異世界召喚鍛冶師

蛇神

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第三章 謎の暗殺者

アナンタ

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「ユキちゃ~~~~~~~ん!!」

 私はガバリと同じ背丈の青年に抱き着かれた。

「うへぇ!?ちょ、辞めてくださいよ!」

 抱きついてきたのは、いつぞやの若き串焼き屋台の店主、アナンタだ。

 街に出たのはいいが何をしようと人の流れに沿って歩いていたら、急に名前を呼ばれ、抱き着かれた。

 私はバタバタと暴れたが、アナンタは私とおんなじ背丈の癖して何気に力が強かった。どんなに暴れてもビクともしない。流石、ドラゴン。人間に化けても、力はそのまんまなのか?

「…そんなことされると、女性って嫌いになるパターンが多いですよ?」
「うそ!?ほんとゴメン!!許して!嫌いにならないでー!!」

 私が少し脅すと、すんなりと離してくれた。これは使える。

 だがしかし…アナンタは少し大袈裟すぎた。

 ごめんよ~!許して~!と人通りの多い道のど真ん中で叫び始めたのだ。私はビックリしてアナンタの手を引いて道の端へ連れていった。

 私はジロジロと通行人に見られる視線を感じながら、恥ずかしさで顔を真っ赤にして声を荒らげた。

「ばば、バカなの!?常識ってのがあるでしょ!?」

 アナンタはキョトーンとした顔で首をかしげた。私はアナンタに常識は通用しないことをここで理解した。

 フーと私はため息をついた。

「あれ?そういえば、アルの兄貴を前に見かけたんだけど…ユキちゃん一緒に帰らなかったの?」

 アナンタはクイーと首を傾げ、私を見つめた。アルさんが帰った日に見かけたのかな?

「私は城に残って修行してるの!!」
「ほえー、若いのにお偉いね~」

 若いって…そんな私と変わんないような人に言われたくないな~…、と私は笑った。そう言うと、アナンタは何言ってるんだい?とニヤニヤ笑った。口からシュルシュルト細い舌を出し入れしている。

「俺はまぁ、同じ種からしてみれば随分と若いほうだけど…これでも100歳は超えてるよ?」

 イシシとイタズラっぽく笑う。ひ、100歳以上か…言動から見て私より下か、同じぐらいに見えるけど…そうかー…100歳越えか~。私はアナンタが急に老けて見えた。

「ところでユキちゃんはさ、なんで修行中なのに街に出てるの?」

 アナンタは不思議そうに聞いてきた。

「今日はお休みなの。ナルキスからお小遣い貰ったからお土産買おうかな~…なんて…」

 アナンタは私の言葉を聞いて固まった。あんなにふにゃんふにゃんとした柔らかい表情だったのに、今はロボットの様にカチンコチンに顔を強ばらせている。

 私何か変な事言ったかな?

「ナルキスってさ…もしかして、国王陛下のこと?」
「え、そうだけど…あ!!」

 そうだ、最近忘れがちになってしまったが、ナルキスはこの国の王で、とても信頼の厚い優秀な王なのだ。そんな王の命令だからといって、城以外でホイホイと呼び捨てで呼んでしまっては変に目立ってしまう。

 アナンタはしばらく固まっていたが、ゆっくりと元の表情を取り戻し、フムフムと頷き始めた。

「ユキちゃんはアレだね、アルの兄貴達みたいな関係を国王と築くことが出来たんだね!」

 アナンタは優しく微笑んだ。なんか、すごく小さい子供のような態度だったのに、アナンタが微笑んだだけで急に大人びて見えた。やっぱ、100歳は超えてるだけあるね…うん…。

「…ところで、今日お店は?」
「今日は休みでーす!!」

 前言撤回…彼は十分子供です。

 私がアハハと愛想笑いをしていると、アナンタはおぉ!そうだ!と急に叫び、両腕をガバりと広げた。何かいいことを閃いたらし。近くを通った人達が不審そうな眼差しを向け通り過ぎて行った。

「じゃぁユキちゃん!俺と今日デートしてよ!」

 トンチキな彼の閃に頭が追いつかず、私は鳩が豆鉄砲をくらったかようにキョトンと目をまん丸にした。

「俺、暇だしさ!ユキちゃんに街のこと色々教えるよ!」

 彼は柴犬のようにキャンキャン叫んで鋭い歯を見せながら笑った。やはり、柴犬と言ったが…彼はドラゴンだ…。
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