異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

文字の大きさ
636 / 753

異世界の調律者

しおりを挟む
レオは普通の冒険者だった。いや、普通より少しだけ魔法が上手かったかもしれない。ギルドに登録し、ダンジョンに潜り、依頼をこなす。仲間と酒を酌み交わし、時には喧嘩もする。そんな毎日を送っていた。

レオの魔法は、正直言ってチートだった。レベルが上がると、どんどん強くなる。最初は小さな火球程度だった魔法も、今では大陸を焼き尽くせるほどの威力になった。なのに、レオはそれを隠していた。周りの冒険者と差をつけすぎるのが嫌だったからだ。

ある日、レオは深層ダンジョンで、不思議な石版を見つけた。石版には、奇妙な文字が刻まれていた。最初は意味が分からなかったが、レオが石版に触れた瞬間、彼の頭の中に、無数の情報が流れ込んできた。

それは、この世界の未来、そしてあらゆる可能性だった。レオは、この世界が辿るはずだった歴史、そして、その歴史が分岐した無数の未来を、全て知ってしまったのだ。まるで、世界のシナリオを全て読み終えたような感覚だった。

驚きはしたが、レオは動揺しなかった。彼は、冷静に状況を分析した。そして、あることに気づいた。この世界は、彼の行動によって、大きく変わってしまう可能性がある、と。

レオは、自分自身で世界の未来を書き換えることができる存在だと悟った。まるで、神のような力を持っていたのだ。

しかし、レオは神になるつもりはなかった。彼は、ただ、自分の好きなように生きようと思った。

レオは、ギルドで出会った仲間たちと、いつものようにダンジョンに潜った。しかし、彼の行動は、少しずつ、世界を変え始めていた。

例えば、本来滅びるはずだった国を救ったり、強力な魔物を倒したり。レオは、まるで影のように、世界を操っていた。

そして、レオは、自分だけの秘密の居城を築いた。それは、空に浮かぶ壮大な城、天空城だった。そこに、レオは、彼に忠実な部下たちを集めた。

その部下たちは、それぞれが強力な存在だった。吸血鬼の女王、不死身の騎士、炎を操る鳳凰、そして、レオの相棒である、賢くて可愛い猫、ミケ。

レオは、天空城を拠点に、暗躍を始めた。世界の裏側で、彼は、自分の望む未来を、着実に作り上げていった。

レオは、自分のことを「黒の王」と呼んだ。それは、彼の影のような存在、そして、世界を操る彼の力を象徴する名前だった。

レオの行動は、歴史の流れを大きく変えた。本来の歴史とは全く異なる未来が、レオの手によって創造されていた。

ある日、レオは、かつての仲間たちと再会した。彼らは、レオの変化に驚き、そして、畏怖の念を抱いた。

「レオ…お前は一体…何者なんだ?」

仲間の一人が、震える声で尋ねた。

レオは、静かに答えた。

「俺は…ただの冒険者だよ」

レオは、嘘をついていたわけではない。彼は、確かに、普通の冒険者としてギルドに登録し、ダンジョンに潜り、依頼をこなしていた。しかし、彼は、同時に、「黒の王」として、世界を操る存在でもあったのだ。

レオは、これからも、普通の冒険者として、そして、「黒の王」として、この世界を生きていくつもりだった。彼の冒険は、まだ、終わらない。世界の運命は、彼の手に委ねられていた。

そして、ミケはレオの肩にすり寄り、小さく鳴いた。まるで、レオの選択を、そして、未来を祝福するかのように。レオはミケを優しく撫で、静かに空を見上げた。天空城は、夜空に美しく輝いていた。レオの物語は、これからも続いていく。  それは、普通とは程遠い、しかし、彼にとって、かけがえのない、特別な物語だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

タイム連打ってなんだよ(困惑)

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
「リオ、お前をパーティから追放する。お前のようなハズレスキルのザコは足手まといなんだよ」  王都の冒険者ギルドにて、若手冒険者のリオは、リーダーの身勝手な都合によってパーティから追い出されてしまい、同時に後宮では、聖女の降臨や第一王子の婚約破棄などが話題になっていた。  パーティを追放されたリオは、ある日商隊の護衛依頼を受けた際、野盗に襲われる可憐な少女を助けることになるのだが、彼女は第一王子から婚約破棄された上に濡れ衣を着せられて迫害された元公爵令嬢こと、アイリスだった。  アイリスとの出会いから始まる冒険の旅、行く先々で様々な思惑によって爪弾きにされてしまった者達を受け入れていく内に、彼はある決意をする。 「作ろう。誰もが幸せに過ごせる、そんな居場所を」  目指すべき理想、突き動かされる世界、そしてハズレスキル【タイム連打】に隠されたリオの本当の力とは?    ※安心安全安定安泰の四安揃った、ハピエン確定のハズレスキル無双です。 『エ○ーマンが倒せない』は関係ありません。

最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました

チー牛Y
ファンタジー
残業中に倒れた俺が次に目を覚ました時、なぜか異世界で最弱モンスターのスライムになっていた。 完全に詰んだ、戦う力もない。そう思っていた時、俺には一つだけ、とんでもないスキルがあった。 【捕食】 それは、倒した相手を取り込み、能力・スキル・力のすべてを奪うチート能力だった。 ゴブリンを食べれば腕力を獲得。 魔物を食べれば新スキルを習得。 レベルは爆速で上がり、進化は止まらない。 森の魔物を支配し、ダンジョンを制圧し、気づけば俺は魔物たちの王になっていた。 やがてその力は魔王軍すら飲み込み、世界の勢力図を塗り替えていく。 これは―― 最弱スライムから始まる、無限進化の成り上がり無双譚。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...