推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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12歳《中等部》

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『ねぇ。お茶会開いてよ。私のために。』

僕の家に居候してる皇子様がまた無茶を言い始めた。
あと2週間もないんだから静かに1人でお茶でも飲んでろよ。と言いたくなる。

クラスメイトを誘ってのお茶会くらいなら準備できるけど…向こうにも予定ってものがあるんだよ。そりゃあシルヴェスターのお誘いだから用事を蹴ってでも来てくれる子は多いだろうけど…。はぁ。横暴すぎる。

「はぁ。」

「兄上、お疲れですね。大丈夫ですか?」

はぁ。テオ様。僕の癒しだよ。早くシモンは帰ってくれないかな。僕の邪魔と要らない用事を作ってテオ様との時間を削られる。

「仕事は増えるしシモンの相手はしなきゃ行けないし。もうひとり僕が欲しい。ホムンクルスでも作ろうか。」

「ホムンクルスですか?」

「人間を作るんだよ。人間の性液と血液を使って小さい人間を生み出すの。」

「…できるんですか?」

どうだろう。文献にも乗ってるから出来ると思うけど…。
僕は実際に見た事ないからなぁ。テオ様に嘘教えるのも気が引ける。

「さぁ。やったことないから分かんないね。あまり興味はなかったし、害を与えるような代物ができたら手に負えないもの。」

そもそも僕じゃなくてもいいんだよ。
テオが相手してもいいのにシモンはなにが気に入らないのか僕の邪魔をする。アイツじゃなかったら追い出すか、アルに言いつけて殺してる。

「テオ、シモンの相手変わる?」

「兄上の手助けになるなら変わりたいのですが…俺は嫌われているようです。」

そうなんだよね。シモンはネヴィルよりもテオ様を嫌ってる。僕とテオ様のお茶会を邪魔するくらいには嫌ってる。空気読めるんだから黙ってその場を離れればいいのに寄ってくる。蛾みたい。モンシロチョウみたいな格好してるけど蝶も蛾も一緒でしょ。

「そっかー。同級生になるんだし少しくらい隠せばいいのにね。」

「やっぱり男爵家の血筋だからでしょうか。母上のやってきたことのせいでしょうか。」

そこで自分の実力不足って言わないところ好きだなぁ。ほんと好き。可愛い。

「まぁ気に入らないだけだよ。シモンは僕の母様を目標にしてたからね。」

テオ様を嫌うシモンがなにもかも悪いんだよ。見えない目と使えない頭は腐って落ちればいいのに。

「テオは良くやってるし自慢の弟だよ。なにも知らないシモンのことは無視していいからね。」

曖昧に微笑んだテオ様。本当に気にしなくていいのに。テオ様はルディの機嫌が取れるんだからそれでいいんだよ。
むしろテオ様が腹が立ってそばにいたくないって言うなら、シモンの婚約も王になる手伝いもやめるよ。

「テオ、本当に我慢ならなくなったら言うんだよ。ちゃんと屋敷から追い出すからね。」

「ネヴィルのことですか?」

ネヴィルのことまだ嫌ってたの?嫌ってるのは知ってたけどいつも嫌い嫌いって態度するシモンより嫌いなの?
困った子だなぁ。

まぁ。僕も含めてテオ様がいらないって言うなら追い出すよ。本当に嫌なら国からも追い出してあげる。

「…全部だよ。」







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