異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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勇者様のお嫁さんになる方法

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夕焼けが空を燃やすように赤く染まっていた。ララは、地面に倒れたまま、かすかに震える手で、胸に突き刺さった木の破片を引き抜いた。鋭い痛みが脳天を貫く。それでも、彼女は笑っていた。だって、目の前には、あの憧れの勇者、レオンが立っているのだから。

「大丈夫ですか?」

レオンは、心配そうにララに声をかけた。彼の瞳は、夕焼けと同じくらい鮮やかな赤色をしていた。ララは、その瞳を見つめながら、心臓が爆発しそうになるのを必死に抑えた。まさに、運命の出会い!

「はい…!あの…ありがとうございます!」

ララは、必死に言葉を紡いだ。さっきまで、巨大なオークに襲われて、絶体絶命のピンチだった。まさに、死ぬかと思った。なのに、レオンが現れ、一撃でオークを倒してくれたのだ。

「お前を、俺の弟子にする。」

レオンの言葉は、ララの期待とは全く違っていた。

「え…?」

ララは、言葉を失った。勇者の弟子? 確かに、憧れのレオンと一緒にいられるのは嬉しい。でも、彼女の夢は、勇者の嫁になることだったのに。

「ちょっとまってください! 私の夢は勇者ではなく、勇者のお嫁さんになる事なのですが?」

ララは、必死に自分の夢を訴えた。しかし、レオンの返答は、冷たかった。

「俺は、嫁をとるつもりはない。」

希望の光が、一瞬にして消え去った。ララは、絶望の淵に突き落とされた。

しかし、ララは諦めなかった。レオンの弟子になれば、いつも一緒にいられる。毎日顔を合わせ、料理を作って、少しずつ心を解きほぐしていけば、きっと、いつか、レオンの心を掴むことができるはずだ。

それから、ララの修行が始まった。レオンは、厳しい師匠だった。剣の訓練は、想像をはるかに超える激しさだった。何度、倒れそうになったことか。魔法の訓練も、容易ではなかった。呪文を唱える度に、頭が痛くなった。それでも、ララは頑張った。レオンの笑顔を見たい一心で。

修行の傍ら、ララは料理の腕を磨いた。レオンの好みに合う料理を研究し、毎日、様々な料理を作っては、レオンに食べてもらった。最初は、レオンは無表情で食べていたが、だんだん、表情が柔らかくなっていくのが分かった。

ある日、ララが作った特製シチューをレオンが食べた後、初めて笑顔を見せてくれた。

「…美味い。」

その一言に、ララは、涙がこぼれそうになった。

それから、数年が過ぎた。ララは、レオンの弟子として、数々の戦いを経験し、立派な剣士になった。そして、レオンは、最強の勇者として、世界を救い続けた。

ある日、世界に終焉の危機が訪れた。最強の魔女、ゼリアが、世界を滅ぼそうとしていたのだ。レオンは、ゼリアを倒すために、一人で戦いに赴こうとした。

「待ってください!」

ララは、レオンの前に立ちふさがった。

「私にも、戦わせてください!」

ララは、剣を構え、レオンと共にゼリアに立ち向かった。二人は、互いに協力し、力を合わせて戦った。

激しい戦いの末、レオンはゼリアを倒した。しかし、レオンは、重傷を負っていた。

「レオン!」

ララは、レオンを抱きしめた。

「ララ…お前は…素晴らしい剣士になったな…」

レオンは、かすかに笑った。

「レオン…私…あなたの嫁になってもいいですか?」

ララの言葉に、レオンは、静かに目を閉じた。そして、ゆっくりと、ララの唇にキスをした。

それから、二人は結婚した。幸せな日々が始まった。そして、子供も生まれた。ララは、世界一の幸せなお嫁さんになったのだ。しかし、それは、彼女が勇者として、世界を救ったからこそ得られた幸せだった。


エピローグ

数十年後。ララとレオンの子供、リリアは、母と同じく、勇者の弟子として、剣の修行に励んでいた。リリアは、レオンに似た、力強く美しい瞳をしていた。そして、彼女は、いつか、世界を救う勇者になることを夢見ていた。ララは、そんなリリアを優しく見守っていた。幸せな家族の物語は、これからも続いていく。
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