推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

文字の大きさ
27 / 232
8歳

ルディ第1皇子side

しおりを挟む
クラウスが連れてきた弟と言うやつ。
こいつも可哀想だよなぁ。親の不貞で知らねぇところに連れてこられて。
無駄に闇魔法の才能があるせいでクラウスという名の悪魔に気に入られて。

俺はもうクラウスに魂も権力も渡しちまったからなぁ。自分の意思だ。別に後悔してない。

俺は一生ちやほやして敬われて贅沢に生きたい。だからクラウスに全部渡しても特に問題ない。

でもこいつは違ぇ。勝手に大人に連れてこられて、そこに住んでた悪魔に気に入られて。…不憫すぎる。
運ねぇよなぁ。こんなとこまで連れてこられてさ。

アバズレの息子とか言うからどんな馬鹿が来るのかと思えばめっちゃ良い奴。クラウスと違って性格悪くねぇし。親達と違って非常識なこともしない。なにより先生に言われたことを黙々とこなしてサボろうとしない。それだけで尊敬できる。

俺とクラウスなんて一日目でどうサボろうか考えてたのに。

先生達もそれだけでこいつを良い奴認定して今だってクラウスと魔法のセンセイであるマーティンがやり合ってる間、休ませてやってる。俺たちの時はこんなことなかった。終わった瞬間魔力を絞りだせ。剣をにぎれ。と脅された。やらなきゃ後ろからバカスカ撃たれて死にかけるし。

テオはほんといい子ちゃんすぎる。

「テオ、あまりクラウスのこと重荷に思うなよ。あいつは天才だ。」

「はい。理解しています。それでも兄上の隣に立てるような人間になりたいんです。」

うーわ。めっちゃ良い奴じゃん。それともクラウスが猫かぶってるだけか?
クラウスなんて「逆らえないくらい可愛がるの。」つってたぞ?
そんなやつにこんないい弟ができるのかよ。いいなぁ。羨ましすぎる。
俺の弟なんていつあっても親を殺した仇みたいに睨んでくるんだよな。なんでそんなに嫌われてんだか。

俺より才能あるしそんな敵意剥き出しにすることねぇのになぁ。

まぁ、皇位は譲らねぇけど。そのためにクラウスと仲良くしてんだし。

「殿下も剣術の天才だとすごい有名ですよ。」

「へー。大会にも出たことねぇのになんで広まってるんだか。それ言うならクラウスも有名でなきゃおかしいだろ。」

「そう…ですね。」

「アイツさ、その噂話もコントロールしてんの。俺の母親を使って、俺を持ち上げて自分は目立たないようにしてんの。どう思うよ。」

「…そんなことが可能なんですか?」

「可能にしてんの。あんまり深入りすんなよ。食い潰されちまうぞ。」

テオは少しだけ下を向いてクラウスに似てるけど全然違う雰囲気で笑いかけてきた。
まぁこいつがいいなら口出すこともねぇだろ。

それに真実を知って地獄になるのと、知らなくて幸せになれるなら幸せな方がいい。それでいいと思う。

どうなってもクラウスはテオを手放すつもりはねぇみたいだし。

クラウスがなんか魔法を放つ気配を感じたから念の為に光魔法で防御癖を作る。
手合わせが始まる前にクラウスが闇魔法で防御壁作ってたけど念の為、な。

それと同じくらいにクラウスの魔法名を唱えた。

「アクティース!!」

聞いたことがない魔法だが一瞬にして見えてる世界がバラバラになる。綺麗に整えられた訓練場の地面も周囲の木も全部見る影もなくバラバラ。

まじでとんでもねぇ魔法作り出したな…アイツ。






しおりを挟む
感想 38

あなたにおすすめの小説

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ
BL
 前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

処理中です...