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第12話 鬼神
あなた、魔王様?
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ズキズキズキ。
痛む頭。揺れる視界。
誰かに呼びかけられる中で、あたしが見えたのは――黒いウサギ。
ああ、そうだ。きっと。
この、ウサギは。
「……あなた、魔王、様?」
ウサギは膝に乗って、近付いて……あたしの鼻に鼻を押し付けてきた。
――口が怖いなら、これならいいだろう?
……ああ……魔王様も、こんなことをしていた気がする。
唇を、あたしがこわがったから。
あのひとは、口はいつかでいいと言ってた。
時間はたくさんあるから、ゆっくりでいい、と。
「魔王様……なんだね」
ウサギは無表情のまま、目を細めた。
――正解、と言うように。
そのまま、咥(くわ)えたものを、膝の上に落として……どこかへ駆け去っていく。
「……ユ……は、なん……!? ……メ!?」
頭痛は消えないまま、意識が遠のいていく……。
――ユメ。
――ユメは、優しくて甘やかされる方が好きなのか。
うん、好き。
こわいのは、嫌。
――そうか。分かった。じゃあ、そうする。
――甘いものが好きなら、用意する。
――それで……また、食べさせて?
髪に触れて、頬に触れて。
……人間と違って、ひんやりと冷たかった。
けどね……何故か、その時は、こわくなかったの。
こわくない手、だったの。
痛む頭。揺れる視界。
誰かに呼びかけられる中で、あたしが見えたのは――黒いウサギ。
ああ、そうだ。きっと。
この、ウサギは。
「……あなた、魔王、様?」
ウサギは膝に乗って、近付いて……あたしの鼻に鼻を押し付けてきた。
――口が怖いなら、これならいいだろう?
……ああ……魔王様も、こんなことをしていた気がする。
唇を、あたしがこわがったから。
あのひとは、口はいつかでいいと言ってた。
時間はたくさんあるから、ゆっくりでいい、と。
「魔王様……なんだね」
ウサギは無表情のまま、目を細めた。
――正解、と言うように。
そのまま、咥(くわ)えたものを、膝の上に落として……どこかへ駆け去っていく。
「……ユ……は、なん……!? ……メ!?」
頭痛は消えないまま、意識が遠のいていく……。
――ユメ。
――ユメは、優しくて甘やかされる方が好きなのか。
うん、好き。
こわいのは、嫌。
――そうか。分かった。じゃあ、そうする。
――甘いものが好きなら、用意する。
――それで……また、食べさせて?
髪に触れて、頬に触れて。
……人間と違って、ひんやりと冷たかった。
けどね……何故か、その時は、こわくなかったの。
こわくない手、だったの。
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2024.07.05
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