異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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不滅の荷物持ち

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リュックは、七つのダンジョンを攻略すればどんな願いでも叶うという伝説の島「アヴァロン」にいた。けれど、リュックは冒険者ではなかった。彼は、万年レベル1の荷物持ちだった。

背中には、巨大なリュックサック。中には、冒険者たちの武器、食料、テント、薬、はては、替えの下着まで、ありとあらゆる荷物が詰め込まれていた。リュックの仕事は、それらを安全に目的地まで運ぶこと。報酬は雀の涙ほどだったが、真面目で働き者なリュックは、いつも笑顔で荷物を運んでいた。

リュックが荷物持ちになったのは、ある事件がきっかけだった。両親を亡くし、孤児となったリュックは、アヴァロンに流れ着いた。そこで出会ったのが、謎の女神、アテナだった。アテナはリュックに、唯一無二の究極スキル「収納無限」を授けた。リュックサックの容量は無限大。どんなに重い荷物でも、どんなに多くの荷物でも、すべて収納できるのだ。

「このスキルで、多くの人を助けなさい」

アテナの言葉に従い、リュックは荷物持ちとして生きてきた。冒険者たちは、リュックのスキルと真面目さを信頼し、彼を頼りにした。リュックは、彼らの成功を陰で支える存在だった。だが、リュックの心には、秘めたる野望があった。いつか、自分自身でダンジョンを攻略し、願いを叶えたいと。

ある日、リュックは、最強の冒険者パーティ「ブラッド・レイヴンズ」の荷物を運んでいた。彼らは、アヴァロンで最も危険なダンジョン「黒曜の塔」攻略を目指していた。黒曜の塔は、魔物だけでなく、数々の罠や謎解きが待ち受ける、死のダンジョンだった。

ブラッド・レイヴンズは、塔の入り口で苦戦していた。強力な魔物「ガーゴイル」が、彼らを襲っていたのだ。ガーゴイルの鋭い爪と牙は、冒険者たちの防具を容易く貫き、血しぶきが飛び散った。

リュックは、恐怖に震えながらも、彼らの荷物を守ろうと必死に抵抗した。その時、リュックは閃いた。自分のスキル「収納無限」を、戦闘に使う方法を。

リュックは、リュックサックから巨大な岩を無数に取り出した。それは、ダンジョンの外から持ち込んだものだった。リュックは、それらをガーゴイルめがけて投げつけた。岩はガーゴイルに直撃し、粉々に砕けた。ガーゴイルは、予想外の攻撃に驚き、動きを止めた。

その隙に、ブラッド・レイヴンズは反撃を開始した。リュックの奇策のおかげで、彼らはガーゴイルを撃退することに成功した。

この出来事が、リュックの人生を大きく変えた。リュックは、自分のスキルを戦闘に活用することで、レベルアップできることに気づいたのだ。

その後、リュックは、様々なダンジョンを攻略しながら、着実にレベルアップしていった。「収納無限」は、戦闘では武器や防具、食料を瞬時に取り出す、移動では、足場の悪い場所を瞬時に移動する足場として、そして、様々な罠を回避する手段としても活用した。

リュックの戦いは、想像を絶するものであった。リュックサックから取り出した巨大な岩、燃え盛る炎、凍える氷、そして、無数の武器。リュックの戦いは、まるで、一人で軍隊を率いているかのようだった。

残酷な戦闘を繰り返し、リュックはレベル2、レベル3と、どんどんレベルが上がっていった。リュックの活躍は、アヴァロン中に知れ渡り、彼は「収納のリュック」という異名で呼ばれるようになった。

そして、ついにリュックは、七つのダンジョンの最終ダンジョン「天界の門」に挑むことになった。そこは、神々が住まうと言われる、最強のダンジョンだった。

激しい戦闘の末、リュックは、天界の門のボス、邪神を倒した。リュックのリュックサックからは、あらゆる武器、魔法、そして、リュック自身の驚くべき戦闘能力が炸裂した。

リュックは、アテナに約束した願いを叶えることになった。リュックは、アテナに「もう荷物持ちをしないで済むように」と願った。

アテナは微笑みながら言った。「あなたの願いは、すでに叶えられています」

リュックは、最強の冒険者として、アヴァロンに名を刻んだ。彼の冒険は、書籍化され、コミカライズもされた。そして、リュックは、永遠に語り継がれる伝説となった。
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