異世界ファンタジーまとめ2【短編集】

テタの工房

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破棄スキル《ハズレ》の逆襲

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廃墟と化した街並みを、成瀬敬一は一人歩いていた。足元には、生々しい血痕がまだ乾ききらないまま残されていた。僅か数日前、彼は親友の翔太と恋人である美咲と共に、異世界へと召喚された。大迷宮攻略という、あまりに無茶な依頼を押し付けられ、反発する暇もなく、彼らは「スキル」という超常的な力を与えられ、迷宮へと放り込まれた。

翔太は火を操る「炎の奔流」、美咲は癒しの魔法「生命の息吹」と、強力なスキルを手に入れた。だが、敬一に与えられたスキルは「ハズレ」だった。何もない、文字通りの無能力。召喚主の冷酷な判断で、役に立たないと見なされた敬一は、迷宮攻略の失敗を理由に、即座に故郷への帰還ゲートへと追放された。

ゲートへと続く通路を歩く敬一。絶望と怒りが胸を締め付ける。仲間を信じて、必死に頑張ったのに。全ては、この無能な「ハズレ」のせいで台無しになった。悔しさ、無念さ、そして、彼らを捨て去った召喚主への激しい憎しみ。

その時だった。ゲートの手前で、彼の体に異変が起きた。激しい頭痛と共に、今まで感じなかった力が、全身を駆け巡る。彼の頭に、今までなかったスキル名が浮かび上がった。「破棄スキル《ハズレ》」。その説明にはこう書かれていた。「全てのスキルを無効化し、所有者の能力を最大限に引き出す。」

「……ハズレって、こんな意味だったのかよ……」

敬一は、自分が「ハズレ」の真の意味を理解した。それは、ただの無能力ではなく、他の全てのスキルを無効化する、究極のスキルだったのだ。まさに、召喚主の傲慢さと無知が、彼に最大の力を与えてしまったのだ。

彼は、追放されたはずのゲートの先で、召喚主の軍勢と遭遇した。圧倒的な数の兵士、そして、強力な魔法使いたち。彼らは、敬一をただの失敗作、ゴミとして見ていた。しかし、敬一は違った。彼は、彼らの傲慢さを、そして、仲間を捨て去った裏切りを、血で洗う覚悟を決めていた。

「ハズレ」の能力は、想像をはるかに超えるものだった。相手のスキルを完全に無効化し、その反動で相手を弱体化させる。まるで、スキルという名の盾を全て破砕し、相手に致命的な一撃を与えることができるのだ。

剣を振るう兵士、魔法を放つ魔術師、全てが敬一の面前で無力化されていく。彼らの攻撃は、まるで水泡のように消え、敬一の反撃は、止めどなく襲いかかる。かつての無力な「ハズレ」は、今や、この世界で最強の力を持つ存在へと変貌を遂げていた。

彼は、かつての仲間を救うため、そして、彼らを裏切った召喚主への復讐のため、迷宮へと再び足を踏み入れた。迷宮の奥深くには、召喚主の真の姿と、この世界の恐るべき真実が待ち受けていた。

翔太と美咲は、召喚主の魔の手によって囚われていた。彼らは、強力なスキルを持つがゆえに、召喚主に利用され、酷使されていた。敬一は、彼らを救出し、そして、召喚主を倒す。その戦いは、壮絶で、残酷で、そして、彼の復讐の思いを全て吐き出すようなものだった。

しかし、その勝利の代償は大きかった。彼は、この世界の未来を守るために、多くの犠牲を払わなければならなかった。そして、彼は、かつての仲間と共に、この異世界で新たな生活を始める。

かつての「ハズレ」は、今はもう過去のもの。彼は、この世界の希望となり、新たな伝説を刻み始めるのであった。その胸には、仲間との絆、そして、復讐を果たした達成感、そして、この世界を守るという強い意志が燃えていた。彼の物語は、終わりではなく、新たな始まりだった。


しかし、その平和は長くは続かなかった。異世界での出来事が、彼の故郷にも影響を及ぼし始め、新たな脅威が彼らを襲いかかることになる。それは、彼らが想像をはるかに超える、巨大な陰謀の始まりであった。敬一の戦いは、まだ終わっていなかったのだ。彼の「ハズレ」の物語は、これからも続いていく。
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