ユメのあとさき

あおあおの部屋

文字の大きさ
131 / 602
第7話 傍にいたいだけ

月明かりの告白

しおりを挟む
 ……どうしてだろう。

 ミナトはいろいろ考えて用心もたくさんする人なのに、あたしの言うことはすぐに信じてくれる。

「どうして?」

「ん?」

「どうして、ミナトはあたしの言うことすぐに信じてくれたり、守ってくれるの?」

 気に入ってる、とは言われたけど……それだけで、こんなに命を懸けてくれるのかな。

 もちろん、ミナトを疑うわけじゃなくて……単純な疑問。

 すると、ミナトは即答した。

「そんなの決まってるよー。好きだから」

「……え?」

  ミナトはクス、と微笑む。

 薄いカーテン越しの月明かりが、彼を照らす。

 

 

 

「ユメちゃんが気に入ってるし、好きだから」

「ユメちゃんのこと、女の子として、愛してるってことー」

 

 

 

 ……え。

 いや、え……た、確かにデートとかいろいろ言われてた……え、あれって、本気だったの……?

 軽い口調だったから、いつもの冗談かと……。

「えー、なにー? あんなにアピールしてるの冗談だと思ってたー? ショック~」

「あ、あの……だって……えと」

「くく、ユメちゃん顔真っ赤。可愛い~」

 こんな風に告白されたこと、ないんだもん……。

「おれは最初からそうだよ。ユメちゃんが好きだから守ってるし、傍にいたいだけ。まぁ、男だから? それなりに下心はあるよ?」

「……う」

「下心の部分は分かってるみたいだね? ユメちゃん、初心なのに分かっちゃうんだ~」

 ケラケラ笑ってるミナトに真っ赤になる。

 あ、あれだけ口に出されれば嫌でも分かる!

「ってか、大事じゃなかったらここまで一緒にいないってー。自分ひとりで逃げてるよー」

 それも……そうだよね。

「気持ち伝えるのも大事だよねー。分かった? おれのユメちゃんに対する一途な想い」

「う、はい……でも、あたし……」

 そういう目で、見れないよ。

 戸惑ってしまったあたしの様子に気付いていたのか、こう言ってきた。

「ま、初心なユメちゃんじゃ答えなんて出せないっしょ? だからさ、1つ質問」

 

 

 

「男としてかはともかく、おれのことは好き?」

 

 

 

 それ、は。

 コクリ、と頷く。

「それで十分」

「っ」

「当面は、ユメちゃんの騎士ナイトでいてあげる。当面は、ね」

 ただし、とニヤリと笑った彼は頬を撫でたかと思ったら、親指で唇に触れてきた。

「清廉潔白な騎士なんて、おれには無理だから……下心は隠さない」

「み、ミナト」

「返事は『イエス』か『はい』しかいらない。いつか振り向かせてみせるから覚悟してね? まだまだアプローチしてくからさ」

 か、顔が近い……端正な顔が……。

「やっ」

 思わず顔を押しのけた。

「ぶっ……もう、可愛いユメちゃん見れないじゃんよー」

「見なくていい!」

「えー」

 ミナトの顔を、寝るまでずっと見れなくて。

 なのに、ミナトはわざと顔を覗き込んできたから寝室に逃げた。

 ミナトは最後までケラケラ笑って……もう!

 いじわる! いじわる騎士!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あなたの側にいられたら、それだけで

椎名さえら
恋愛
目を覚ましたとき、すべての記憶が失われていた。 私の名前は、どうやらアデルと言うらしい。 傍らにいた男性はエリオットと名乗り、甲斐甲斐しく面倒をみてくれる。 彼は一体誰? そして私は……? アデルの記憶が戻るとき、すべての真実がわかる。 _____________________________ 私らしい作品になっているかと思います。 ご都合主義ですが、雰囲気を楽しんでいただければ嬉しいです。 ※私の商業2周年記念にネップリで配布した短編小説になります ※表紙イラストは 由乃嶋 眞亊先生に有償依頼いたしました(投稿の許可を得ています)

いい子ちゃんなんて嫌いだわ

F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが 聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。 おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。 どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。 それが優しさだと思ったの?

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」

イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。 ある日、夢をみた。 この国の未来を。 それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。 彼は言う。 愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

処理中です...