推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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12歳《中等部》

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「面倒だな。」

全くだよ。
帰ってきたら速攻で種無しにしてやる。そのために薬調べあげたんだから。作り方広めるわけにはいかないから僕だけで作る必要があったし。はぁ大変だった。

「部屋の準備は頼んだけど。義母様怒り狂ってないといいけどね。」

テオ様は黙りこくって何も喋らない。下向いてるし。大丈夫かな?
テオ様が嫌なら追い出すけど。

「もし、もしですよ。新しい夫人ができた場合母はどうなりますか?」

「今の夫人は義母様だからね。亡くならない限りなにも変わらないよ。」

「まじで引き入れんの?」

「1年だけね。孕まれてても困るもん。」

女じゃなくて男だし、愛人でなくて兄弟だけど。
でもこの段階で僕が知ってるのはおかしいからテオ様の不安を払拭してあげる事はできない。辛いよ。


「…1年後は?」

「ん~。使用人にでもさせる?あの子たちにも鬱憤ばらしが必要でしょ。テオかルディが欲しいならあげるよ。」

「いらねぇよ。公爵が帰ってきたら直ぐに代替わりするんだろ?」

「その予定。」

でもその前に場を整えたいから公爵の地位を継ぐのは少しあとがいいな。

「でもその前にルディに個人的に剣を捧げたいの。準備できる?」

「2ヶ月後に俺の誕生祭がある。それでどうだ?」

「分かった。その後すぐに僕の公爵就任パーティをしよう。」

「おもしれぇことになるな。」

「社交界は一気に色めきたつだろうね。」

「俺の弟や母様も血気立つな。」

「同じ母親なんですよね?なんで殿下のことだけ邪険にするんですか?」

ぶっこむね。僕とルディの間じゃ暗黙の了解みたいなことになってるのに。


「ただの嫉妬心だよ。僕があまりにできすぎる子だったから。」

「殿下も比じゃありません。神話時代の魔法も使えますし、剣術だってもう師匠に追いついてます。」

めっちゃ分かる。皇后陛下はルディが全てにおいて僕より優れてないと嫌なんだろうけど。

ルディは万能タイプ。僕は器用貧乏タイプだ。魔法も剣術も僕は1歩遅れてる。それを錬金術だったり前世の知識や本で得た知識と努力で補ってるに過ぎない。
ほんの少しだけ優れてる努力と知識でなんとかかんとか置いていかれないようにしてる。
テオ様に失望されないように必死だ。この必死さと余裕があるように見せるすべだけは誰にも負けない自信がある。


「でも第2皇子殿下は僕より頭がいいよ。魔法と運動は才能ないけど王としては最悪いらないからね。」

「母様はクラウスの母親に嫉妬してるんだわ。本当になんでもできる女性だったからな。生まれも育ちも超一流。見た目だって母様と並んで社交界の華だと例えられたんだ。それは皇后っていう立場を手に入れても変わらねぇ。公爵夫人を贔屓する男は絶えねぇし、男優位な考え方の宮の中で才能を持ち上げるやつまでいたからな。」

「自分も息子も負けたって思ったんだよ。圧倒的に勝てる子供が欲しかったの。ルディは本当に王族らしい見た目だからね、勝てたと思ったんじゃない?」

実際錬金術以外は負けてるし。錬金術なんて魔法でいくらでも替えがきく物だから魔力少ない人以外は意味ないし。

「それがクラウス生まれてみれば公爵夫人の息子は光魔法も闇魔法も使えるハイブリットだもんな。生まれた瞬間から母様は負けたわけだ。」

「結構嫌味、嫉み言われ続けたよ。母様が亡くなってからは酷かったな。」

「俺ももう諦めてるよ。さすがに皇帝になったら落ち着いてくれると信じてるけど…どうだろうな。」

皇后陛下は死ぬまで変わらなさそうだけどね。しかも相手が死んでるもんだから一生勝てないし。かわいそう。

「第2皇子も悪くないんだけどねぇ。」

我ながら美味しいお茶の入れ方してる。さすがだな。ルディにもこれは勝てる。アルフレートには負けるけど。




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