116 / 232
12歳《中等部》
13
しおりを挟む「面倒だな。」
全くだよ。
帰ってきたら速攻で種無しにしてやる。そのために薬調べあげたんだから。作り方広めるわけにはいかないから僕だけで作る必要があったし。はぁ大変だった。
「部屋の準備は頼んだけど。義母様怒り狂ってないといいけどね。」
テオ様は黙りこくって何も喋らない。下向いてるし。大丈夫かな?
テオ様が嫌なら追い出すけど。
「もし、もしですよ。新しい夫人ができた場合母はどうなりますか?」
「今の夫人は義母様だからね。亡くならない限りなにも変わらないよ。」
「まじで引き入れんの?」
「1年だけね。孕まれてても困るもん。」
女じゃなくて男だし、愛人でなくて兄弟だけど。
でもこの段階で僕が知ってるのはおかしいからテオ様の不安を払拭してあげる事はできない。辛いよ。
「…1年後は?」
「ん~。使用人にでもさせる?あの子たちにも鬱憤ばらしが必要でしょ。テオかルディが欲しいならあげるよ。」
「いらねぇよ。公爵が帰ってきたら直ぐに代替わりするんだろ?」
「その予定。」
でもその前に場を整えたいから公爵の地位を継ぐのは少しあとがいいな。
「でもその前にルディに個人的に剣を捧げたいの。準備できる?」
「2ヶ月後に俺の誕生祭がある。それでどうだ?」
「分かった。その後すぐに僕の公爵就任パーティをしよう。」
「おもしれぇことになるな。」
「社交界は一気に色めきたつだろうね。」
「俺の弟や母様も血気立つな。」
「同じ母親なんですよね?なんで殿下のことだけ邪険にするんですか?」
ぶっこむね。僕とルディの間じゃ暗黙の了解みたいなことになってるのに。
「ただの嫉妬心だよ。僕があまりにできすぎる子だったから。」
「殿下も比じゃありません。神話時代の魔法も使えますし、剣術だってもう師匠に追いついてます。」
めっちゃ分かる。皇后陛下はルディが全てにおいて僕より優れてないと嫌なんだろうけど。
ルディは万能タイプ。僕は器用貧乏タイプだ。魔法も剣術も僕は1歩遅れてる。それを錬金術だったり前世の知識や本で得た知識と努力で補ってるに過ぎない。
ほんの少しだけ優れてる努力と知識でなんとかかんとか置いていかれないようにしてる。
テオ様に失望されないように必死だ。この必死さと余裕があるように見せるすべだけは誰にも負けない自信がある。
「でも第2皇子殿下は僕より頭がいいよ。魔法と運動は才能ないけど王としては最悪いらないからね。」
「母様はクラウスの母親に嫉妬してるんだわ。本当になんでもできる女性だったからな。生まれも育ちも超一流。見た目だって母様と並んで社交界の華だと例えられたんだ。それは皇后っていう立場を手に入れても変わらねぇ。公爵夫人を贔屓する男は絶えねぇし、男優位な考え方の宮の中で才能を持ち上げるやつまでいたからな。」
「自分も息子も負けたって思ったんだよ。圧倒的に勝てる子供が欲しかったの。ルディは本当に王族らしい見た目だからね、勝てたと思ったんじゃない?」
実際錬金術以外は負けてるし。錬金術なんて魔法でいくらでも替えがきく物だから魔力少ない人以外は意味ないし。
「それがクラウス生まれてみれば公爵夫人の息子は光魔法も闇魔法も使えるハイブリットだもんな。生まれた瞬間から母様は負けたわけだ。」
「結構嫌味、嫉み言われ続けたよ。母様が亡くなってからは酷かったな。」
「俺ももう諦めてるよ。さすがに皇帝になったら落ち着いてくれると信じてるけど…どうだろうな。」
皇后陛下は死ぬまで変わらなさそうだけどね。しかも相手が死んでるもんだから一生勝てないし。かわいそう。
「第2皇子も悪くないんだけどねぇ。」
我ながら美味しいお茶の入れ方してる。さすがだな。ルディにもこれは勝てる。アルフレートには負けるけど。
307
あなたにおすすめの小説
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆4月19日18時から、この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」を1話ずつ公開予定です。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる