異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

文字の大きさ
428 / 753

シードからの逆襲

しおりを挟む
キセロは、ゲーム『サクリファイス学園』に転生した。正確には、転生させられた。記憶がぶっ飛んで、いきなり学園の教室で目を覚ましたのだ。

幸い、前世の記憶は残っていた。このゲーム、とんでもない仕様だと知っていた。レベルアップは遅いし、装備もしょぼい。プレイヤーは、学園生活とダンジョン攻略を同時に行う必要がある。そして、キセロは、ゲーム開始時に選んだ職業「シード」が、このゲームで最弱の職業だと知っていた。

「シードかよ…」

ため息をつくキセロ。シードは、文字通り種をまく職業。ダンジョンで手に入れた種を育て、そこからアイテムを得る。戦闘能力は皆無に等しい。他の職業は、魔法使い、戦士、盗賊など、ダンジョン攻略に役立つ能力を持っている。シードを選ぶ奴なんて、ほとんどいない。

「みんな、俺をバカにするだろうな…」

キセロは、周囲の生徒たちの視線を感じていた。華麗な魔法を操る魔法使い、巨大な剣を振るう戦士、影のように忍び寄る盗賊。彼らは、最初から強い。一方、キセロは、小さなスコップと、数個の種しか持っていなかった。

「だが、俺は違う。最弱のシードで、最強になる方法を知っている」

キセロは、前世でこのゲームを徹底的に研究していた。攻略サイトを読み漁り、最強プレイヤーの動画を何度も見返した。そして、誰もが気づかなかった「シード」の隠された可能性を見つけたのだ。

それは、「育成」という能力。シードは、他の職業ができないほど、植物を深く理解し、育成できる。そして、その育成能力こそが、最強への道につながる。

キセロは、まず、学園の庭で種をまいた。普通の種では、何もできない。そこでキセロは、ダンジョンで手に入れた、特殊な種を育て始めた。それは、ゲーム内で「伝説の種」と呼ばれ、入手困難な種だった。

毎日、水をやり、肥料を与え、丁寧に育てた。他の生徒たちは、キセロを嘲笑った。

「何やってんだ、あいつは?種を育てて、それで何になるんだ?」

「くだらない。時間無駄にしてるよ」

しかし、キセロは気にしなかった。彼は、自分の計画を実行していた。数週間後、伝説の種は芽を出し、成長を始めた。そして、想像をはるかに超える植物へと成長した。それは、巨大な食虫植物だった。

その植物は、強力な毒液を分泌し、ダンジョンに生息するモンスターを簡単に倒せるほどの力を持っていた。キセロは、その植物を武器として、ダンジョンに挑んだ。

他の生徒たちは、キセロの活躍に驚愕した。最弱のシードが、最強の戦士たちを凌駕する力を見せつけたのだ。

キセロは、その後も、様々な伝説の種を育て、独自の植物軍団を作り上げた。食虫植物、巨大な蔓、毒を吐く花など、多様な植物が、キセロの最強の武器となった。

ダンジョン攻略だけでなく、学園生活でも、キセロは頭角を現した。彼は、育てた植物から得た珍しい素材を使って、様々なアイテムを作り、学園祭で大人気となった。

「シードに就くなんて終わってる」と、かつて言われた言葉は、今では、誰もが羨む称号となった。キセロは、最弱のシードから、学園最強のプレイヤーへと上り詰めた。

彼の成功は、努力と戦略、そして、他の人にはない発想の勝利だった。そして、それは、誰にでもチャンスがあるという、希望の物語でもあった。キセロは、これからも、自分の手で、この世界を塗り替えていくつもりだった。彼の冒険は、まだ終わらない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

タイム連打ってなんだよ(困惑)

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
「リオ、お前をパーティから追放する。お前のようなハズレスキルのザコは足手まといなんだよ」  王都の冒険者ギルドにて、若手冒険者のリオは、リーダーの身勝手な都合によってパーティから追い出されてしまい、同時に後宮では、聖女の降臨や第一王子の婚約破棄などが話題になっていた。  パーティを追放されたリオは、ある日商隊の護衛依頼を受けた際、野盗に襲われる可憐な少女を助けることになるのだが、彼女は第一王子から婚約破棄された上に濡れ衣を着せられて迫害された元公爵令嬢こと、アイリスだった。  アイリスとの出会いから始まる冒険の旅、行く先々で様々な思惑によって爪弾きにされてしまった者達を受け入れていく内に、彼はある決意をする。 「作ろう。誰もが幸せに過ごせる、そんな居場所を」  目指すべき理想、突き動かされる世界、そしてハズレスキル【タイム連打】に隠されたリオの本当の力とは?    ※安心安全安定安泰の四安揃った、ハピエン確定のハズレスキル無双です。 『エ○ーマンが倒せない』は関係ありません。

最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました

チー牛Y
ファンタジー
残業中に倒れた俺が次に目を覚ました時、なぜか異世界で最弱モンスターのスライムになっていた。 完全に詰んだ、戦う力もない。そう思っていた時、俺には一つだけ、とんでもないスキルがあった。 【捕食】 それは、倒した相手を取り込み、能力・スキル・力のすべてを奪うチート能力だった。 ゴブリンを食べれば腕力を獲得。 魔物を食べれば新スキルを習得。 レベルは爆速で上がり、進化は止まらない。 森の魔物を支配し、ダンジョンを制圧し、気づけば俺は魔物たちの王になっていた。 やがてその力は魔王軍すら飲み込み、世界の勢力図を塗り替えていく。 これは―― 最弱スライムから始まる、無限進化の成り上がり無双譚。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...