【完結】再会 -最期の時に 最期の場所で-

華景和音

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第1章 日常

弥生神社と国分寺跡

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その日の夕方、3人は弥生神社の境内にいた。

リク「それで、何で神社なんだ?」

ナオ「だって、2年後の今頃はみんな大学生でしょ。お互いに志望校に入って、キラキラした大学生生活を送れるようにお願いするためよ。」

リクはケントの方を見ながら言った。

リク「だって。」

ケント「何?」

リク「要するに、ナオはケントに頑張って欲しいんだよ。」

ケント「オレ?」

リク「ケントがなかなかやる気を出さないから、これを機に頑張れっていることだ。」

ケント「頑張れって言われると、ミクちゃんのことを思い出す。ミクちゃーん。」

そう言ってケントはミクを抱きしめるような仕草をした。リクはケントの言ったこと無視してナオの方を見た。

リク「そうだろ?ナオ。」

ナオ「まあ、それもあるけれど、2人とも幸せになってほしいし、ここに3人で来るのって幼稚園以来じゃん?」

ケント「そうだ。オレ、そんときここでバスケしたわ。オレのバスケ人生の原点はここにある!」

リク「はいはい、将来テレビでケントの特集があったらここに来るようにしような。」

ケント「なぬっ?!」

そう言ってケントは目をキラキラ輝かせながら変顔をした。それを見てリクとナオは笑った。

――

3人は石段を登り始めた。

リク「神社の階段って、何でこう急なんだろうな。」

ケント「リク、運動不足だろ。」

リク「ケント、筋肉バカだろ。」

ナオ「ケント、脳キンだろ。」

3人は笑った。

ケント「お腹すいたな。」

ケントはそう言ってカバンの中からラムネを取り出した。

ナオ「お参りする前にお菓子食べるとか罰当たりじゃない?」

ケント「お賽銭はちゃんと奮発するから大丈夫!」

リク「そういう問題か?」

ケント「うん、そういう問題。」

ナオ「ラムネを我慢できないだけでしょ。」

ケント「バレた?」

リク「でも、今食べちゃったら後で辛くならないか?」

ケント「大丈夫。」

そう言うとケントはバッグの中を見せた。バッグの中にはラムネがたくさん入っていた。

リク「ああ、まあ、それだけあるなら今から食べ始めないとな。」

ケント「だろ!?」

3人はまた笑った。

――

境内に入ると、3人はまず手水舎でお清めをした。ケントが柄杓を使って水をすくったとき、勢い余ってナオの袖に水を飛ばしてしまった。

ナオ「ちょっと、冷たい!」

ケント「ごめん、ごめん。」

ナオ「わざとでしょ!」

ケント「わざとじゃないって!」

するとリクがしたり顔で言った。

リク「じゃあ、神様が清めてくれたことにしておこう。」

ナオ「何それ。上手いこと言ったつもりかもしれないけど、全然上手いこと言えてないから。」

3人はまた笑った。

本殿でのお参りは案外真剣だった。3人はそれぞれ目を閉じて願い事をする。

ナオ(3人とも志望校に合格しますように。)

ケント(3人とも幸せになりますように。)

リク(いつまでもこの4人で楽しくいられますように・・・。)

リクは自然に出て気た4人という言葉に驚いた。

リク(アレ? 3人の間違いだよな・・・。何で4人って思ったんだろう・・・。)

鐘を鳴らし終えた後、ケントは「おみくじ対決しようぜ!」と言った。

3人でおみくじを引くと、結果はバラバラだった。リクは「大凶」だったの対して、ナオは「大吉」、そしてケントは「末吉」だった。ナオとケントはお互いのくじを見せ合った。

ケント「え、ナオ、大吉とかズルい!まあ、オレの末吉もそこそこいいけどさ!」

ケントは悔しそうに言った。それに対してナオは得意げに言った。

ナオ「これが日頃の行いってやつだよ」

ケント「でも、大吉だからって調子に乗ると足元をすくわれるって書いてあるぞ。」

ナオ「どこにー?」

ケント「ここに。」

ケントはナオのくじを指さした。

ナオ「どこー?」

ナオは少し考えて気が付いた。

ナオ「騙したなケント!どこにもそんなこと書いてないじゃない!」

それを見てケントは笑った。隣で固まっているリクに気づいたナオが声をかけた。

ナオ「リクは何だったの?」

リクはナオにくじを渡した。

ナオ「大凶ー!!」

ケント「えー!!大凶なんてあるのー!?お金払って大凶なんてあるのー!?」

リク「大凶、大凶言うな。」

ケント「ある意味ラッキーだよ。オレ、大凶出たの初めて見たわ。」

ケントとナオは笑った。

ナオ「普通、くじに大凶なんて入れる?お金払って大凶って、誰得!?」

またナオとケントは笑った。

リク「オレ、こういうの信じないから。」

ケント「信じないにしては、顔が暗いぞ。」

またケントとナオは笑った。

ナオ「冗談、冗談よ。こんなのサイコロ降るのと同じだから。」

リク「まあな。くじの結果は7種類くらいしかないわけだし。」

ケント「お前、7種類もあるのに大凶引いたの?」

またケントとナオは笑った。

リク「お前ら笑いすぎだろ。」

――

ケント「せっかくだから写真撮ろうぜ!」

そう言ってケントはスマホを取り出した。ナオを中心にして3人で鳥居をバックに自撮りをしようとしたが、どうしてもリクの顔だけが半分切れてしまう。

ナオ「ケントが真ん中で撮ればいいじゃん。」

ケント「いやいや、リクの顔が切れてる方が面白い。」

リク「おい。」

ケントは何度か撮り直して、結局3回目の写真でようやく全員がフレームに収まる1枚が撮れた。ナオとケントはニヤニヤとした顔で写真に納まったが、リクだけは大凶を引きずって浮かない表情だった。

――

3人は弥生神社を後にした。

ケント「いやー、笑い過ぎてお腹がすいた。」

ナオ「私もー!」

ケントとナオはニヤニヤとした顔でリクの顔をまじまじと見た。それに対してリクは言った。

リク「はいはい。楽しんでいただいて何よりです。じゃあ、近くに相模国分寺の跡があるだろ?そこで買ってきたもの食べないか?」

ナオ「何?それ私への当てつけ。」

リク「何が?」

ナオ「国分寺なんて歴史のテストに出てきそうじゃん。」

ケントはナオの言うことに乗っかった。

ケント「あー!当てつけだー!」

リクは笑った。

リク「そっかー。それは好都合だ。そこで歴史のテストの答え合わせでもするか?」

ナオ「あー!嫌な奴っ!」

リク「じゃあ、言い方は悪いけど反省会でもするか?」

ケント「あー!思い出したじゃん。嫌なこと。」

リクは2人を見て笑った。

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