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ぴかぴかトイレ
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アニマル村の住民が、白壁の四角い小屋の前に集まっていました。新しい公衆トイレのおひろめ式が行われるのです。
みんなの前に立ったゾウ村長が言いました。
「アニマル村のみなさん、素晴らしい公衆トイレが完成しました。これで今日からは、外で急にもよおした時も安心です。とても便利になります。しかも自動洗浄機付きの、いつもぴかぴかでとてもクリーンな水洗トイレです。」
「村長さん、水洗トイレというと、うんこおしっこがどこかに流れて行くというやつですね。きれい好きの私も大歓迎です。」とカラスさんが言いました。
「それはいいですね。ところで、うんこおしっこはどこに流れて行くのですか? まさかそのまま川に流すなんてことは無いでしょうね? それでは大切な川が汚れてしまう。」とラットさんが聞きました。
「安心してください、下水道を通って、いつかどこかに建設される予定のとてもクリーンな泌尿処理場に運ばれます。」
「いつかどこかに泌尿処理場ができるまでは、トイレは使えないってわけですね?」とラットさんが聞きました。
「いえいえ、さきほど言ったように、今日から使えます。とてもクリーンだと保健所のおすみつきもあります。」
「だって、泌尿処理場はまだできていないんでしょう?」
「とてもクリーンな泌尿処理場が出来るまで、公衆トイレ裏の仮置場に溜めておきます」
「ええ~ うんこおしっこをいつまで溜めておくかわからないなんて、そんなの嫌だ、村じゅうが臭くなってしまう。」と、ラットさんは言いました。
「しっかりふたをしておくので、臭いは外にもれません。仮置場もとてもクリーンなのです。それに、いつかどこかにとてもクリーンな泌尿処理場ができるまでのことですから。 」とゾウ村長が言いました。
それから何年もたちました。アニマル村のみんなは、とてもクリーンな公衆トイレを便利に使っていました。いつかどこかにできるはずの、でもいつまでたってもできない、とてもクリーンな泌尿処理場のことは、ほとんどの住人は忘れていました。
ある日、とても強い風が吹いて、仮置場の天井と壁が吹き飛ばされてしまいました。じつは、仮置場は、あまり丈夫につくられていませんでした。たくさんのうんこおしっこの重みと、建物の傷みのために、いつこわれてもおかしくなかったのです。
仮置場には、発酵ガスも溜まっていたために破裂して、村じゅうにうんこおしっこが飛び散りました。さらに、いっぱいにたまっていたうんこおしっこが流れ出し、広がっていきました。村じゅうが汚くて臭くてたまらない上に、不潔さのために伝染病が流行りました。
もう、この村には住めないと、ほとんどの住人がアニマル村を出ていってしまいました。
ゾウ村長は、「村は掃除をすれば大丈夫。もう一度クリーンなトイレを作ればいいだけじゃないか、いつかどこかにとてもクリーンな泌尿処理場ができるのだから。それまでは、仮置場がいっぱいになったら、水で薄めて川に流せばクリーンなんだし!」と、去っていく動物たちに向かって呼びかけるのでした。自分も、引っ越しの荷造りをしながら。
みんなの前に立ったゾウ村長が言いました。
「アニマル村のみなさん、素晴らしい公衆トイレが完成しました。これで今日からは、外で急にもよおした時も安心です。とても便利になります。しかも自動洗浄機付きの、いつもぴかぴかでとてもクリーンな水洗トイレです。」
「村長さん、水洗トイレというと、うんこおしっこがどこかに流れて行くというやつですね。きれい好きの私も大歓迎です。」とカラスさんが言いました。
「それはいいですね。ところで、うんこおしっこはどこに流れて行くのですか? まさかそのまま川に流すなんてことは無いでしょうね? それでは大切な川が汚れてしまう。」とラットさんが聞きました。
「安心してください、下水道を通って、いつかどこかに建設される予定のとてもクリーンな泌尿処理場に運ばれます。」
「いつかどこかに泌尿処理場ができるまでは、トイレは使えないってわけですね?」とラットさんが聞きました。
「いえいえ、さきほど言ったように、今日から使えます。とてもクリーンだと保健所のおすみつきもあります。」
「だって、泌尿処理場はまだできていないんでしょう?」
「とてもクリーンな泌尿処理場が出来るまで、公衆トイレ裏の仮置場に溜めておきます」
「ええ~ うんこおしっこをいつまで溜めておくかわからないなんて、そんなの嫌だ、村じゅうが臭くなってしまう。」と、ラットさんは言いました。
「しっかりふたをしておくので、臭いは外にもれません。仮置場もとてもクリーンなのです。それに、いつかどこかにとてもクリーンな泌尿処理場ができるまでのことですから。 」とゾウ村長が言いました。
それから何年もたちました。アニマル村のみんなは、とてもクリーンな公衆トイレを便利に使っていました。いつかどこかにできるはずの、でもいつまでたってもできない、とてもクリーンな泌尿処理場のことは、ほとんどの住人は忘れていました。
ある日、とても強い風が吹いて、仮置場の天井と壁が吹き飛ばされてしまいました。じつは、仮置場は、あまり丈夫につくられていませんでした。たくさんのうんこおしっこの重みと、建物の傷みのために、いつこわれてもおかしくなかったのです。
仮置場には、発酵ガスも溜まっていたために破裂して、村じゅうにうんこおしっこが飛び散りました。さらに、いっぱいにたまっていたうんこおしっこが流れ出し、広がっていきました。村じゅうが汚くて臭くてたまらない上に、不潔さのために伝染病が流行りました。
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ゾウ村長は、「村は掃除をすれば大丈夫。もう一度クリーンなトイレを作ればいいだけじゃないか、いつかどこかにとてもクリーンな泌尿処理場ができるのだから。それまでは、仮置場がいっぱいになったら、水で薄めて川に流せばクリーンなんだし!」と、去っていく動物たちに向かって呼びかけるのでした。自分も、引っ越しの荷造りをしながら。
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