死が二人を分かたない世界

ASK.R

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魔界編:第1章 薬

《R-18》それは媚薬のような

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※性的描写を含みます


 ユキが僕の耳付きフードを下げる、こめかみから何度も頭を愛おしそうに撫でられてくすぐったい。
 魔力補給を家じゃないところでするのか……少し抵抗があったが、さっきの騒動の最中、僕の胸の内はユキへの独占欲が占めた、ユキに焦がれる強い気持ちは発散されないまま、まだ中で燻っている。

 近づいてくるユキの綺麗な顔の、真っ白で綺麗な頬に触れて、少し背伸びをしてキスを受け入れた。当然触れるだけのキスで終わるはずもなく、中へと入ってきた舌が口内をなぞっていく。

「んんっ……ふぅっ」
 ユキとのキスは気持ちいい、口の中全部が彼に支配されてしまったような感覚になる。服の中に手が入ってきて、胸を撫でられたり揉まれたりすると、どうしても体がその気になってくる。

 僕の足の間にユキが足をねじ込んで、グリグリと一番敏感なところを足で刺激してくる。
「んんっー!! んっ、はぁ……ダメっユキ!」
 そんな事されたら、どうしたって反応してしまう。ただでさえ僕は、ユキとのキスだけでもそうなってしまうのに……両肩を掴んで体を離そうとすると、胸の突起を弄られて体が跳ねる。
「やぁっ……だめぇ」
「だめ? 気持ち良さそうだけど」
 家じゃない他部署のこんな所で、一体どこまでやるつもりなんだ! 必死で息を整えるが、ドキドキと心臓が速くなったまま戻らない。

「こんな所で……誰かに聞かれたらっ!」
「あぁ、そうだな、聞き耳は良くない」
 ユキが僕の耳の横の壁にズブっと指を刺した、一体なにを!? と思った瞬間、いった~! と吉助さんの叫び声が聞こえてきた。

「っ!!??」
「アイツ壁に耳当ててやんの」
「——っ! 嘘でしょ! 今の聞かれてたって事!?」
「安心しろ、鍵も掛けてるし防音もしてる……誰にも真里の可愛い声を聞かせたりしないから」
 耳元で囁かれて、耳の裏を舐められると立っていられないような感覚になる。両手で口を押さえると、ユキが僕の一番敏感なところを、ズボン越しに人差し指と中指で擦り始めた。

「くっ……うぅっ……ユキっ……やっ」
「大丈夫だから、声聞かせて? その方が沢山回復するから」
 ユキにとってはこれは魔力補給……分かっては居ても、いやらしい事をされているのだから、恥ずかしいに決まっている。
「後ろは触らないから……な? だからもう少し触らせて」
 そう耳元で言いながらも、僕のお尻をもう片方の手で揉みしだいている……触らないって、あの場所のことだけを言っているのだろうか。いい加減立っているのが辛くなってきた、ユキに首筋や耳を舐められるたび、腰や足がガクガクする。

「座るか?」
 ユキにそう聞かれて、コクコクと首を縦に振った。そっと割れ物でも置くように、丁寧に床に座らされたかと思うと、ズボンを勢いよく引き下ろされた。
「あっ、やっ!」
「飴作るの手伝いたいんだろ? 舐めて」
 ユキが虹色の飴を口移しで僕の口の中にねじ込んできた。甘い……すごく甘い! そして熱い! 高濃度の魔力がジワっと溶け出してきて、口の中が痺れるような感覚になる。その痺れが口から背筋まで快感になって走って、自然と体がビクビクと震える。
 これが、媚薬のような魔力の快感!?

 ユキの唇が離れると、今度は僕の膝を掴んで大きく開いた。さっきので感じてしまって、先走りが溢れるそこをじっと見つめられる……恥ずかしい、見ないで!
「やだぁっ!」

 そこを隠すか、顔を隠すか……迷った一瞬で、ユキは僕のものを咥えていた。
「——っ!!! あああっ!!」
 快感に思わず開いた口に、ユキの指が捻じ込まれる。
「はーっ、はーっ……ああっ」
 下顎をロックされて口が閉じれない……このままじゃ声が抑えられない。ユキが喉の奥まで僕のを咥えて、ヌルヌルした口内で絞り取られるように刺激されたら……。
「ああっ! あああっー!」
 もうダメ……何も考えられない。
 その時ユキが口の中の飴玉に触れて、飴は液体のようにドロっと溶けた。

 指を抜かれて、今度は下顎を押さえられて、口を閉じるしか無くなる。液体をごくりと飲み込むと、先ほどとは比べものにならないほどの快感が、体中に走った。

「んんんんっーーっ!!!!?」
 イきそうとか考える暇もなかった、反射的に射精していた。
 体が後ろにのけぞって、あまりにも強い快感から逃げようとするが、全然おさまる気配がない。
 全て出し切っても体が跳ねて、目の前がチカチカするのが止まらない。

 あまりの刺激の強さに僕は床に横になった、熱くなった体に、床の冷たさが気持ちいい。
「あぁぁぁっ……ぁぁっ……」
 静かに呼吸をしたいのに、口から息を吸っても吐いても勝手に震える声が出る。

「はぁ……ごちそうさま! 強すぎたか?」
 何も返せない、返す余裕なんてない! ボロボロと涙が出てきた。泣きながら震える声で呼吸を整えていると、ユキが僕の肩をさすろうとしてきて、思わずユキの手を払った。

「ま、真里ぉ……ごめん……!」
「ごめ……まって」
 違う、怒ってるんじゃないんだ、触らないで欲しいだけ。今ユキに触られると、感じ過ぎてまたイってしまいそうだった……だからそんな悲しそうな顔して、耳垂らしてこっち見ないで、すごく可愛いから!
 思わずフッと笑ってしまうくらいには落ち着いてきた。

「はぁー……その飴、効果が強すぎるんじゃない?」
「っ! 真里が俺の事好きすぎるんだろう」
 うっ……それは否定できないところだ。
 ユキが紙コップに水を生成して渡してきたけど、かなり薄い魔力で作ったと言っていたにも関わらず、僕はユキの作った水にも敏感に反応してしまった。もう体がバカになってる……。
 仕方がないので紙コップに自分で水を生成した、水はいつもシャワーで作っているから余裕だ。じゃあさっきの飴は? 僕にも作れる?

 さっきの飴の魔力の含有量を思い出す……思い出しただけで、ちょっと体がムズムズする気がするけど、確か透明のフィルムに巻かれていて……こんな感じかな?

 手の平を開くと、ユキの紫色とはまた違った、赤みを帯びた虹色の飴が出来上がっていた。
「ユキ、これでどうかな」
「作ったのか! 覚えてられないくらい感じてたように見えたけど」
 自分でもよく思い出せたなと、感心してるところだよ。

 ユキが透明のフィルムを剥がして、パクッと口に放り込む。
「うぐっ……!」
 なんとも言えない呻き声を出して、ユキが前かがみになった……よし、プチ報復は成功だ。

「真里、完璧だ……完璧だが、俺はこれを誰にも食べさせたくないな、真里の魔力で快感を得る奴がいるのは許へない」
 飴を含んだまま喋っているからか、最後の方少し可愛くなった。

「それ、そっくりそのまま僕が思ってる事なんだけど……?」
「ほーか……そうだな、すまない」
 ユキが口から飴をぬとっと出して、僕の方を向いた……ユキのズボンは苦しそうに張り詰めている。

 ……。

 ……ここで挿れさせてって言われたらどうしよう! 自分が仕掛けた悪戯の経過に冷や汗が出てくる。

「これ……勿体無いから食べたいんだけど」
「う、うん」
「奥で舐めながら抜いてくるから、見ないで……?」
「っ! わかった!」
 恥ずかしそうに顔を赤らめて言うユキが、異常に可愛くて……僕が作った飴で感じてるユキが見たいと思ってしまった! だからって、手伝おうかなんて言えないし……!

 僕は覗きに行きたい欲求と、羞恥心との間で苦悩した。
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