刷所と懇意になる対人スキル。
「柏木は柔道やってたのか?」
「はい。学生時代、必要にせまられて」
必要にせまられて柔道をするのが一体どんな場面なのかは想像つかないが澪緒と副島は喧嘩していたことも忘れスケジュールに目を通していった。
ワインのラベルと紙袋の打ち合わせ日、紙選定、ワインの会社選定、見積提出日、初稿提出日、修正指示までのやり取りの細かい日程、入稿日、校了日、シール貼り、発送、納品日。
スケジュールは、完璧だった。
あとはワインの会社をどこにするかに決めれば、もう合格だった。
「澪緒、ニットからシャツが出てる」
「えっ」
本日2度目の驚き。
柏木が澪緒を下の名前で呼んだ。
「…ああ、失礼しました。氷室部長がバディと仰ってたから。親しみを込めて」
「全然大丈夫です、好きに呼んでください。みんなもそうだから」
澪緒は、澪緒の下の名を呼んだことに謝罪してきた柏木をフォローするつもりで言ったが、それは副島への当てこすりのように響いた。
「じゃあ、澪緒。バディになったことだし、ランチでも行こうか」
副島がジロリと柏木を睨んだ。
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