最弱ハンターの引退願望

テタの工房

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第1話

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砂塵が舞い上がる荒野。灼熱の太陽の下、クライはへたり込んだ。汗でびっしょりのシャツは、まるで砂漠の蜃気楼のようにゆらめいている。

「もう無理…こんな危険な仕事やめたい。ゲロ吐きそう…」

クライの呟きは、吹き荒れる風の音に掻き消されそうになる。彼の傍らには、幼馴染のレオンとリリアが立っている。レオンは、両手に巨大な斧を構え、筋肉隆々の腕を誇示するかのようにポーズをとる。リリアは、きらびやかな魔法杖を優雅に構え、どこかうっとりとした表情をしている。

「おう、わかった。つまり俺達が強くなってお前の分まで戦えばいいんだな、いいハンデだ」レオンは、豪快に笑った。

「安心してね、クライちゃん。ちゃんと私達が守ってあげるから」リリアは、優しい笑顔でクライを見つめる。

クライは、二人の言葉に少しだけ安堵を感じた。しかし、同時に疑問が湧き上がった。

「いや、ちょっと待って…ハンデって…?」

レオンとリリアは、クライの言葉に理解を示すどころか、さらに得意げな笑みを浮かべた。

「だって、クライは何もできないじゃないか。俺達がいるからこそ、お前は生きていけるんだ」レオンは、クライの肩を力強く叩いた。

「そうよ、クライ。私たちが最強の盾になるから、安心して宝物殿を探索できるのよ」リリアは、魔法杖の先をクライの顔に近づけた。

クライは、彼らの言葉に衝撃を受けた。確かに、最初の探索では、六人のメンバーの中で、クライだけが何の才能も発揮できなかった。魔法も使えず、戦闘スキルも皆無。唯一の特技は、地図を読むことと、驚くべき勘の良さだけだった。しかし、それは「何もできない」という意味ではない。

「いや、勘違いしないでくれよ!俺は、サポート役として…チームに貢献してるんだ!」クライは、必死に反論した。

「サポート?クライがしたサポートって何だっけ?」レオンは、首を傾げた。

「そうね…あの、あの時、地図を読んだのはクライだったわね…」リリアも、少し考え込む。

「あれは、たまたまだよ!たまたま!」クライは、焦燥感に駆られて声を荒げた。

その頃、彼らが探索している宝物殿は、異様なほど静かだった。静寂は、危険を孕んでいることを示唆しているかのようだった。

「あ、ストップ。そこ踏むと塵一つ残さず消滅しますよ。気をつけて、リーダー?」クライは、反射的に叫んだ。

レオンとリリアは、クライの言葉に耳を傾けず、宝物殿の中心部へと進んでいく。クライは、彼らの後を追いかけるしかない。

しかし、クライの勘は、いつも彼を助けてきた。危険を察知する彼の第六感は、他のハンター達が持ち合わせていない、特別な能力だった。彼は、レオンとリリアが踏もうとしている場所が、古代のトラップであることを知っていた。

「待って!本当に危ない!」クライは、再び叫んだ。

しかし、彼の声は、二人の耳には届かなかった。レオンとリリアは、トラップを踏み、消滅した。

静寂が戻った。クライは、一人残された。

「…え?」

クライは、呆然と立ち尽くした。レオンとリリアは、本当に消滅したのだ。彼らが、最強の盾であり、クライを守っていたはずなのに。

クライは、彼らの死を悼む暇もなく、宝物殿の奥へと進んでいった。彼の勘は、彼を導く。宝物殿の奥には、想像を絶する宝物が眠っていることを、彼は本能的に感じていた。

そして、クライは、その宝物を手に入れた。それは、想像をはるかに超える力を持つ宝具だった。

クライは、その宝具を使って、宝物殿から脱出した。彼は、もはや「最弱ハンター」ではない。彼は、一人で、全ての危険を乗り越え、最強の宝具を手に入れたのだ。

彼の冒険は、これで終わるわけではない。むしろ、新たな冒険の始まりだ。

クライは、静かに呟いた。

「…ハンター、続けるか…」

彼の目は、新たな決意に燃えていた。彼は、もう「やめたい」とは言わなかった。彼は、真の意味で、最強のハンターになったのだ。そして、その強さは、彼自身もまだ知らない、計り知れないものだった。
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