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第18話 加護~スタイル~
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これにて特訓の一切が終了した。エリザの謁見の間は特訓によってまぁまぁダメージを負っており、瓦礫が崩れたりしてしまっているが俺たちの横でクリスさんや下級竜人たちが整備と修復を行い始めていた。
いやぁ……本当に迷惑をかけたと思う。
「それで、レイクはどうじゃエリザ?」
「まぁ……3日間にしてはよく頑張った方じゃないかしら」
「そうではない。妾達と協力してくれるのかと聞いておるのじゃ」
ヴィルヘリアの言葉にエリザは口を閉ざし、考え始めた。考え始めて数分、ずっとうなり続けている。
そして、次に口を開いたのは更に数分後の話だった。
「まぁ……少し気になる所もあるし、面白そうって言う興味の方が強いかもしれないわね」
「おお!! それってつまり!!」
「かかかか勘違いしないでよね!! 別に協力するってわけじゃなくてその男に気になる所があるだけだし!! あと、あああああんたの頼みだからすっごく優しく優しくしてるわけで……」
「ありがとなエリザ!! これで夢に一歩前進じゃな!!」
ヴィルヘリアはエルザの言葉を遮って、エリザにまた抱き着いた。やめなさいヴィルヘリア、エリザが溶けてしまうよ。
「レイクもよく頑張ったの!」
エリザから離れたヴィルヘリアは俺の方へよるとつま先立ちで背伸びし、笑顔で俺の頭を撫でてくれた。竜だとしても容姿が美少女な為、少しだけドキッとしたが悪くはない気持ちだ。
「でも、3日間で覚えたスキルはまだまだ序の口じゃ!! これからも精進することじゃ!!」
「はいはい」
「はいは1回なのじゃ!!」
「それにしても流石はヴィルヘリアの加護を受けているだけあって、強力よね貴方の加護」
「加護?」
「あら? ヴィルヘリアから聞いていないのかしら?」
「あ! 言うの忘れてたのじゃ!!」
「はぁ……全くもう。レイク、貴方はヴィルヘリアの眷属になった。それに付随して何か竜との契りとして差し出した物があるでしょ?」
俺はヴィルヘリアと契約するとき、心臓を奪われた。差し出したというより強制的にだ。
「心臓だ」
「心臓? ふふ、これまた大きな愛の鎖につながれたようね。まぁそれは良いとして、竜に認められ竜へ何か自身の身についている物を差し出すことでその竜の加護を受けることができるの。それを”加護”と呼んでいるの」
「妾と契約したのならば眷属に足して妾の加護、誇り高き【破滅古竜ノ加護】を授かることができるのじゃ!! これはのう! 凄いのじゃ!! 妾の使うスキルの殆どを使用できる他に炎熱魔法が最強になるのじゃ!!」
つまり、今まで使用した炎熱系のスキルや今回の特訓で使用できることが判明した【煉獄魔王】を含めてこの加護があることでとてつもない威力を生み出すことができたのだろう。
「例えばこんなこともできるのよ……」
不敵な笑みを浮かべながらエリザが俺の右腕を持つと突然かぶりついた。物理攻撃耐性があると言うもののしびれるような痛みが右腕を襲う。
俺は驚いてすぐにエリザの口から右腕を引き放した。
「な!? 急に何を……ってあれ?」
エリザは口元に着いた血をペロリと舐める。
「ご馳走様♡ 今、私は貴方から血を少しだけ奪った……いいえ、貴方が私に血を差し出してくれた。だから、この意味が分かるわよね」
俺の身体に違和感を覚え始める。今までは燃え滾るような情熱を抱いたような心が、冷静で落ち着きがある冷たい心となる。
何かがおかしいと、俺はエリザの玉座付近の氷の結晶の反射を利用して自身の外見を確認した。すると、今までの容姿とは少し異なっていた。
髪の毛先や肌が少しだけ白くなっており、身体に霜がかかっていた。
「何だこれ?」
「ヴィルヘリア、レイクになんでもいいから攻撃して。そして、レイクはその攻撃を防いでみなさい」
「う、うむ、分かったのじゃ!!」
急な話に理解が追いついていないが、ヴィルヘリアは俺に躊躇なく攻撃を行ってきた。
「”炎ノ息吹”!!」
ヴィルヘリアは両腕から燃え盛る火炎を解き放ってきた。俺は慌ててすぐに防御の構えを取る。
「うわっ!!」
俺は咄嗟に顔を背けると、突然巨大な分厚い氷塊が壁となって俺の前にそびえ立ち、炎から身を守ってくれた。
「おお!! レイク凄いぞ!! まるでエリザが作る氷壁の様じゃ!!」
確かに、改めて見てみると特訓の最中に少しだけ使用した氷結魔法の時よりも大きさが増しているように見える。
「これが”氷銀古龍ノ加護”、全てを破壊するヴィルヘリアの力とは裏腹に私はお上品に身を守ることに特化している。だから、貴方は更に丈夫になる。そしておまけにヴィルヘリアよりも氷結系スキルの扱いが上手になるわ。加護はいつでも切り替えられるから。変える方法は強く願うと良いわ」
エリザの言う通り、前の加護に戻るように強く願うと容姿は元に戻っていく。きっと上手く変更できたのだろう。
「加護はいつでも好きな時に変更できるわ。その加護は3日間のご褒美よ。別に勘違いしないでよね、ヴィルヘリアに優しいところが見せたいとかそんなんじゃないんだから」
本当は見せたかったくせに。
でも、確かに体の中に新しい力が入って来たような気がする。これにはエリザに感謝だな。俺はこれでまた強くなった。
《現在ステータス》
name:レイク
称号:破滅古竜の眷属
《(判明済み)所持スキル》
コモンスキル:【威嚇】【風切り】【拘束鎖】【超感覚】
ユニークスキル:【煉獄魔王】【氷乱魔王】
EXスキル:【仁王覇気】【多種結界】【耐性無視】【環境適応】【破壊ノ福音】【悪食】【自動防御】
加護スキル:【破滅古龍ノ加護】【氷銀古龍ノ加護】
竜種固有スキル:【炎ノ息吹】【竜鱗】【竜爪】【竜頭】
魔法:【炎熱魔法:level10】【氷結魔法:level10】【電撃魔法:level5】【風刃魔法:level5】【神聖魔法:level5】【暗黒魔法:level5】
言語スキル:【竜族語】
耐性:【状態異常無効】【物理攻撃耐性】【基本属性耐性】【氷結無効】
《新スキル説明》
・氷乱魔王
煉獄魔王とは対照的に高密度のエネルギーを氷結に変える能力や防御力を上昇させる能力を持つ。以下の能力が使用可能になる。
【自動防御】
身の危険を感じた際、自動的に身を守る”氷壁”が発動する。
【防御力大幅上昇】
”氷壁”や”竜鱗”、”多重結界”などの防御力が大幅に上昇する。
【氷結魔法:level10】
氷結系魔法を最大レベルで使用可能になる。
【氷結系スキルの攻撃力大幅上昇】
氷結系スキルの威力を3倍にする。
【氷結無効】
いやぁ……本当に迷惑をかけたと思う。
「それで、レイクはどうじゃエリザ?」
「まぁ……3日間にしてはよく頑張った方じゃないかしら」
「そうではない。妾達と協力してくれるのかと聞いておるのじゃ」
ヴィルヘリアの言葉にエリザは口を閉ざし、考え始めた。考え始めて数分、ずっとうなり続けている。
そして、次に口を開いたのは更に数分後の話だった。
「まぁ……少し気になる所もあるし、面白そうって言う興味の方が強いかもしれないわね」
「おお!! それってつまり!!」
「かかかか勘違いしないでよね!! 別に協力するってわけじゃなくてその男に気になる所があるだけだし!! あと、あああああんたの頼みだからすっごく優しく優しくしてるわけで……」
「ありがとなエリザ!! これで夢に一歩前進じゃな!!」
ヴィルヘリアはエルザの言葉を遮って、エリザにまた抱き着いた。やめなさいヴィルヘリア、エリザが溶けてしまうよ。
「レイクもよく頑張ったの!」
エリザから離れたヴィルヘリアは俺の方へよるとつま先立ちで背伸びし、笑顔で俺の頭を撫でてくれた。竜だとしても容姿が美少女な為、少しだけドキッとしたが悪くはない気持ちだ。
「でも、3日間で覚えたスキルはまだまだ序の口じゃ!! これからも精進することじゃ!!」
「はいはい」
「はいは1回なのじゃ!!」
「それにしても流石はヴィルヘリアの加護を受けているだけあって、強力よね貴方の加護」
「加護?」
「あら? ヴィルヘリアから聞いていないのかしら?」
「あ! 言うの忘れてたのじゃ!!」
「はぁ……全くもう。レイク、貴方はヴィルヘリアの眷属になった。それに付随して何か竜との契りとして差し出した物があるでしょ?」
俺はヴィルヘリアと契約するとき、心臓を奪われた。差し出したというより強制的にだ。
「心臓だ」
「心臓? ふふ、これまた大きな愛の鎖につながれたようね。まぁそれは良いとして、竜に認められ竜へ何か自身の身についている物を差し出すことでその竜の加護を受けることができるの。それを”加護”と呼んでいるの」
「妾と契約したのならば眷属に足して妾の加護、誇り高き【破滅古竜ノ加護】を授かることができるのじゃ!! これはのう! 凄いのじゃ!! 妾の使うスキルの殆どを使用できる他に炎熱魔法が最強になるのじゃ!!」
つまり、今まで使用した炎熱系のスキルや今回の特訓で使用できることが判明した【煉獄魔王】を含めてこの加護があることでとてつもない威力を生み出すことができたのだろう。
「例えばこんなこともできるのよ……」
不敵な笑みを浮かべながらエリザが俺の右腕を持つと突然かぶりついた。物理攻撃耐性があると言うもののしびれるような痛みが右腕を襲う。
俺は驚いてすぐにエリザの口から右腕を引き放した。
「な!? 急に何を……ってあれ?」
エリザは口元に着いた血をペロリと舐める。
「ご馳走様♡ 今、私は貴方から血を少しだけ奪った……いいえ、貴方が私に血を差し出してくれた。だから、この意味が分かるわよね」
俺の身体に違和感を覚え始める。今までは燃え滾るような情熱を抱いたような心が、冷静で落ち着きがある冷たい心となる。
何かがおかしいと、俺はエリザの玉座付近の氷の結晶の反射を利用して自身の外見を確認した。すると、今までの容姿とは少し異なっていた。
髪の毛先や肌が少しだけ白くなっており、身体に霜がかかっていた。
「何だこれ?」
「ヴィルヘリア、レイクになんでもいいから攻撃して。そして、レイクはその攻撃を防いでみなさい」
「う、うむ、分かったのじゃ!!」
急な話に理解が追いついていないが、ヴィルヘリアは俺に躊躇なく攻撃を行ってきた。
「”炎ノ息吹”!!」
ヴィルヘリアは両腕から燃え盛る火炎を解き放ってきた。俺は慌ててすぐに防御の構えを取る。
「うわっ!!」
俺は咄嗟に顔を背けると、突然巨大な分厚い氷塊が壁となって俺の前にそびえ立ち、炎から身を守ってくれた。
「おお!! レイク凄いぞ!! まるでエリザが作る氷壁の様じゃ!!」
確かに、改めて見てみると特訓の最中に少しだけ使用した氷結魔法の時よりも大きさが増しているように見える。
「これが”氷銀古龍ノ加護”、全てを破壊するヴィルヘリアの力とは裏腹に私はお上品に身を守ることに特化している。だから、貴方は更に丈夫になる。そしておまけにヴィルヘリアよりも氷結系スキルの扱いが上手になるわ。加護はいつでも切り替えられるから。変える方法は強く願うと良いわ」
エリザの言う通り、前の加護に戻るように強く願うと容姿は元に戻っていく。きっと上手く変更できたのだろう。
「加護はいつでも好きな時に変更できるわ。その加護は3日間のご褒美よ。別に勘違いしないでよね、ヴィルヘリアに優しいところが見せたいとかそんなんじゃないんだから」
本当は見せたかったくせに。
でも、確かに体の中に新しい力が入って来たような気がする。これにはエリザに感謝だな。俺はこれでまた強くなった。
《現在ステータス》
name:レイク
称号:破滅古竜の眷属
《(判明済み)所持スキル》
コモンスキル:【威嚇】【風切り】【拘束鎖】【超感覚】
ユニークスキル:【煉獄魔王】【氷乱魔王】
EXスキル:【仁王覇気】【多種結界】【耐性無視】【環境適応】【破壊ノ福音】【悪食】【自動防御】
加護スキル:【破滅古龍ノ加護】【氷銀古龍ノ加護】
竜種固有スキル:【炎ノ息吹】【竜鱗】【竜爪】【竜頭】
魔法:【炎熱魔法:level10】【氷結魔法:level10】【電撃魔法:level5】【風刃魔法:level5】【神聖魔法:level5】【暗黒魔法:level5】
言語スキル:【竜族語】
耐性:【状態異常無効】【物理攻撃耐性】【基本属性耐性】【氷結無効】
《新スキル説明》
・氷乱魔王
煉獄魔王とは対照的に高密度のエネルギーを氷結に変える能力や防御力を上昇させる能力を持つ。以下の能力が使用可能になる。
【自動防御】
身の危険を感じた際、自動的に身を守る”氷壁”が発動する。
【防御力大幅上昇】
”氷壁”や”竜鱗”、”多重結界”などの防御力が大幅に上昇する。
【氷結魔法:level10】
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【氷結系スキルの攻撃力大幅上昇】
氷結系スキルの威力を3倍にする。
【氷結無効】
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