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第7話 傍にいたいだけ
促されるまま
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――翌朝になり、街を出るための準備をしていた時、事件は起きた。
「出てこい! ここで魔族を匿っているとの情報が入った! 開けなければ強硬手段をとる!」
ドアを乱暴に叩く騎士団の訪問だ。
魔族――といえば、1人しかいない。
「アサラ、通報されちゃったってわけねー……」
「う、ごめん……」
アサラの姿が見られてたんだ。
前に切られた首元の服は直したし、髪で耳も隠していたはずなのに……何かで気付かれたのかな。
しょぼんとするアサラにシュウやあたしは苦笑い。
そして。
「……アサラとは、お別れかなー」
「見捨てないでー!」
非情な決断をするミナトに、アサラは涙目になった。
「冗談だよ~。そんなことするわけないじゃーん……ちっ」
舌打ちが、さっきの言葉が本気だったと物語ってる……ううん、気付かないフリしよう。
カヅキがルーツに声をかける。
「ルーツ。何か手はないか? このままだと突破されるぞ」
「モチ、ある。裏口や。そこから逃げるで」
示した先はタンス。それをどけると裏口が現れた。
「裏口まである隠れ家……」
「何かあった時の対策は大事。これ、情報屋として生きるための術や!」
おおー、と感心するシュウとアサラ。それにあたし。
「じゃ、早く行こー」
外に出たタイミングで、騎士団が痺れを切らして突入してくる。
裏口の存在には気付かれるだろうから早く行かないと。
みんな考えは同じで、一斉に走り出した。
遊郭の裏手を通り、タンラン側の出口を目指して走っていく。
ただ。
「裏に回れ!」
「!」
掛け声とともに、目指していた出口の方面から騎士の姿が現れる。
「……まずいな」
「ど、どうする!? 後ろからも来てるぜ!?」
ルーツの隠れ家がもぬけの殻であることがバレているのは、後ろから聞こえる足音で分かった。
このままじゃ捕まる……!
「ぼ、僕が行けば、みんな助かる……!?」
「今更あんたが行ったところで結果は一緒よ!」
慌てたアサラの提案をリアが一蹴したところで、突然建物から手が出てくる。
「!?」
あたしが驚くと、みんなが気付き、手の持ち主が呼びかけてきた。
「こっちへおいでなさい。さぁ、早く」
……悩んでいる暇はない。
みんなで促されるまま、招かれた建物へと入り込むと、ドアが閉まった。
「出てこい! ここで魔族を匿っているとの情報が入った! 開けなければ強硬手段をとる!」
ドアを乱暴に叩く騎士団の訪問だ。
魔族――といえば、1人しかいない。
「アサラ、通報されちゃったってわけねー……」
「う、ごめん……」
アサラの姿が見られてたんだ。
前に切られた首元の服は直したし、髪で耳も隠していたはずなのに……何かで気付かれたのかな。
しょぼんとするアサラにシュウやあたしは苦笑い。
そして。
「……アサラとは、お別れかなー」
「見捨てないでー!」
非情な決断をするミナトに、アサラは涙目になった。
「冗談だよ~。そんなことするわけないじゃーん……ちっ」
舌打ちが、さっきの言葉が本気だったと物語ってる……ううん、気付かないフリしよう。
カヅキがルーツに声をかける。
「ルーツ。何か手はないか? このままだと突破されるぞ」
「モチ、ある。裏口や。そこから逃げるで」
示した先はタンス。それをどけると裏口が現れた。
「裏口まである隠れ家……」
「何かあった時の対策は大事。これ、情報屋として生きるための術や!」
おおー、と感心するシュウとアサラ。それにあたし。
「じゃ、早く行こー」
外に出たタイミングで、騎士団が痺れを切らして突入してくる。
裏口の存在には気付かれるだろうから早く行かないと。
みんな考えは同じで、一斉に走り出した。
遊郭の裏手を通り、タンラン側の出口を目指して走っていく。
ただ。
「裏に回れ!」
「!」
掛け声とともに、目指していた出口の方面から騎士の姿が現れる。
「……まずいな」
「ど、どうする!? 後ろからも来てるぜ!?」
ルーツの隠れ家がもぬけの殻であることがバレているのは、後ろから聞こえる足音で分かった。
このままじゃ捕まる……!
「ぼ、僕が行けば、みんな助かる……!?」
「今更あんたが行ったところで結果は一緒よ!」
慌てたアサラの提案をリアが一蹴したところで、突然建物から手が出てくる。
「!?」
あたしが驚くと、みんなが気付き、手の持ち主が呼びかけてきた。
「こっちへおいでなさい。さぁ、早く」
……悩んでいる暇はない。
みんなで促されるまま、招かれた建物へと入り込むと、ドアが閉まった。
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