異世界召喚鍛冶師

蛇神

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第一章 異世界召喚鍛冶師、爆誕!!

アルの心中

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 俺がユキを助けたのはたまたまだ。パッと最初あった時、別に何の感情もなかった。最悪、目の前で死んでもなんも思わなかったと思う。ただ、魔法で妖精との関わりを学んでいたため、呪いや怨念が頭をよぎり面倒を避けるために助けたまでだ。

 ユキは運がいい。あんな重症を負って助かるなんて奇跡に近い。キルが俺の家に居なかったら助からなかっただろう。俺がその日洞窟へと向かわなかったら死んでいただろう。

 俺はユキと生活していくうちに確かにナルキスが言うように『アイツ』に似ていると思った。
 でも、別に俺はアイツとユキを重ねてみていたつもりはなかった。けれども、俺は知らないうちに当てはめてユキでアイツを探していたのだろうか…。
 ナルキスにユキが似ていると言われた瞬間、体じゅうに何か黒くてモヤモヤした汚いものが駆け巡ったのを感じた。

 気づいたら…俺はユキを傷つけた。ニコニコ花を満開にさせたように明るく笑うあの子の笑顔を、俺は奪ったのだ。

「クソッ…!!」

 ダン!!と俺は壁に拳を打ちつけた。拳がめり込み、ハタハタと血と小さな破片が混ざった薄く汚れた液体がツーと垂れた。

 昔と変わらないな…と、自嘲ぎみに口の端を持ち上げ笑った。

 昔から俺は黒く汚い感情に飲まれると、1人ここへ汚い感情を流しに来ていた。ここからの景色や風を受けると、心が昔から落ち着くのだ。
 俺は見張りの台の端へと歩いて、手をかけた。ここからは良く街全体が見渡せるのだ。

「相変わらずだよ、この景色も…俺も…」

『アルはアルでいいんだよ!!』

 昔聞いた懐かしい声が頭をよぎった。

 もう、涙を流すほどの涙もとうの昔に乾ききってしまった。

 俺は元の世界へ戻すとユキと約束した。果たしてその約束は最後まで責任をもって投げ出さず果たすことが出来るのだろうか。
 俺はユキに大人の余裕な姿をずっと見せて落ち着かせようとした。それが正解だかは分からない。

 『アイツ』に似ているからで片付けられて、俺のワガママに振り回されたあの時のユキの思いは分からない。いや、分かろうとしなかった。

 俺の私情で関係の無いユキをまた傷つけてしまうかもしれない…

「俺は…いったいどうすれば…!!」

 俺は歯を食いしばって、喉の奥から声を振り絞った。

 その時、サラリと頬に優しい風が撫でた。

「アルさんはアルさんのままでいいと思うよ??」

 ハッと声の方へ振り返った。

 そこには戸惑いながら顔の脇の短い髪をクネクネ触りながら立つユキがいた。あと何故かヒューまで。

「なんか、よくアルさんのことは分からないけど…私はこの世界でアルさんに出会えてよかったって思ってる。この世界で挫けそうになった時…何度アルさんに救われたか…」

 えーと、えーと、と自分の思いを言葉に必死にまとめようとするユキを見て…気づいたら俺は泣いていた。

 それに気づいたユキはギョッとしてあたふたしていた。

「えっとー!ごめんなさい!!なんか変なこと言いました!?必死だったんで行った事覚えてないんですけど…ごめんなさい!!」

 ワタワタと近づいてきたユキを私は抱き寄せた。

「ひゃぁ!?」とユキは固まった。

 別にこれはユキに恋愛的な感情をもっているという訳では無い。ただ、俺はユキにもう大丈夫だということを伝えたかったのだ。感謝を伝えたかったのだ。

「ありがとう…ユキ…」

 は…い…、とユキはドギマギとしていた。俺はいつの間にか笑っていた。

 …本当に決してやましい気持ちはないからな!!

 おい、そこ!ヒュー!!ニヤニヤするな~~!!!!

 
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