異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

文字の大きさ
610 / 753

鬼神侍の異世界楽園

しおりを挟む
天神鬼右衛門、と人は呼んだ。生前は、血に染まった刀を振り回し、万の兵を血祭りに上げた男。鬼神と恐れられたその男が、目を覚ますと、そこは桃源郷のような、それでいてどこか奇妙な世界だった。

空は、七色の虹が幾重にも重なり、雲は綿菓子のようにふわふわと漂っていた。地面には、見たことのない宝石のような花々が咲き乱れ、甘い香りが風に乗って運ばれてくる。鳥たちは、羽根が虹色に輝き、さえずりはまるで魔法の歌のようだった。

しかし、この美しい世界にも、危険は潜んでいた。

最初に鬼右衛門が遭遇したのは、巨大な蜂だった。羽根はまるで黒曜石のように黒く、針は鋭く光っていた。普通の蜂なら一振りで終わりだが、この蜂は違う。魔法のような力で、鬼右衛門の刀をはじき返したのだ。

慌てて回避する鬼右衛門。しかし、この世界では、刀は役に立たないのかもしれない。そう悟った鬼右衛門は、咄嗟に地面に転がっていた奇妙な石を拾い上げた。その石は、手に持った途端、温かい光を放ち始めた。そして、鬼右衛門の心に、石の使い方を教える声が響いた。

「これは、魔法の石だ。心を込めて願えば、どんな願いも叶えてくれる。」

半信半疑ながらも、鬼右衛門は石に願いを込めた。「この蜂を倒したい!」

すると、石から光が放たれ、蜂は一瞬にして灰になった。

それからというもの、鬼右衛門は魔法の石を使って、この異世界を冒険し始めた。出会う人々は、皆魔法を使いこなし、鬼右衛門も魔法の使い手として成長していった。

美しいエルフの女性、リリア。彼女は、魔法の杖を巧みに操り、森の精霊たちと会話できる不思議な力を持っていた。

勇ましいドワーフの男、ボルグ。彼は、大地を揺るがすほどの強力な魔法を使い、鬼右衛門の頼もしい仲間となった。

そして、気まぐれな妖精、ティナ。彼女は、いたずら好きだが、心優しく、鬼右衛門を時に助け、時に困らせる存在だった。

彼らは、共に冒険を続け、様々な困難を乗り越えていった。巨大な魔物との戦い、魔法使いとの死闘、そして、この世界の謎を解き明かす旅。

ある日、彼らは、この世界の創造主であるという、古代の竜に出会った。竜は、鬼右衛門たちに、この世界の危機を語った。

「この世界は、闇の力によって滅ぼされようとしている。それを阻止できるのは、あなたたちだけだ。」

鬼右衛門たちは、竜の言葉に従い、闇の力に立ち向かうことを決意した。

激しい戦いが続いた。鬼右衛門は、魔法の石と、生前の武技を駆使して、闇の勢力と戦い続けた。仲間たちとの連携も完璧になり、鬼右衛門たちは、次々と敵を倒していった。

そして、ついに、闇の王との最終決戦の日が来た。闇の王は、恐ろしい魔力を持つ、巨大な魔物だった。

激しい魔法の応酬が続く中、鬼右衛門は、魔法の石に全ての力を込めた。「この闇を消し去りたい!」

石から放たれた光は、闇の王を包み込み、消滅させた。

こうして、世界は救われた。鬼右衛門たちは、英雄として称えられ、平和な日々を送ることになった。

リリア、ボルグ、ティナ、そして鬼右衛門。彼らは、異世界で出会った家族となり、いつまでも幸せに暮らした。鬼右衛門は、生前の血塗られた過去を忘れ、この異世界で、新たな人生を手に入れたのだ。  美しい虹色の空の下で、彼らの人生は、永遠に続いていく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

タイム連打ってなんだよ(困惑)

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
「リオ、お前をパーティから追放する。お前のようなハズレスキルのザコは足手まといなんだよ」  王都の冒険者ギルドにて、若手冒険者のリオは、リーダーの身勝手な都合によってパーティから追い出されてしまい、同時に後宮では、聖女の降臨や第一王子の婚約破棄などが話題になっていた。  パーティを追放されたリオは、ある日商隊の護衛依頼を受けた際、野盗に襲われる可憐な少女を助けることになるのだが、彼女は第一王子から婚約破棄された上に濡れ衣を着せられて迫害された元公爵令嬢こと、アイリスだった。  アイリスとの出会いから始まる冒険の旅、行く先々で様々な思惑によって爪弾きにされてしまった者達を受け入れていく内に、彼はある決意をする。 「作ろう。誰もが幸せに過ごせる、そんな居場所を」  目指すべき理想、突き動かされる世界、そしてハズレスキル【タイム連打】に隠されたリオの本当の力とは?    ※安心安全安定安泰の四安揃った、ハピエン確定のハズレスキル無双です。 『エ○ーマンが倒せない』は関係ありません。

最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました

チー牛Y
ファンタジー
残業中に倒れた俺が次に目を覚ました時、なぜか異世界で最弱モンスターのスライムになっていた。 完全に詰んだ、戦う力もない。そう思っていた時、俺には一つだけ、とんでもないスキルがあった。 【捕食】 それは、倒した相手を取り込み、能力・スキル・力のすべてを奪うチート能力だった。 ゴブリンを食べれば腕力を獲得。 魔物を食べれば新スキルを習得。 レベルは爆速で上がり、進化は止まらない。 森の魔物を支配し、ダンジョンを制圧し、気づけば俺は魔物たちの王になっていた。 やがてその力は魔王軍すら飲み込み、世界の勢力図を塗り替えていく。 これは―― 最弱スライムから始まる、無限進化の成り上がり無双譚。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...