伊澄と聖華(死にわか番外編)

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虚構と現実

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※受けがモブとエッチしてるので注意


 見た目の頃は12歳、身長150センチ程の少し幼さの残るハーフ顔に、薄らと緑がかった瞳。綺麗なブラウンの髪を下の方で二つに結んで、可愛らしいピンクの振袖を着こなしている。
 女の子と言われればきっと誰もが納得しただろう、本来の彼は身長も180センチに近い、立派な男性であるのだけれども。

 そんな格好で聖華せいかが訪れたのは、童子趣味で名高い男の元だ。家のチャイムを鳴らして出てきた男は、聖華を見てニヤリと笑った。


「お兄ちゃん遊ぼ♡」

 この世界の住人が言う魔力は、謂わば生きている人間でいうところの体力や、生命力といったものに値する。
 魔力は自分の中から生まれる満足感や多幸感、心が満たされることによって主に回復するが、他人から魔力を受け取る方法もある。
 人が作った食べ物を食するのも外からの摂取の代表例だが、一番効率がいい方法は性交渉である。

 精液には体を重ねて感情が高まった分だけ、濃厚な魔力が蓄積される。互いに想いが通じ合っている者同士だと、濃度が高まる上に感度も上がる。
 また想いが片方からだけでも、それが魔力を注ぐ側であれば、放出される精液に含まれる魔力はなかなかに濃いものとなる。

 聖華は後者を狙って、その日この男の元を訪ねたのだ。

「久しぶりだね、おいで」
「おじゃましまぁす」
 男が嬉しそうに聖華の肩を抱いて、家の中へと引き入れる。リビングを通過してその奥にある扉を開けると、ベッドしか置いていないような寝室だ。

 情緒や雰囲気作りなどなく、部屋に入った途端に男はベッドに聖華を押し倒して、柔らかい兵児帯に手をかける。
「今日も可愛いね、聖華ちゃん……」
「……このくらいの年齢が好きでしょ?」
 はぁはぁと興奮しきった男の息遣いが聞こえる、聖華が煽るように男の股間に手をやると、そこは完全に勃ち上がっていた。

「本当は、もっと小さい方が好きなんだけど」
 男は順調に聖華を脱がしながら、その小さい尻を揉みしだいた。
(これ以上小さい体で受け入れたら、痛すぎて魔力回復どころじゃねぇよ……)

 体を巻くものを全て解かれて、可愛らしい着物の前が全て開かれると、薄い胸板に小さなピンク色の乳首がチラつく。
 男はその乳首を乱暴に強くつまみながら、聖華のまだなんの反応も示していない男の部分をふにふにと弄ぶ。
「んっあぁっ! 痛っ……!」
(まだ体がノッてきてないのに……そんな強くつまむなよ)
 聖華は内心苛立つ感情を押さえ込んで、これから入れられる場所を濡らす。

 聖華は生前から、自分の体を売ることを生業にしている。この世界でもその特性は引き継がれ、本来指先などの器用な場所で生成する潤滑剤を、聖華は後ろの穴で作り出すことが出来る特殊体質だ。

 それは女性のように勝手に濡れるというものではなく、聖華が意識的に行う事で蜜を垂らす。

 聖華の前の男根が反応を示し始め、男の顔が近づいてくる。ハッとした聖華は思わず男の口元を手で覆って、口付けられるのを阻止した。
「今日はキスはいやなの……それよりもっと気持ちいいことしよ?」

 上目遣いで誘うように相手を煽ると、男は聖華の蜜壺に指を遠慮なく差し込む。
 ぐちゅっと濡れそぼったそこへ指が侵入すると、男の指を容易に奥まで受け入れた。
「あぁんっ! もっと!」
 わざとらしく腰をくねらせて誘う、キスしたいなんて思わせないくらい、自分の体を貪りたくなるように。

伊澄いずみがキスしてくれたのに……こんなやつで上書きされたくない……!)

「こんなに濡れてるから……いいよね?」
 男はまだ中を撫でただけの指を引き抜いて、既にはちきれそうなほど大きくなった男根をあてがった。
「待って……! 慣らさないと痛いか、らあ゛ああっ!」
 ぐぐっと無理矢理押し込まれた男根が、小さい体の狭い穴を押し広げて侵入してくる。
「あ゛ぁっ! ぐっ……んうぅ!」
(痛い! 苦しい! 嫌だ嫌だ……!)

「大丈夫だよ、ほら……入っていってる」
「んううう……!」
 入口が狭くて止まりそうになる度、男は少し腰を引いて勢いをつけて奥へと進んでくる。その度に聖華の体には痛みが走って、快感を得るために行っているはずの行為が苦痛でしかなくなる。

「すごいよ聖華ちゃん、腹の中に俺が入ってるのが分かるよ」
 そう男は聖華の腹をさすりながら、少しポコッと盛り上がった部分を撫でる。
「ほら! ほら! 聖華ちゃんのお腹の中で俺が動いてるよ? 気持ちいい? 気持ちいいよね?」
「あっ……きも、ち……」
(……っ悪いわボケ! 痛いんだよ!!)

 快感より痛みと後ろの異物感が上回り、魔力は一向に回復しない。何のためにこの男の所へ来たのか……これならテクニックが上手い男の方がまだ魔力が回復したのでは無いかと、今更ながらに後悔が襲った。
 しかしせっかくここまで我慢したのだから、中に射精してもらわなければ割に合わない。

「あっ……ぐっ、もっと……この辺突いて欲しい……」
 自分の前立腺の位置を教える様に腹をさすると、男はそれを無視して奥ばかりを責め立てる。
「そこだと浅くて俺が気持ちよくないだろ、奥も気持ちいいって前言ってたの覚えてるぞ」

(今は奥じゃなくてこっちがいいんだよ……! クソっ独りよがりなセックスしやがって!)
 今度は不快感より怒りが上回る、気持ちが全くノらない、気持ちよくなりようもなかった。

 せめて少しでも快感を得ようと、目を瞑って息を止める様に黙った。体は男根に慣れてきたのか痛みは治まってきていて、次第に快感を微かに掴み取れそうな具合にまでなってきた。
「聖華ちゃん、気持ちいい? 気持ちいいなら声出して!」
「あ、あんっ♡ 気持ちい……すごい♡」
(あとちょっとで気持ちよくなれそうだったのに! 邪魔すんなよ!)

 気持ち良さそうな表情と声は演技だ、そんなの死ぬ前からずっとやってきた事だ。なんて事はない、こんなの自分の得意分野だろ……!
 嘘で塗り固めたセックスに、こんなことまでして魔力を欲しがって……と、自分の浅ましさに聖華は嫌気が差してきた。

「あ、あんっ……あぁっ! もっと、もっと♡」

 自分が情けなくて、全く気持ちよくない穴を犯されるだけの行為に、生理的に涙が出てくる。

「あぁん、早く……はやくちょうだい! お願いっ! 中に出してぇっ!」
 泣きながらそれは本心だった、もう終わらせたいこんな不毛な行為は……虚しすぎて死にたくなるほど辛かった。

「泣くほど気持ちいいの? あぁ、可愛いね聖華ちゃん」
 聖華が両手で目元を隠すと、男には恥じらう愛らしい姿に映る。本当は腹が立ちすぎて睨みつけてしまいそうな顔を、男に見せないようにした聖華の配慮だった……しかしそれが間違いだった。

 むちゅう……と唇を覆うように吸われて、聖華の頭は真っ白になった。

(伊澄っ……!)

 聖華は思い切り男の腹を蹴り上げた、衝撃で男根がずるりと抜けて、男はベッドの端に尻もちをつき、バランスを崩しそのまま床へ頭から落ちた。

「いってぇな……! クソガキ、何を!」
「あぁ!? 誰がクソガキだテメェ、すんなって言っただろぉがよ!」
「っ……ひぃ!」
 聖華は年齢操作をしない元の姿に戻っていた、顔は相変わらず綺麗に整っているが、そこに幼さはもう残らない。
 身長も男を遥かに超えていて、白い肌は綺麗だがそこに幼さや華奢さは感じない、大人の男の体型だった。

 齢二百歳を超える聖華は男よりも百五十歳ほど年上である、ガキ扱いは目上の悪魔に対して失礼極まりない暴言だ。
 その上聖華は一般的な他の悪魔より魔力量が多く、怒りは魔力として放出され圧(プレッシャー)となって相手を襲う。悪魔は自分より魔力量の多い者に、必然的に恐れ慄くようになっている。

「す、すみませ……!」
「人をオナホみたいに使いやがって!」
 聖華は短くなったピンクの着物を肌に引っ掛けたまま、床に尻もちをついた男の胸を、足先で下から撫でるようにしてからゆっくりと踏んだ。
 気圧されてされるがままになった男は、聖華の足から加わる力に合わせて上半身を床につける。

 先程まで好き勝手に聖華を犯していたそこは、萎縮して縮み上がっていた。

「テメェのち◯ぽは微塵も気持ち良くねぇんだよ!」
「——っ!!!! ——っ!!!!!!!」
 ドガッと鈍い音と共に、チーンという効果音が最適だろうか……先程の腹いせとばかりに、聖華は男の急所であるそこを全力で蹴り上げた。

 男は声にならない叫び声を上げて、そこを押さえて背中を丸めてうずくまる。

「二度と来ねぇよ!」
 そう吐き捨てて、聖華は転移陣で自分の自宅まで飛んで消えてしまった。
 男には聖華を引き止める手立ても、弁明する余地さえも、微塵も残されてはいなかった。
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