異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

文字の大きさ
108 / 753

破滅の花嫁

しおりを挟む
隣国オルド王国で起きた婚約破棄騒動。王子、リヒャルトが婚約者、エミリアを裏切り、平民の女性と駆け落ちしたというニュースは、瞬く間に大陸中に広まった。

エミリアは、オルド王国の貴族令嬢として、容姿端麗、教養豊かで、完璧な婚約者と謳われていた。なのに、なぜ?

その理由は、リヒャルトの策略だった。平民の女性を愛するあまり、エミリアに罪を着せ、牢獄に突き落としたのだ。

そのエミリアこそ、私の可愛らしい従姉妹だった。

ニュースを聞いた時、私は怒りで震えた。許せない。絶対に許せない。

エミリアは、私の親友でもあり、相談相手でもあった。彼女がどれだけリヒャルトの婚約者として努力してきたか、私は知っている。その努力を踏みにじり、汚名を着せたリヒャルトへの憎しみは、想像をはるかに超えていた。

復讐を誓った矢先、信じられない知らせが届いた。

なんと、オルド王国から、私への婚約の申し出があったのだ。

リヒャルトの父、オルド王からの申し出だった。

「我が息子、リヒャルトの愚行を深くお詫び申し上げます。貴女に、我が国の皇妃として、王位継承者となる王子妃として、お迎えしたいと存じます。」

手紙には、そう書かれていた。

馬鹿にしているのか?

この国が、私の従姉妹を陥れた犯人の国であることを、彼らは知らないのだろうか?それとも、知っていて、あえて私を侮辱しているのだろうか?

彼らの都合の良いように、都合の良い相手を探しているだけだろう。エミリアを捨てたように、私をも簡単に捨てようとしているのだ。

怒りが込み上げてきた。しかし、同時に、ある考えが浮かんだ。

これは、絶好のチャンスだ。

復讐の機会を、彼らは自ら差し出してくれたのだ。

私は、オルド王国の申し出を受け入れることにした。

婚約の宴は、華やかだった。オルド王国の貴族たちは、私を、未来の皇妃として、歓迎してくれた。彼らの笑顔の裏に、嘲笑が隠れていることを、私は知っている。

「エミリア様のご冥福をお祈り申し上げます。」

宴の最中、オルド王国の高貴な令嬢の一人が、私にそう囁いた。

その言葉は、私の心に火をつけた。

宴が進むにつれ、私は、彼らに復讐を始める計画を練り始めた。

まず、エミリアの無実を証明する。証拠を集め、リヒャルトの罪を世に知らしめる。

そして、オルド王国を、内側から崩壊させる。

私の美貌と知略、そして、エミリアの死を糧に。

私は、王宮の陰謀渦巻く世界に足を踏み入れた。

情報を集め、策略を巡らし、少しずつ、オルド王国を蝕んでいった。

王族の不祥事を暴露し、財政を圧迫し、貴族たちの間に対立を煽った。

私の行動は、オルド王国の貴族たちを恐怖に陥れた。

彼らは、私の優雅な笑顔の裏に潜む、冷酷な復讐心を恐れた。

リヒャルトは、平民の女性と幸せに暮らしているらしい。

しかし、その幸せは、私の復讐によって、長くは続かないだろう。

最終的に、オルド王国は滅亡の淵に立たされた。

王族は失脚し、貴族たちは権力を奪われ、国は混乱に陥った。

私は、オルド王国を完全に破壊した。

エミリアの無念を晴らし、私の復讐は、完遂された。

しかし、私の心には、虚しさだけが残った。

復讐は、私を満たすどころか、空虚感だけを残した。

エミリアは、もういない。

私の復讐は、彼女を生き返らせることはできなかった。

それでも、私は、この復讐劇を、決して後悔はしない。

なぜなら、これは、私自身の、生き様だったのだから。

そして、私は、静かに、新たな人生を歩み始めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

タイム連打ってなんだよ(困惑)

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
「リオ、お前をパーティから追放する。お前のようなハズレスキルのザコは足手まといなんだよ」  王都の冒険者ギルドにて、若手冒険者のリオは、リーダーの身勝手な都合によってパーティから追い出されてしまい、同時に後宮では、聖女の降臨や第一王子の婚約破棄などが話題になっていた。  パーティを追放されたリオは、ある日商隊の護衛依頼を受けた際、野盗に襲われる可憐な少女を助けることになるのだが、彼女は第一王子から婚約破棄された上に濡れ衣を着せられて迫害された元公爵令嬢こと、アイリスだった。  アイリスとの出会いから始まる冒険の旅、行く先々で様々な思惑によって爪弾きにされてしまった者達を受け入れていく内に、彼はある決意をする。 「作ろう。誰もが幸せに過ごせる、そんな居場所を」  目指すべき理想、突き動かされる世界、そしてハズレスキル【タイム連打】に隠されたリオの本当の力とは?    ※安心安全安定安泰の四安揃った、ハピエン確定のハズレスキル無双です。 『エ○ーマンが倒せない』は関係ありません。

最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました

チー牛Y
ファンタジー
残業中に倒れた俺が次に目を覚ました時、なぜか異世界で最弱モンスターのスライムになっていた。 完全に詰んだ、戦う力もない。そう思っていた時、俺には一つだけ、とんでもないスキルがあった。 【捕食】 それは、倒した相手を取り込み、能力・スキル・力のすべてを奪うチート能力だった。 ゴブリンを食べれば腕力を獲得。 魔物を食べれば新スキルを習得。 レベルは爆速で上がり、進化は止まらない。 森の魔物を支配し、ダンジョンを制圧し、気づけば俺は魔物たちの王になっていた。 やがてその力は魔王軍すら飲み込み、世界の勢力図を塗り替えていく。 これは―― 最弱スライムから始まる、無限進化の成り上がり無双譚。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...