異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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夕焼けと少年の温もり

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メアリーは、夕焼け空の下でぼろぼろに泣いていた。

「真実の愛に目覚めた」だなんて、一体どういうこと?  あの冷たい、金色の瞳の男、父はそう言って、あっさりメアリーを捨てた。  家も、お金も、友達も、全て奪われた。  残されたのは、ボロボロのワンピースと、空腹と、どうしようもない絶望だけだった。

「真実の愛……?」  メアリーは地面に転がる小石を蹴飛ばした。  真実の愛って、こんな風に路頭に迷って、お腹が空いて、寒くて震えることなのか?  そんな愛、いらない。

何日もさまよった。  食べるものもなければ、寝る場所もない。  人々は、汚れた服を着たメアリーを避けるようにして通り過ぎていった。  もう、限界だと思ったその時、背後から鋭い刃物が飛んできた。

「きゃっ!」

メアリーは悲鳴を上げて倒れ込んだ。  目の前には、男が立っていた。  男は、鋭い眼光でメアリーを見下ろし、口元を歪ませた。  絶望が、メアリーの心を覆いつくした。  これは、終わりだ。

その時、一人の男が走り込んできた。  それは、街の警邏隊、レオだった。  レオは、驚くほどの速さで男を制圧し、メアリーを助けてくれた。

レオは、メアリーに温かい毛布と、パンとミルクを差し出した。  メアリーは、震える手でパンを受け取った。  温かい食べ物は、冷え切った体に染み渡った。

「大丈夫ですか?」  レオの優しい声が、メアリーの心を温めた。  彼の目は、金色の瞳とは全く違う、穏やかな茶色だった。

メアリーは、レオの優しさに涙が止まらなかった。  誰にも相手にされなかった自分が、こんなにも優しくしてもらえるなんて。  レオは、メアリーを自分の家に連れて行ってくれた。  温かいベッドで眠りについたメアリーは、久しぶりに安らかな眠りにつけた。

次の日、レオはメアリーに仕事を見つけてくれた。  小さな食堂での洗い物だった。  給料は少なかったけれど、自分でお金を稼げることに、メアリーは喜びを感じた。  レオは、いつもメアリーのことを気にかけてくれた。  仕事が終わると、一緒に夕飯を食べたり、街を散歩したりした。

レオは、メアリーに自分の過去を話してくれた。  彼は、貧しい家庭で育ち、辛い経験をたくさんしてきたという。  それでも、彼は前向きに生きてきた。  彼の言葉は、メアリーの心に勇気を与えてくれた。

メアリーは、レオに惹かれていった。  彼の優しさ、強さ、そして、何よりも彼の温かい笑顔に。  それは、父とは全く違う、本当の温もりだった。

ある日、レオはメアリーに告白した。

「メアリー、僕と付き合ってください」

メアリーは、言葉が出なかった。  レオの真剣な瞳を見つめ、メアリーは自分の気持ちに気づいた。  レオへの愛は、父への憎しみとは全く違う、純粋な愛だった。  それは、本当の「真実の愛」だったのかもしれない。

メアリーは、レオの腕に飛び込んだ。

「はい」

それから、メアリーとレオは幸せに暮らした。  小さな食堂で働きながら、少しずつ貯金をして、いつか自分の店を持つのが夢だった。  レオは、いつもメアリーを支えてくれた。  夕焼け空の下、二人は手をつないで歩いた。  メアリーの心には、もう絶望などなかった。  そこには、レオの温もりと、未来への希望だけがあった。  あの日、路頭に迷っていた時、レオに出会わなかったら、メアリーはどうなっていただろうか。  想像もつかない。  レオは、メアリーの人生を救ってくれたのだ。

そして、メアリーは、自分の「真実の愛」を見つけたのだった。  それは、金色の瞳の男ではなく、優しい茶色の瞳の男、レオだった。  あの日、夕焼け空の下で泣いていた少女は、今では幸せな笑顔で、レオと未来に向かって歩んでいる。  それは、メアリーが自分自身で掴んだ、本当の幸せだった。
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