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大阪南港へ
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異世界へ出発!っと威勢良く言っては見たものの行き方がさっぱりわからない。
片山はとりあえずスマートフォンに表示されたマップをナビモードに切り替えクルマを進めることにした。
時刻は深夜2時すぎ。
すれ違うクルマも少なく道路は空いている。ナビは大阪南港へ向けてクルマを導いていく。現在は東大阪付近なのでひたすら中央大通りを西に向けて走り続ける。阪神高速に乗るまでもないだろう。
先程から雨脚が強くなってきて雷の気配すら感じ出した。
ワイパーは仕切りにフロントガラスを拭いタイヤは濡れた路面を滑るように転がり続ける。
アリファはというとずっと窓の外を珍しそうに眺めて時折小さく「わぁ」という感嘆の声を漏らしている。
「深夜だというのにこんなに明るいなんて。あんなにいっぱい光る魔道具があるなんてこの世界はすごいですね。」
「お客様、あれは魔道具?とか言うものじゃないですよ、電灯って言って電気の力で光ってます。」
そう片山が告げるとアリファは少し考えてから
「電気…ですか?」
と不思議そうに首を傾げた。
「ああいった類の照明は存在しないと???」
素朴に質問してみた。
「魔道具なら。魔石を入れると光るランタンですとかそういうのがあります。」
「ほぉ…」
『魔石っていうのは電池みたいなモンなんやな』1人で納得することにした。いづれにしろ向こうに行けば分かるだろう。
クルマは信号で時々止まりながらも順調に南港に近づいている。大阪城を右手に追い越し高架道路に入り一気に大阪の中心地を走り抜けていく。
ぐぅぅ~~~という音が後ろから聞こえたのがちょうど農人橋の交差点に差し掛かった頃だった。
「…聞こえました?」
アリファは恥ずかしそうにか細い声で呟いた。
タクシー乗務員をしてるとこういう事はよくある事なので
「ん?なにがですか?」
と惚けた返事を返しておいた。
「…何でもないです」
アリファが外を見ながらボソッと言うと同時に、ぐぅぅぅぅ~と今度は先程よりも少し長めの腹鳴が静かな車内に響いてしまった。アリファは横を向いたまま黙り込んでしまった。その様子がとても可笑しかったので片山は笑いをこらえるのに苦労した。
「あーこれから異世界に行くのなら何か食料を調達しときませんか?何かトラブルとかあるかわからないし」
「そ、そうですね…」
道すがらコンビニに寄り食料を買い込むことにした。飲み物やパン、お菓子、特にチョコレートやナッツの類を大量に買い込む。まるで登山にでも行くみたいなハイカロリーの商品を次々に買い物かごに放り込んでいく。
「何か欲しいものがありますか?」
アリファに尋ねるが首を横に振って辺りをキョロキョロするばかりだ。きっと見慣れない商品ばかりで何が欲しいのかさえも想像つかないんだろう。
さっとレジを済ませ、先を急ぐことにした。まだまだ旅はこれからだ。
「これ、食べてください。」
車内に乗り込みレジ袋からサンドイッチとミルクコーヒーをアリファに差し出す。
アリファはお腹が空いていることを悟られまいと平静を装いながら物珍しそうにそれらを眺めている。
「あー、こうやって開けて…どうぞ。」
包装されているラップを開け、紙パックのコーヒーにストローを刺して渡すと訝しげな表情をしながら黙々と食べだした。
「クルマ、出しますね。」
そう言うと片山は少しハンドルを右に切りクルマを雨の中に再び走らせた。
片山はとりあえずスマートフォンに表示されたマップをナビモードに切り替えクルマを進めることにした。
時刻は深夜2時すぎ。
すれ違うクルマも少なく道路は空いている。ナビは大阪南港へ向けてクルマを導いていく。現在は東大阪付近なのでひたすら中央大通りを西に向けて走り続ける。阪神高速に乗るまでもないだろう。
先程から雨脚が強くなってきて雷の気配すら感じ出した。
ワイパーは仕切りにフロントガラスを拭いタイヤは濡れた路面を滑るように転がり続ける。
アリファはというとずっと窓の外を珍しそうに眺めて時折小さく「わぁ」という感嘆の声を漏らしている。
「深夜だというのにこんなに明るいなんて。あんなにいっぱい光る魔道具があるなんてこの世界はすごいですね。」
「お客様、あれは魔道具?とか言うものじゃないですよ、電灯って言って電気の力で光ってます。」
そう片山が告げるとアリファは少し考えてから
「電気…ですか?」
と不思議そうに首を傾げた。
「ああいった類の照明は存在しないと???」
素朴に質問してみた。
「魔道具なら。魔石を入れると光るランタンですとかそういうのがあります。」
「ほぉ…」
『魔石っていうのは電池みたいなモンなんやな』1人で納得することにした。いづれにしろ向こうに行けば分かるだろう。
クルマは信号で時々止まりながらも順調に南港に近づいている。大阪城を右手に追い越し高架道路に入り一気に大阪の中心地を走り抜けていく。
ぐぅぅ~~~という音が後ろから聞こえたのがちょうど農人橋の交差点に差し掛かった頃だった。
「…聞こえました?」
アリファは恥ずかしそうにか細い声で呟いた。
タクシー乗務員をしてるとこういう事はよくある事なので
「ん?なにがですか?」
と惚けた返事を返しておいた。
「…何でもないです」
アリファが外を見ながらボソッと言うと同時に、ぐぅぅぅぅ~と今度は先程よりも少し長めの腹鳴が静かな車内に響いてしまった。アリファは横を向いたまま黙り込んでしまった。その様子がとても可笑しかったので片山は笑いをこらえるのに苦労した。
「あーこれから異世界に行くのなら何か食料を調達しときませんか?何かトラブルとかあるかわからないし」
「そ、そうですね…」
道すがらコンビニに寄り食料を買い込むことにした。飲み物やパン、お菓子、特にチョコレートやナッツの類を大量に買い込む。まるで登山にでも行くみたいなハイカロリーの商品を次々に買い物かごに放り込んでいく。
「何か欲しいものがありますか?」
アリファに尋ねるが首を横に振って辺りをキョロキョロするばかりだ。きっと見慣れない商品ばかりで何が欲しいのかさえも想像つかないんだろう。
さっとレジを済ませ、先を急ぐことにした。まだまだ旅はこれからだ。
「これ、食べてください。」
車内に乗り込みレジ袋からサンドイッチとミルクコーヒーをアリファに差し出す。
アリファはお腹が空いていることを悟られまいと平静を装いながら物珍しそうにそれらを眺めている。
「あー、こうやって開けて…どうぞ。」
包装されているラップを開け、紙パックのコーヒーにストローを刺して渡すと訝しげな表情をしながら黙々と食べだした。
「クルマ、出しますね。」
そう言うと片山は少しハンドルを右に切りクルマを雨の中に再び走らせた。
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