推しの完璧超人お兄様になっちゃった

12歳《中等部》

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｢いつ広める？｣

｢今週末に伯父上のパーティがある。そこで話そうかとは思ってるよ。｣

未だに誘われるからね。シルヴェスターを切るには勿体ない関係なのかもしれない。こんだけ分かるように意地悪してるのに変だよね。

｢分かった。父様には俺から言っとくわ。｣

｢ありがとう。もしかしたら父様から手紙が行ってるかも。｣

｢あいよ。よしっ！久しぶりに手合わせでもするか。お前ら辛気臭ぇわ。｣

最後の一口を飲んでカップもポットも空間魔法の中にほおりこむ。ルディとテオのも空だったからほおりこむ。

｢新作使っていい？｣

｢魔法も剣術もアリなやつな。｣

｢テオが勝っちゃいそうだね。｣

テオは学園が始まってから剣士部頑張ってるもんね。

｢負けねぇよ。｣

ルディが立ち上がるのに合わせて僕もドアを開ける。

これぞ皇族と言えるように手伝ってあげるのが僕の役目だから。


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いつも魔法師部と剣士部が使ってる闘技場にくれば当たり前のように視線がまとわりつく。

ウザったいけどたまに役にたつこともあるんだよ。

僕が手招きすれば両方の部活を担当してる顧問が来てくれる。こういう時の身分は便利で好き。

｢テオと殿下と僕とで手合わせしたいんだけど闘技場の一部借りてもいい？｣

｢はい！問題ありません！｣

剣士部の先生はいいお返事。見た目も声の出し方もまるっきり体育会系の人だな。
でも問題ないのはわかってる。どこ貸してくれるか教えて欲しいんだけど。

｢魔法師部は全面でも構いません。｣

ん？ほんと？そんなこと言うなら全面借りるけど。
チラッと剣士部の顧問が魔法師部の顧問を見て声をはりあげた。

｢剣士部も全面、問題ありません！｣

おぉ。まじか。生徒からヘイトたまんない？大丈夫？

｢ありがとう。じゃあ準備運動やってるからお願いね。｣

2人に向かってまるっと腕で作って知らせてあげる。
テオ様もルディも2人で先に更衣室に向かった。僕を待ってくれてもいいのに。

2人の運動着は運動着なのになんかちゃらちゃらしてる。ベストも来てるし靴だってブーツだ。靴は乗馬なの保護のためって名目もあるから貴族はブーツよく履くけど邪魔じゃないのかな。馬もいないのに膝まであるブーツって邪魔そう。

僕は先生が冒険者だからすっごくシンプル。
動きやすい短めの靴。でも釘を踏んでも剣を足で捌いても大丈夫なように靴裏に金属の板仕込んでる。めっちゃ筋力使うけどそこは風魔法でカバー。服もベストは脱いで緩め。
身軽さ1番。だけど中にはちゃんと鉄楔来てるよ。魔物は牙が、人間は刃こそが危ないからね。毒仕込めるし。

あとは短刀とかを仕込めるようにズボンも靴もポケット多め。これ特注だから意外と高いんだから。
見た目はチャラチャラしてる2人よりかは質素だけど同じくらいの値段はする。


｢お前、そんなんじゃ舐められるぞ。｣

｢実用さを求めた結果だよ。そんなチャラチャラしてよく動けるね。｣

ぎゃあぎゃあ言ってたけど無視して自分の着替えを進めてく。
今回は魔法も剣術も使える。2人の手の内も大体知ってるし新作がなければ裏をかかれない自信はある。
だから武器も少なめで動きやすさ重視。

テオ様にすごいって褒められるように頑張るぞ。