死が二人を分かたない世界

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魔界編:第11章

《R-18》全部消して

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 ユキが僕の背中に体重を預けるように倒れてきて、僕も一緒にベッドの上で潰れてしまった。

「ユキ……!?」
「真里、ごめん我慢できなくて、恥ずかしかったよな」
 ユキの方へ振り向こうとしたら、頭を撫でられて、頬にキスされて……。
 ユキの唇が温かく熱を取り戻しているのを感じて安心したけど、思い出したら僕自身も恥ずかしくて首から上が熱くてたまらなかった。

 いくら意識がない相手とは言え、他人のいる空間であんな事してしまうなんて……!

「真里が受け入れてくれて、嬉しかった」
 ユキが後ろから強く抱きしめてきて、首元に甘えるように頬を擦り付けて……そんなユキの仕草には、不安が混じっているような気がした。

「ユキ、顔が見たいよ」
「今見せたくない」
「抱きしめたいから……お願い」
 安心させるように、好きだよ、愛したいって気持ちを込めて伝えたら、ユキがゆっくりと体を起こした。

「まだ繋がっていたい」
 ユキがそんな事を甘えたように言うから、今日の出来事なんて全部忘れるくらい愛してあげたくなる。

「ん……いいよ、僕もユキともっと繋がってたい……からっ……ッ!」
 僕の返事を聞いて、ユキが僕の中から自身を引き抜いて、イッたばかりの体に甘い刺激が走る。

 はぁっ……と呼吸を整えてユキの体の下で仰向けになると、今にも泣き出しそうな顔をしたユキがそこにいた。
 口元や首に、僕だけが触っていいと許されたあの傷跡にも……アイツの魔力の痕跡が残っていた。

 無理矢理襲われたその跡が痛々しくて、アイツを今すぐ焼き殺してやりたいと思った。
 でも今はなによりも、傷つけられたユキを安心させてあげたい。

「ごめん、僕がもっと早く気付いていれば」
 腕を伸ばすと、ユキは縋るように僕を抱きしめた。僕の声も震えた、ユキを傷付けられた事が許せなくて、大切な人を守ってあげられなかったのが悔しくて。

「真里……っ」
 ユキが覆いかぶさるように深く口付けてきて、僕からもその唇を愛するように何度も食んだ。
 舌は絡ませずに、お互いの唇を味わっていると、ユキが中に入りたそうに充てがってきて……。

 腰を少し浮かせると、ユキが僕の中に入ってくる。
「んっ……んんっ……」
「――っ、真里……」
 一番奥までユキが入ってきて、僕たちはまた深く繋がった。少しでもユキを感じたい、ユキに僕を感じてほしい。

 食むだけのキスは、ユキから唇を開かれて、舌を絡ませあうものに変わっていく。
 ユキは僕の中で動かないまま、お互い夢中で口内を貪りあった。

 お互いを感じるのが気持ちいい、でもアイツのつけた跡が許せなくて、ユキの口元を指で拭ってから、魔力痕の残る口の端を舐めた。
 僕の気持ちがアイツの暴力に負けるわけない、全部消してやる! アイツが触ったところなんて、なかったみたいに全部……っ!

 僕のした行動が何を意味するのか、ユキも分かってしまったみたいで、僕に大人しく舐めさせてくれる。
「っ……ふ、猫みたいだな」
 ユキが少し笑ってくれて、それは少し無理をしているようだったけど、それでも嬉しかった。

 なのにユキが笑った時に見せた白い歯にも、アイツの跡がべっとりと残っていて……!
 ユキの首に手をかけて引き寄せて、その歯列を舐めた。
「――っ、そこは記憶にない……」
「大丈夫、全部僕がきれいに消すから」
 記憶にないって事は、ユキの意識がない間にも何かされてるんだ。

「ごめん……真里……」
「ユキは何も悪くない」
 犬耳が下がって、また泣きそうな顔をするユキに、愛しいって気持ちをたっぷりと込めてキスした。
 僕から見れば、ユキは油断しすぎだと思うところもあった。でもそれは、長年付き合ってきた年月で、お互いに築いた信頼関係があるからだろうって……そう思ってた。

 なのにアイツはそれを裏切った。
 絶対に許さない、動けないようにして襲うなんて!!

 もう一度、ユキの頬に手を当ててキスすると、ユキの瞳から涙が溢れてきて、胸が痛い……。
「ユキ……好きだよ、大好き……!」
 強く抱きしめて、何度も好きだと伝えた。心の中でも、すごく愛しい、大好きだって想い続けて、ユキの頬と口にたくさんキスした。

「真里……ッ、愛してる……俺は真里だけなのに」
「もう、思い出さないで……僕だけ見てて」
 ユキと舌を絡ませて、口の奥深くまで舐められて……! 水音が漏れるほど深く、奥まで……そうしているとお互いの吐息が熱くなる。

 ずっと動かないままで少し萎えてしまっていたユキのものが、僕の中でまた硬く熱くなって、ゆっくり、ゆっくりと、中で動き始めて……。
「んっ……ふっ……!」
 僕を味わうように、少しでも僕の感触を感じるようにって、ゆっくり探るように動かされると……もどかしいような、でも僕を感じてくれているのが嬉しいような。

 僕の中もユキの形を感じるほどくっついて、離れたくないって締め付けていた。
「ぁ……真里、温かい……気持ちいい……!」
「んっ……、もっと僕を感じて……ユキ……大好き」
 体を起こしたユキが僕の服を首まで捲って、そのあと自分の服を脱ごうと捲り上げた。でもそこにもアイツが触れたような跡があって……僕の表情に気付いたユキが自分の体を見て、不快な顔をした。

 胸から下におりるにつれて濃くなるアイツの魔力痕……。ユキの体に触れて上から下へ、その痕跡を消すように撫でた。
 ユキのお腹……おへその辺りが特に濃くて、撫でただけでは消えそうにない。そのまま下に目を向ければ、僕と繋がっているそこにも触られた……跡が……!

「もっと……奥まできて……!」
 ユキに手を伸ばすと、胸を合わせるようにして強く抱きしめられた。
 僕からも抱き返して、ドキドキしている胸の鼓動を感じあう。絡ませ合う舌も、繋がってるとこも……全部ピッタリくっついて、ひとつになったみたい。

「まだ薬が……効いてて、持たない……ッ!」
 少しずつユキのペースが速くなって、呼吸が乱れて、気持ち良くなってくれているのが嬉しい。
「僕で感じて、ユキ……僕の事だけ見て」
「……ッ、愛してる……俺には、真里だけ」
「僕も、愛してる……ユキ……大好き」
 お互いにこれ以上ないくらい体をくっつけて、体温を感じ合って、言葉を交わした口を塞いで、一番奥まで繋がって。
 その奥でユキがドクンと脈を打って、僕の中にユキの熱が広がる。

 頭の中がチカチカする……! 一番奥に注がれて、愛し合った充足感で心がイッっちゃう……!

 達して気持ちいい最中に、追い打ちをかけるように、ユキに注がれた魔力で頭の中まで快感で痺れる。
 それでもお互いを離したくないって、強く抱き合って、ユキに深く口付けられて、口で伝え合う以上に愛されてるのを感じる。

 密着していたせいで、ユキのお腹は僕のでぐちゃぐちゃになってしまった……。
 それを楽しむように、ユキが僕のをお腹で擦るから……! 敏感になった体が、大げさに跳ねた。
「あぁっ!? 今ッ……ダメッ……!!」
「……すごく可愛い」
 頬を赤らめて、嬉しそうに僕に笑いかけてくれるユキはいつもの表情で、思わず涙が滲む。
「ほら、俺の体は真里の色になっただろう?」
 さっきはべったりと腹に残っていたアイツの魔力痕が、僕ので掻き消されて跡形もなくなっていた。

 ユキが僕の中から自身を抜いて体を起こすと、服に残る魔力を嘔吐した痕跡が痛々しい。
 その首元にアイツの魔力の跡……首にはキスマークまで……!

「ここ……消すね」
 赤く残ったその痕に指で触れると、拒絶するような魔力の反発をパチリと感じた。
 強烈な所有欲でつけられた痕が、僕が打ち消そうとする魔力に抵抗していた。
「……ッ! なんで!」
 これをつけられた覚えがないのか、ユキ自身が一番戸惑っていた。

「ユキはお前になんか渡さない……もう二度と触れさせない……! こんな痕付けるなんて……絶対に許さない……!」
 パチパチと抵抗する魔力に、ユキが痛そうに顔をしかめる。痛がるユキに思わず手を止めようとしたら、その手首を掴まれた。
「消してくれ!」
 頷いて、ユキの首筋につけられた赤い痕を指で拭うと、そこは綺麗な白い肌の色に戻った。

 その場所に今度は僕が唇を当てて、同じ場所に痕を残す。強く……アイツがつけた痕よりも……ずっと熱くて、深くて、ユキの中に刻むような印を……!
 ユキの肩を押して、ベッドにそのまま押し倒すと、ユキは素直に僕の独占欲を受け入れてくれる。

 誰にも触らせたくない……!
 強い魔力を込めてユキの首元に吸い付いた。

「ンッ……!」
 好きな人に所有欲と、たくさんの魔力を込めて痕を残されると、すごく気持ちいいって事を僕は知ってる。
 クスリがまだ効いているのか、ユキの顔が火照って、我慢するみたいな声が漏れると……もっと、もっとって……欲張りたくなる。

 ユキの首元の傷跡を撫でると、体がビクッと反応する。覇戸部に触られた魔力痕を消すようにして撫でて、舌を下ろしていって……ユキの傷跡を舐めた。
「っ……! は……!」
 はぁ……と、ユキの色っぽいため息が漏れて下から抱きつかれると、いつもユキに組み敷かれてドキドキするのとは、また違った欲求が出てきてしまう。

 このままユキを、僕のものにしてしまいたい……!
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