目が覚めたら【鳥の王】になって無双することになりました

モグラ

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夜鷹。あるいは少女

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「お願い!これ!どうしても今日じゃなきゃヤダ!」
「え!あんただけずるっ!ねぇ!アタシにも買ってよ!」

放課後のコンビニで私はほぼ毎日のように集られる。

高二に上がってから貯めていたお金はこのままじゃ底をつきそうな勢いで減り始めている。

「えぇ~……今日はお財布に入れてないから足りてないよ」

「じゃあATMあんじゃん。降ろしてきなよ」

「い、いや……今日キャッシュカード親に預けてて……」

「えーなんでさ」

「さ、さぁ……?」

断りきれない性格が原因でもあるがさすがに嫌気がさしてきた。
(諦めてくれたか…)

「え、財布どんくらい入れてんの?」

「2000円……」

「2000円もあるんじゃ買えるじゃーん!じゃ、よろしく~!」
私に預けるなり颯爽とコンビニ外に出ていってしまう

「ちょっと!」



「はぁ……」
買わないまま外に出れば大ブーイング。
返してねと言いつつ買っても金は返されないまま。

「最悪……」
「くっ……」
そんな笑いをこらえる声が隣から聞こえ見れば見知らぬ女性がチョコレート菓子を取りながらニヤニヤこっちを見て見ぬふりをしていた

(はぁ~~!?)

気持ちの悪い怒りが沸き立つが何も出来ずそのままレジに会計をしに行く。

「ありがとうございました~」

「はぁ……」

外に出ると早速奴らに買ったものを渡す。

「君ら。今日こそは!今までに買ったお菓子の分返してもらうよ!」

「え?金ない」

「私母子家庭だし~、貧乏だから返せなーい」

「え、買ってんじゃないの?」

「買ってくれる~?ただ押付けただけじゃんそれは……皆今月だけでも3万は飛んだんだからね?1人1万はくれなきゃ」

「「はぁ~!?やだ!」」

最初にやだといい出したかなめは私のバイトの給料より稼いでるはずなんだが、一体何に使い込んでいるのだろうか。

「いいから!要はATMあるでしょ?5000でもいいから下ろしてきて」

「は?めんど~っwでたよケチ宮!」
その一言で一気に笑われる。

私はなぜ毎回買わされて損をしなきゃ行けないのか。

完全に舐められている。

(なんでこんなヤツらと仲良くなったのか……)


とイライラでここ数ヶ月は給料より浪費が上回り、帰る時間も遅くなっている。


1時間後、ようやく帰れた私はそのまま部屋に行き眠ってしまった。


━━━数時間後

「……ん?」
ハッとするように目が覚め時計を確認すると朝の2時時になっていた。
「あ~……お風呂……」

寝起きで頭が重くフラフラと着替えやら持っていきシャワーを浴びる。

お風呂の灯りが目に痛くようやく【魔電動シャワー】から水を出す。

お風呂のお湯が冷めきって入っていたが入る気にならず栓を開けて全て流した。

風呂を上がるとさすがに寝る気になら無かった。

時間を見てもまだ30分しか経っていない。

「……あ、そうだ。」

せっかくだから田舎の駅と駅をランニングで2往復しよう、と思い立った。


間隔はおおよそ2キロ。

4時までやるとするなら身体強化だけ付与するなら60往復は行けるだろう。

ジャージに着替え、玄関をそっと閉めて走りに行く。

(身体強化……はじめ。)

準備体操を軽くして走り出す。
夜はまだ静かに眠っている。

夜は夜行性の魔物魔族がよく出る
そんな中走るのは忘れていたので60週は嘘になった。

(頭働いてないなぁ……)

静かなクラシック音楽を聞きながら。

弱い夜行性の【特定有害指定魔物】を倒しながら。


 ̄2時間後

「はぁ……はぁ……」

ふと立ち止まって周りを見渡す。
「……ん?」

広い道路の中央になにか見つける。
「……(……鳥?)」

近寄ってみると血なまぐさい事に気がついた。

「っ!!!」

驚きながらもすぐに駆け寄って治癒魔法を掛ける

(あれ……これ………)

この世界はここ100年で魔力、魔法、異能力の発見により色々な文明が急激に発展した反面、魔力に晒され能力が開花した人類以外の動植物も比例して進出し、それまでの動植物が消滅の危機に瀕していた。

別に獰猛な猛禽類に襲われて怪我してもどうでもよかった。


「君……なんでこんな怪我してたの?」

クルル……と不思議そうな顔をしながら私の顔を見上げる。

「……もしかして、お腹すいてる?」

「グルゥ」

肯定するように返事をする。

「参ったなぁ……食べるもの持ってないんだよね……あ。」

畑の中光るコンビニが目に留まる。

(あそこなら動物用のご飯売ってたな……)

急いで全動物対応ご飯と水を買って封を開ける。
「はいよ……君の朝ごはんだ。」
少し驚いた顔をしてもぐもぐ食べ始める。

「不思議だね……君、人間みたいだ。」

無視だ。

「……聞いてくれる?私ね、友達に私が稼いだお金巻き上げられて赤の他人の欲しいものに全部取られてるの。」


「どうにかならないかなぁ…絶縁すると退屈で夢も希望もない私がもっとダメになりそうだし……何より楽しいの。」

「あの子たち、いい加減こっちの気持ちにも気がついて欲しいなぁ。 何言っても笑われて聞き流されるし。」


「……君はこんなにも優しいのに、参ったもんだな。その友達とやらは」


「……え?」

猛禽類……もとい魔鷹またかを見ると食べるのをやめて私の方を見ていた。

「僕は君みたいに傷を癒してくれたりご飯を頼んでもないのに察して急いで買って与えてくれる。優しくて純粋な者なのに…………水もこんなに美味しいのをありがとう。」

「え……新種の魔鷹……!?」

「違うよ。魔鷹は寡黙なだけで実は喋るんだ。……まぁ、実は半分にも満たない珍しい方なんだけど……」

「へぇ~……」

鷹は言葉を続けた。

「ご飯、ありがとう。美味しかったよ。もう行かなきゃな。家族が心配している。」

と言いながら羽をバサバサ広げ立つと「じゃあまた会えたらお礼をさせてもらうよ。家族が心配している。また会おうじゃないか。じゃ。」と言った。

「え、あ……う、うん!困ったことあったらなんか言って!」

「……君は自分のお金も自分自身を大切にした方がいいよ。」

「……え」

その瞬間鷹は飛び立ってしまった。

「行っちゃった……」
が、しかし、何故か自分の中で断る勇気というのができた気がした。

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