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第三章 次世代編
山中での抱擁(8)
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目の前には、恐ろしい力を秘めた瞳の透湖の顔があった。立会いのときの数倍はすさまじい瞳。
「なにを言ってるのさ、この馬鹿娘が!
そんなことを言えること自体、御前がこの世界に対して眼を開いていない証拠よ!」
「……」
帰蝶は透湖の気に呑まれていた。
「『護るべきもの』がわかっていない人間が長になって、何をしようというの?
御前はどうして、下の者が上の者を護るのか、考えた事がある?」
(!)
帰蝶は、どうして下の者達が上の者の命を護るのか、その意味を考えた事がなかったのだ。
「”頭”だからよ。
”手足”が傷ついていても”頭”が生きていれば、”躰”という組織を、統率することが出来るからよ!
だから下の者は上の者の盾になる。
上に立つものは、己を慕う人間にそうさせないよう、命をかけてさい配するのよ!」
「……」
そんな風に考えた事がなかった。
下の者達は長の命令を疑問にも思わず、従うもの、となんとなく思い込んでいたのだ。
「長の為に命を賭けるんじゃない、長が民人の為に命を賭けるのよ!
それがわからぬ人間なら、そんな長なんていらないわ!」
言い捨てると、帰蝶の襟ぐりを離して立ち去った。
地面にへたりこんだまま、帰蝶が呆然としていると。
いつのまにか、焔の向こうにつくねんと、疾風の姿があった。
「戦乱を知らないおまえたちと比べるのは酷なんだけどな」
諏和賀を知っているだろう?
疾風の問いに、帰蝶はこくん、とうなづいた。
決して広くはない。山々に囲まれた、しかし肥沃の緑野。大地は肥え、豊かで約束の幸せの地。
「オレ達が子供の頃、戦火に見舞われた」
それはよく知っている昔話だった。
戦火の町から集められた子供たちが今の瘤瀬衆の大人たちであると。敵を打ち払い、故郷を取り戻したのだと。
「そのとき、諏和賀の民は殆ど殺された」
それも知っていた。
今の諏和賀の民は殆ど復興してから諏名姫が募った新たなる入植者なのだと。
「敵を倒してから、オレ達は諏和賀の土地を再生することに力を尽くした」
それは想像以上の過酷なものであったという。
長年塩水がしみこんだ土地は、土を変えても変えても塩が噴出した。あきらめず土を掘れば、そこここで骨がごろごろ出てくる。
「骨が出てくるたび、皆泣いた。
一体、また一体出てくるたびに供養院に納めた。
そして毎年、毎年種付けをし、作付けを施しては芽が出ないことに失望した」
最初希望に燃えて入植してきた者たちにあきらめ、失望の色が出始めた。瘤瀬衆は懸命に入植者たちをひきとめ、入植者たち以上に力を尽くした。
「そうして数年が経ったのち、ようやく一つの畑に緑が芽吹いた。
オレ達はまた、泣いた。”間違ってなかったんだ”と思った。
同時に、息を吹き返してくれたこの土地がなによりも愛おしかった。
”もうこの土地に涙も血も流させまい。
緑の肥沃の大地、この母なる大地を子孫たちに受け継がせよう”とオレ達は固く誓ったんだ」
帰蝶は俯いていた。
大人たちのそんな思いなど煩いし、関係なかった。
(親は親、子は子だ。子孫に受け継がせたいなど、親の勝手な願望ではないか?護りたいものが護ればいい)
「おまえにはわからないだろう」
静かな、小さな疾風の声。
「おまえ達が悪いんじゃない、オレ達がそう望んだことなんだ」
それは戦乱を経験したものと、していないものと、喪って、己の血にかけて取り戻したものと、初めから与えられているものと。その徹底的なへだたりを、わかっていて、あきらめている口調であった。
「おまえは、『護るべきもの』がいないって言っていたけど」
初めて疾風は帰蝶に眼を向けた。深い、悲しみをおびた瞳。
「本当にそうなのか?
じい様や、阿蛾や、瘤瀬の里は。
お前の目に触れる全ては。
おまえにとっては『護る』に値しないものなのか?」
瞳を見開き、躯を固まらせていた帰蝶を前に、疾風もどこかへ去って行った。
「昨日はごめんなさい」
帰蝶は透湖と疾風に謝った。
「あたしは人から与えられたものの上に胡坐をかいていた。
そして、持っているものに対して、ありがたみも何も感じていなかった」
帰蝶は唇をかみ締めた。
透湖と疾風は顔を見合わせた。やがて透湖は帰蝶の肩を抱きしめた。
「みんなそうよ、帰蝶。
あたし達も喪っていなければわからなかったでしょう。
今も持っているものに対して、ありがたみを持っておらぬのはあたし達も一緒かもしれないし」
透湖はやさしく言った。
「あたしも、透湖や疾風と同じくらいに生まれたかった」
頑固に眼を己の膝にあてたまま、帰蝶は己の視線が水で滲んだのを感じた。
「疾風兄者が好きなのね」
「!」
帰蝶は慌てて顔をあげた。
そこには疾風の姿はなかった。
帰蝶はごくん、と唾を呑み込むと、口を開いた。
「でも……どうすれば疾風に好いて貰えるのか、分からないの」
帰蝶は消え入りそうな顔で呟いた。透湖に対しては、素直になることに決めたようだ。
「そうね……。
人が人を好きになるのに理由がないのと一緒で、どうしたら好きな人に好いて貰えるか、ていう法則(きまり)もないのよね」
透湖は帰蝶に、というより己に呟いた。ふと、帰蝶は訊ねた。
「透湖の好きな人って?」
ふりむいたときの透湖の表情は、帰蝶から見ても、とても可愛かった。
(ああ、本当にその人のことを好きなんだ)と帰蝶は思った。
そして。
「ねえ、ねえ、どんな人?」
と重ねて聞いてみた。
「なにを言ってるのさ、この馬鹿娘が!
そんなことを言えること自体、御前がこの世界に対して眼を開いていない証拠よ!」
「……」
帰蝶は透湖の気に呑まれていた。
「『護るべきもの』がわかっていない人間が長になって、何をしようというの?
御前はどうして、下の者が上の者を護るのか、考えた事がある?」
(!)
帰蝶は、どうして下の者達が上の者の命を護るのか、その意味を考えた事がなかったのだ。
「”頭”だからよ。
”手足”が傷ついていても”頭”が生きていれば、”躰”という組織を、統率することが出来るからよ!
だから下の者は上の者の盾になる。
上に立つものは、己を慕う人間にそうさせないよう、命をかけてさい配するのよ!」
「……」
そんな風に考えた事がなかった。
下の者達は長の命令を疑問にも思わず、従うもの、となんとなく思い込んでいたのだ。
「長の為に命を賭けるんじゃない、長が民人の為に命を賭けるのよ!
それがわからぬ人間なら、そんな長なんていらないわ!」
言い捨てると、帰蝶の襟ぐりを離して立ち去った。
地面にへたりこんだまま、帰蝶が呆然としていると。
いつのまにか、焔の向こうにつくねんと、疾風の姿があった。
「戦乱を知らないおまえたちと比べるのは酷なんだけどな」
諏和賀を知っているだろう?
疾風の問いに、帰蝶はこくん、とうなづいた。
決して広くはない。山々に囲まれた、しかし肥沃の緑野。大地は肥え、豊かで約束の幸せの地。
「オレ達が子供の頃、戦火に見舞われた」
それはよく知っている昔話だった。
戦火の町から集められた子供たちが今の瘤瀬衆の大人たちであると。敵を打ち払い、故郷を取り戻したのだと。
「そのとき、諏和賀の民は殆ど殺された」
それも知っていた。
今の諏和賀の民は殆ど復興してから諏名姫が募った新たなる入植者なのだと。
「敵を倒してから、オレ達は諏和賀の土地を再生することに力を尽くした」
それは想像以上の過酷なものであったという。
長年塩水がしみこんだ土地は、土を変えても変えても塩が噴出した。あきらめず土を掘れば、そこここで骨がごろごろ出てくる。
「骨が出てくるたび、皆泣いた。
一体、また一体出てくるたびに供養院に納めた。
そして毎年、毎年種付けをし、作付けを施しては芽が出ないことに失望した」
最初希望に燃えて入植してきた者たちにあきらめ、失望の色が出始めた。瘤瀬衆は懸命に入植者たちをひきとめ、入植者たち以上に力を尽くした。
「そうして数年が経ったのち、ようやく一つの畑に緑が芽吹いた。
オレ達はまた、泣いた。”間違ってなかったんだ”と思った。
同時に、息を吹き返してくれたこの土地がなによりも愛おしかった。
”もうこの土地に涙も血も流させまい。
緑の肥沃の大地、この母なる大地を子孫たちに受け継がせよう”とオレ達は固く誓ったんだ」
帰蝶は俯いていた。
大人たちのそんな思いなど煩いし、関係なかった。
(親は親、子は子だ。子孫に受け継がせたいなど、親の勝手な願望ではないか?護りたいものが護ればいい)
「おまえにはわからないだろう」
静かな、小さな疾風の声。
「おまえ達が悪いんじゃない、オレ達がそう望んだことなんだ」
それは戦乱を経験したものと、していないものと、喪って、己の血にかけて取り戻したものと、初めから与えられているものと。その徹底的なへだたりを、わかっていて、あきらめている口調であった。
「おまえは、『護るべきもの』がいないって言っていたけど」
初めて疾風は帰蝶に眼を向けた。深い、悲しみをおびた瞳。
「本当にそうなのか?
じい様や、阿蛾や、瘤瀬の里は。
お前の目に触れる全ては。
おまえにとっては『護る』に値しないものなのか?」
瞳を見開き、躯を固まらせていた帰蝶を前に、疾風もどこかへ去って行った。
「昨日はごめんなさい」
帰蝶は透湖と疾風に謝った。
「あたしは人から与えられたものの上に胡坐をかいていた。
そして、持っているものに対して、ありがたみも何も感じていなかった」
帰蝶は唇をかみ締めた。
透湖と疾風は顔を見合わせた。やがて透湖は帰蝶の肩を抱きしめた。
「みんなそうよ、帰蝶。
あたし達も喪っていなければわからなかったでしょう。
今も持っているものに対して、ありがたみを持っておらぬのはあたし達も一緒かもしれないし」
透湖はやさしく言った。
「あたしも、透湖や疾風と同じくらいに生まれたかった」
頑固に眼を己の膝にあてたまま、帰蝶は己の視線が水で滲んだのを感じた。
「疾風兄者が好きなのね」
「!」
帰蝶は慌てて顔をあげた。
そこには疾風の姿はなかった。
帰蝶はごくん、と唾を呑み込むと、口を開いた。
「でも……どうすれば疾風に好いて貰えるのか、分からないの」
帰蝶は消え入りそうな顔で呟いた。透湖に対しては、素直になることに決めたようだ。
「そうね……。
人が人を好きになるのに理由がないのと一緒で、どうしたら好きな人に好いて貰えるか、ていう法則(きまり)もないのよね」
透湖は帰蝶に、というより己に呟いた。ふと、帰蝶は訊ねた。
「透湖の好きな人って?」
ふりむいたときの透湖の表情は、帰蝶から見ても、とても可愛かった。
(ああ、本当にその人のことを好きなんだ)と帰蝶は思った。
そして。
「ねえ、ねえ、どんな人?」
と重ねて聞いてみた。
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