異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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魔王の婿はゲス勇者より可愛い

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俺、けんたろう、16歳。ごく普通の高校生だった。いや、普通どころか、地味で目立たない、完全に空気みたいな存在だった。そんな俺の人生が、ある日突然、とんでもない方向に転がり始めた。

それは放課後、いつものように帰り道を歩いていた時だった。突然、眩い光が俺を包み込み、気が付いたら、そこは見たこともない異世界だった。

周囲を見回すと、そこはまるで中世ヨーロッパみたいな街並み。石畳の道には馬車が行き交い、建物は古びていて、空には不気味なほど大きな月が輝いていた。

「……ここはどこだよ!?」

俺の声は、空に吸い込まれるように消えた。その時、背後から、甲高い声が聞こえた。

「あらあら、珍しいわね。こんなところに人間が迷い込むなんて」

振り返ると、そこに立っていたのは、とんでもなく可愛い女の子だった。黒髪ロングヘア、赤い瞳、白い肌……まるでアニメから飛び出してきたみたい。だけど、その可愛らしさとは裏腹に、彼女の手には、禍々しいオーラを放つ巨大な魔剣が握られていた。

「あんた、誰?」

「あたしはディアボル=ネーメシア=アークトリウス=イレイザ=ヴァルハラ=トラジディア十三世。この世界の魔王よ」

魔王!? 冗談でしょ?って思ったけど、目の前の女の子は明らかに本気だった。しかも、その名前、長すぎだろ!

それからというもの、俺は魔王の城に拉致され、なんと魔王の婿にさせられることになった。魔王様は、見た目とは裏腹に、超ドジで天然ボケ。俺のことは「けんちゃん」と呼び、毎日毎日、可愛い仕草とドジで俺を翻弄する。

魔王城での生活は、想像をはるかに超えるカオスだった。魔王軍の幹部たちは、個性豊かな面々。ハドうーという総司令官は、会議ではいつもグダグダなのに、現場では最強の力を発揮する頼もしい男。不死軍団長のバルドは、人間を恨んでいるくせに、なぜか俺には妙に懐いている。極竜軍団長のザイオスは、伝説の竜の剣士なのに、息子と生き別れていて、しょっちゅう息子を探している。魔術軍団長のネフェリウスは、悪知恵が得意なのに、肝心なところでいつも失敗する。動物モンスター軍団長のクロコダイノレは、見た目とは裏腹に、気遣い屋さんの優しい男だった。そして、ハドうーが禁呪で生み出した、右半身が炎、左半身が氷の魔人、ファイアイスは、常に「ヒャッハー!」と叫びながら暴れまわるヤベーやつ。財務担当のアグナスは頭が良くて、ディアンダルも頭が良くて、リリスは……全裸で目のやり場に困るサキュバスだった。

魔王城は、毎日がドタバタ劇。魔王様のドジ、幹部たちの個性、そして、予想外の出来事が次々と起こる。

ある日、俺は魔王軍の会議に呼ばれた。議題は、ゲス勇者と呼ばれる女勇者、リリア・セレナ・フェルミナの討伐だった。そのリリィは、神から加護を受けて最強の力を持つらしいが、中身はゲス中のゲスで、魔王様よりもヤバい存在らしい。

「あのゲス勇者、絶対に許さないわ!」

魔王様は、激昂しながら、リリィの悪行をまくし立てた。リリィは、無意味な殺戮を繰り返すだけでなく、魔王軍の財宝を盗んだり、幹部を騙したり、とにかくゲスいことを繰り返すらしい。

「けんちゃん、お願い!リリィを倒して!」

魔王様の頼みは、断れなかった。俺だって、ゲス勇者には腹が立つ。それに、魔王様の可愛い顔を見ていると、何でもしてあげたくなる。

こうして、俺は、ゲス勇者退治という、とんでもない冒険に巻き込まれていくことになった。魔王軍の面々、そして、ゲス勇者たちとの出会いと別れ、そして、予想外の展開が俺を待ち受けていた。

魔王様との甘い時間、魔王軍との騒動、そして、ゲス勇者との壮絶なバトル。俺の異世界生活は、予想外の展開で、毎日がジェットコースターみたいだった。でも、それは、俺にとって、最高の思い出になった。だって、魔王様は可愛かったし、魔王軍は最高に面白くて、ゲス勇者との戦いは、想像以上にスリリングだったから。

そして、最終的に、俺はゲス勇者を倒し、魔王様と幸せに暮らすことができた。もちろん、魔王城でのドタバタ劇は、これからもずっと続くんだろうけど。  それはそれで、楽しいんだ。だって、俺には、世界一可愛い魔王様が、いるんだから。
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