オカンはパンチパーマ

Tkata

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アニキとY兄と焼肉屋

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 アニキには無二の不良友達がいた。
 Y(変わった苗字なので伏せておく)のニーチャンと呼んでいた。
「Yって変わった苗字やね」
 と僕がアニキに言うと
「チョーセンやからな、あいつ。」
 とめんどくさそうに返事した。
「ふーん」
 なんのこっちゃよくわからんけどまー大したことじゃない。たかし少年はY兄が好きだった。いつも家に遊びに来るたびお菓子をくれる。
 チョーセンとは在日コリアンのことだと知ったのはずっと大きくなってから。

 ※【現在では「チョーセン」という言葉は差別用語であり使用してはいけない、というのは重々承知だが時代背景を考慮してあえて使わせていただきます。】

 Y兄も顔面が良かった。おまけに腕っぷしも強かった。
 当然オンナにもてた。アニキとY兄は最強のコンビだった。

 なぜたかし少年はこの不良2人がオンナにもててた事を知っていたのか?ということなんだけど理由は明快。
 まー色々な女の子が家に遊びに来てたからだ。
 毎回、見たことのない女の子を連れてくる。
 ガキでもわかるモテっぷり。
 おかげで多数のおねーさま方に可愛がっていただいたたかし少年でした。
 アニキ、Y兄にお礼を述べておく。ありがとう。

 話を戻してY兄の実家はウチの近所で焼肉屋を営んでいた。
 そこで売っているキムチが絶品でオカンの大好物だった。いつもキムチとビールで1杯やりながら煙草をふかしていた。
 キムチを買いに行くのはいつもたかし少年の役目。
「おばちゃん、カクテキときゅうりのキムチちょーだい」
 などととても保育園児とは思えないシブいおつかいをこなしていた。
 ここへのおつかいは喜んで行った。Y兄のオカンがキムチを準備してる間に瓶入りのオレンジジュースを飲ませてくれるからだ。
 時々、一家でY兄の焼肉屋へ訪れる事があった。床から一段上がった4人がけ位の座敷席が5.6卓あっただろうか、大きくもなく小さくもない焼肉屋さん。いつも満員で近所でも評判の店だった。
 今みたいに無煙ロースターなんていいものは無くて焼肉屋の店内は煙が充満していて服にはもれなく匂いが染みつく。焼肉屋におしゃれ着を着ていくヤツなんかいない、という時代。
 たかし少年とネーチャンはいつもミノとテッチャンから食わされる。ガキどものアゴと満腹中枢を破壊しカルビやロースまでたどり着く事を阻止しようという大人の魂胆だった。
 おかげで社会人になるまで焼肉=ホルモンという思想に洗脳されていることに気づくことができなかった。
 大人になってから食べたカルビの美味かったこと!
 そして帰りにはいつもキムチを買ってかえる。店でも食べたけど持ち帰る。どんだけ好きやったんや…
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