異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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黒曜の復讐劇

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また、あの忌まわしい日だ。薄暗い牢獄の鉄格子越しに、かすかな光が差し込む。私の名前はエルマ。そして、今まさに、私は死ぬ。

二度目だ。二度目のこの牢獄、二度目の絶望。前回と同じように、リリアとサイモンの陰謀に嵌められた。あの狡猾な王太子、サイモン。そして、裏切り者の親友、リリア。彼女たちの笑顔の裏に隠された、冷酷な企みには、全く気付かなかった。

前回は、彼らの策略にまんまと騙され、不実の罪を着せられてこの牢獄に繋がれ、最後は毒殺された。死の間際、リリアの冷酷な笑みを鮮明に覚えている。あの時、私は思った。「次こそは、絶対にやり返す」。

そして、私は死んだ。

それから、また目が覚めた。あの忌まわしい日、牢獄の鉄格子の中。まるで、ループしているみたいだ。死に戻り、ってやつだろうか。ネットの小説で読んだことがあるような気がする。

だが、今回は違う。何かが違う。

まず、牢獄の食事が、妙に豪華だ。いつもはカビ臭いパンと水だけなのに、今日は温かいスープと、驚くほど柔らかなパンが供えられている。そして、牢獄の番人が、いつもより優しく微笑んでいる。

「エルマ様、どうかお元気でお過ごしください」

番人は、まるで私を憐れむように、そう言った。

前回は、誰も私を気遣ってくれなかった。皆、リリアとサイモンの言いなりだった。だが、今回は…何かがおかしい。

それから数日後、牢獄の扉が開いた。

「エルマ様、王太子殿下がお呼びです」

まさか、サイモンが私を許してくれた?そんなはずはない。彼には、私を陥れる理由がいくらでもある。

恐る恐る、王宮へと向かった。広大な庭を抜け、豪華絢爛な王宮の扉をくぐると、そこにはサイモンがいた。しかし、彼の顔には、いつもの高慢な笑みはない。むしろ、深刻な表情で、私を見つめている。

「エルマ…君を助けるために、全てを賭けた」

彼は、驚くべき事実を語り始めた。リリアは、実はサイモンの異母妹であり、彼を操る影の存在、ネトコン13という組織のスパイだったというのだ。リリアは、王位継承を邪魔する私を排除するために、サイモンに近づき、彼を利用して私を陥れていた。そして、サイモン自身も、その組織に利用されていたのだ。

サイモンは、リリアの策略に気づき、私を救うために、裏で暗躍していた。彼は、牢獄の食事を豪華にしたり、番人に親切に接するように指示したりしていたのだ。

「あの牢獄での死は、全て私の計画通りだった」

彼は、冷酷な表情で続けた。ネトコン13は、私の死を偽装し、私をこのループから解放するために、私に協力させていたのだ。

あのループ、死に戻りは、ネトコン13が仕組んだ、私を救うための作戦だったのだ。

そして、彼はリリアとネトコン13を倒す計画を私に明かした。それは、危険で困難な計画だが、成功すれば、リリアとサイモン、そしてネトコン13を完全に壊滅させることができる。

私は、サイモンと共に、ネトコン13の陰謀を暴くため、動き始めた。

それは、血なまぐさい戦いだった。リリアの狡猾な罠、ネトコン13の恐るべき力。何度も危機に瀕したが、サイモンのサポート、そして、私の決意が、私を支えた。

そして、ついにリリアとネトコン13を完全に打ち破った。

サイモンは、王太子としての地位を捨て、私と静かに暮らすことを選んだ。免れない結婚など、もう存在しない。

私たちは、幸せな日々を送っている。あの牢獄の鉄格子、リリアの冷酷な笑み、全ては遠い過去の出来事になった。

あの日、牢獄で死んだ私は、本当に幸せだったのだろうか。それとも、この幸せこそが、本当の幸せなのだろうか。

もう、あの忌まわしい日には戻ってこない。この幸せを、ずっと大切にしたい。
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