異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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最強の落日

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俺はユリウス。元は、魔王を倒した最強の勇者、ユージーンだった。転生したこの世界では、魔力ゼロの「忌み子」扱い。優秀な双子の弟、レオンと比べられ、婚約者であるわがまま王女、リリアにも見向きもされず、毎日散々な目に遭っていたらしい。前世の記憶が戻ったのは、そんなある日のことだった。

正直、二度目のこの人生は、気ままに過ごそうと決めていた。貴族の息子として生まれながら、家からは見捨てられ、屋敷では冷たくあしらわれ、学校では無能扱い。別に構わなかった。前世の記憶が蘇ったことで、この世界が魔法も剣術も衰退した、勇者ユージーンの時代から2000年後の未来だってことがわかったんだ。

でもさ、前世で培った剣術、魔法、回復術、体術…全部、この体に残ってるわけよ。そりゃあ、この世界じゃ、最強クラスだろう。

最初は隠そうとした。目立たずに、静かに暮らそうと。でも、そうはいかないらしい。

ある日、学校でいじめられていた幼馴染の女の子、アリスを助けた。彼女は、レオンに付きまとわれて、困っていたんだ。俺は何も考えずに、レオンを軽く一撃で倒した。その時の衝撃は、周囲を凍りつかせた。魔力ゼロの俺が、あんなに強いなんて、ありえないことだったんだ。

それからというもの、俺は「最強の忌み子」として有名になった。レオンやリリア、そして俺をバカにしていた連中から、嫉妬と恐怖のまなざしを向けられるようになったけど、別に気にしてない。だって、俺には前世の記憶があるんだ。この世界の常識なんて、どうでもいい。

剣術の授業では、先生を軽く超える技を見せつけた。魔法の授業では、衰退した魔法をはるかに凌駕する、かつてない魔法を放った。回復術だって、瀕死の生徒を一瞬で全快させた。体術の授業なんて、相手になるやつがいないくらいだった。

レオンは、俺の強さを目の当たりにして、狂気に染まっていくのがわかった。リリアは、俺に執着し始めた。最初は冷淡だったのに、俺の強さに惹かれたらしい。アリスは、俺を信じ、いつもそばにいてくれる。彼女は、俺の強さではなく、俺自身を好きになってくれたんだ。

ある日、王宮からの刺客が襲ってきた。強力な魔法使いと、凄腕の剣士が二人組で。俺を殺そうとしてきたんだ。当然、余裕で倒したけど。

その事件の後、レオンは完全に俺を敵視するようになった。陰で、俺を陥れようとする企みが始まった。王族や貴族、そして魔法使いギルドが一枚岩となって、俺を排除しようと画策しているのがわかった。

だけど、俺は怖くない。だって、俺は最強の勇者だもの。

レオンと彼の仲間たちは、高度な魔法や剣術で俺を攻撃してきた。しかし、俺の圧倒的な実力の前では、彼らの攻撃は全て無力だった。俺は、まるで神様のような存在として、彼らを圧倒した。

レオンは、絶望と怒りに満ちた顔で、俺に襲いかかってきた。彼の剣は、かつてないほど鋭かった。しかし、俺の剣は、それを上回っていた。一撃で、レオンの剣を砕き、彼を倒した。

リリアは、俺の強さに魅入られ、俺を愛していると告白してきた。だけど、俺は彼女を愛せなかった。彼女は、俺の強さだけを愛していた。俺は、自分を愛してくれる人を求めていたんだ。

最終的に、俺は王族や貴族、そして魔法使いギルドを全て倒した。この世界は、俺の手中に収まった。しかし、俺は王にはならなかった。権力に興味なんてないんだ。俺は、アリスと静かに暮らしたい。

アリスと二人で、森の奥深くにある小さな家に引っ越した。毎日、穏やかな時間を過ごしている。時折、レオンやリリアの噂を耳にするけど、もうどうでもいい。俺は、最強の勇者として、二度目の人生を、自分の好きなように生きている。これが、俺の最強の落日だ。
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