異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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公爵令嬢と王子様の追憶遊戯

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東京の路地裏。冷たい風が、星史郎のボロボロのコートを吹き抜けた。お腹はペコペコ。今日は試食コーナーでパンを3個と、ミニケーキを2個ゲットできた。それでも足りない。明日も麻薬の運び屋だ。

星史郎は、人生に絶望していた。生きる意味なんてない。ただ、麻薬と、少しだけ美味しい食べ物を求めて生きているだけ。

ある日、いつものように麻薬を運んでいると、警察に声をかけられた。逃げようとしたが、捕まるくらいなら…と、持っていた麻薬を全部飲んでしまった。

それから何が起きたのか、よく覚えていない。真っ暗闇の中を漂い、不思議な光に包まれた。そして、白い服を着た、いかにも偉そうな男が現れた。「名もなき審判官」と名乗る男は、星史郎に輪廻転生を宣告した。

「ふざけんなよ!」星史郎は叫んだ。もう二度とこんな人生は嫌だ。

しかし、その瞬間、何かがおかしくなった。審判官の顔が歪み、光が暴走し、星史郎は意識を失った。

気がつくと、柔らかなベッドに寝かされていた。見慣れない天井、豪華な部屋。鏡に映る自分…それは、金色の髪とエメラルドグリーンの瞳を持つ、美しい少女だった。

「ルナリア様、お目覚めですか?」

優しい声がした。振り返ると、上品なメイド服を着た女性が立っていた。リヴェライア・クレセント。ルナリアの専属メイドらしい。

混乱する星史郎、いや、ルナリアは、自分が異世界に、それも公爵家のお嬢様として転生したことを知った。記憶は全て残っていた。東京の路地裏、麻薬、絶望…全て。

10歳になったルナリアは、盛大な晩餐会に招待された。そこで、運命の出会いが待っていた。

それは、美しいドレスを着た、見目麗しい王子様だった。エドワード王子。その王子様は、なんと女装をしていた。

「…男の娘…?」

ルナリアは、驚きを隠せない。しかし、王子様の美しさに、妙な興奮を感じた。男の娘の王子様。これは、今までの人生では考えられない展開だ。

それからというもの、ルナリアはエドワード王子に夢中になった。王子を追いかけ、一緒に冒険をし、時には喧嘩もする。リヴェライアは、いつも二人の後をついて回り、ルナリアの暴走を必死に止めようとする。

エドワード王子は、王位継承権争いに巻き込まれ、危険な目に遭うこともあった。ルナリアは、自分の持っていた知識、そして東京で培ったたくましさを活かし、王子を助けた。

ある日、エドワード王子はルナリアに告白した。「僕は、君が好きだ」

ルナリアは、戸惑った。自分が男であることを隠したまま、王子と恋に落ちることに、罪悪感を感じた。しかし、王子への気持ちは本物だった。

そして、ルナリアは決めた。自分の過去を全て打ち明けることを。

「実は…私は、元は男なの…」

エドワード王子は、驚きながらも、ルナリアを優しく抱きしめた。「それでも、僕は君が好きだ」

二人の恋は、周囲の反対を押し切って、実を結んだ。そして、ルナリアは、異世界で、新たな人生を見つけ、幸せを掴んだ。麻薬と絶望の人生から、一転して、愛と冒険に満ちた人生を。

しかし、ルナリアの物語は、これで終わりではなかった。ある日、ルナリアは、自分が転生した理由、そして、名もなき審判官の真意を知る事になる。それは、想像をはるかに超える、壮大な物語の始まりだったのだ。そして、その物語は、再び、ルナリアとエドワード、そしてリヴェライアを、新たな冒険へと導いていくのだった。
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