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12歳《中等部》
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しおりを挟む「父上と母上もいるんですか?」
「ネヴィルもいるよ。こういうのって家族で祝うんでしょ?」
僕とテオ様以外は全員不機嫌そうだけど、まぁご愛嬌ってことで。よくわかんないけど普通っていうのもたまにはいいと思う。
テオ様の誕生日ですら義母様しか集まらない家だからね。これからはこういう風にするのもいいかなって。
でも少しテオ様の頬が引きつってるから本当に偶にがいいかもしれない。
「なんの真似だ。クラウス。」
「テオが初めて優勝したので祝うんですよ。」
「…お前が優勝しても祝わなかったのにか?」
僕が勝ってなに祝うの。
テオ様からのおめでとうだけで十分だし。欲しいおやつなんていつでも出してくれるし。特に祝うこともない。
「特に祝うことでもないので。テオ、これプレゼントだよ。手に馴染むと嬉しいな。」
いつか。
いつかテオ様が剣技を習得した時ように作らせてた剣。
素材自体も最高級品のアダマンタイト。北の鍛冶師に鍛えてもらった一級品。
もちろん僕の錬金術で色んな効果を付与してる。新しい付与を覚えて完璧になったらその度に付与してたから値段なんて付けられないくらいにはなってると思うよ。
思ったよりあげるの早かったからまだまだ鍛えられる逸品だけどまぁその時はその時だよね。
折れても、また頼んで鍛えてもらえばいいし。
絶対に折れない剣とか錬金術で作れないかな。
テオ様と僕の剣には刃こぼれしても自己修復する錬金術を付与してるけど折れたらどうにもならない。僕の剣も折れちゃったしなぁ。新しいの作らないと。
「甘やかしすぎだ。」
「ほとんど僕の手作りなので費用としてはアマダンタイトと鍛冶師への支払いのみで安く仕上げてますよ。」
「剣に付与されているものはどうした。」
「僕がしました。魔法でも良かったのですが…そっちの方が得意なので。」
剣自体に彫ってるんだよね。
アダマンタイト硬いし面倒だしで大変だった。でもほんと錬金術の才能だけはあるからできたけど。
マイナーどころか差別対象の職業だからなぁ。あんまり学んでも意味ないけどね。
シルヴェスターの力でどうにか価値を上げたい。
北では重宝されてるけど帝都ではまだまだだ。
「刃こぼれ、錆くらいなら自己修復するように光魔法を付与してるから手入れは程々でいいからね。」
「は、はい。」
誰かがしたなら高いけど僕の手隙の時間にしたからね。タダだよ。
なんさ。最近こういうところで貧乏性が垣間見えるなって思うんだ。大富豪の大貴族なのにお金にこだわるなんて…なんかたまにこれでいいのかなってなっちゃう。
無駄使いしないのはいいことだけど、使わないと経済は回らない。貧乏性なのかなぁ。ほんと貴族よりも研究者の方が本格的に向いてる気がしてきた。
「応用として僕が使えない魔力系統の固定化も成功したら付与してあげるからね。」
ずっと魔法や錬金術の研究してテオ様に還元したい…。
錬金術が金になるならシルヴェスターの持ってる店や商団を売り払って錬金術で稼いでテオ様に貢ぐのに…。
はぁ。疲れる。
でも錬金術は才能で受け継げないから商団は必要かも。
書類整理とかなら努力でなんとかなるし、引き継ぎも簡単だもんね。
特許の概念も取り入れるか?そうしたら僕が考えたものを遺族に相続できるようにすればいいし。
ありだな。テオ様に全部あげよう。
「テオ、それ使いにくかったら教えてね。」
「はい兄上。それとプレゼントなら明日ご一緒にお茶会したいです。」
「いいよ。待ってるからね、」
なんかあげた剣を返そうとしてきたから笑って押し返した。僕いらないし。僕の剣はまた僕専用で作るもん。
打撃とか耐久力上げないとまたテオ様に折られる。
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