異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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ブラウナー家の兄と、運命の剣

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薄暗い空の下、埃っぽい石畳の道を行く。僕の名前は、リナ。いや、今はフェデリック・ブラウナーだ。そう、あの『FREAKS』の、あの……主人公の兄貴の、フェデリックだ。

なんでこんなことになってるかって?  昨日、漫画にブチ切れて机を殴ったら、ハサミが飛んできて脳みそに刺さったんだ。気がついたら、この世界。男の体になってた。しかも、貴族の息子だって。

貴族って聞いて、キラキラした王子様生活を想像した?  全然違うよ。まず、頭痛が酷い。漫画のフェデリックと同じで、ズキズキする。それに、この世界の貴族って、めちゃくちゃ気難しい。特に父さん。常に不機嫌で、僕を睨みつけてくる。まるで、僕が何か悪いことをしたかのように。

「フェデリック!またぼーっとしているのか!礼儀作法の訓練を怠るな!」

父さんの怒鳴り声が響き渡る。僕、剣の訓練とか全然ダメなんだ。下手くそすぎて、先生も呆れてる。魔法も同様。詠唱が覚えられないし、魔法の力が全然出ない。

唯一得意なのは、漫画で培ったBL知識だけだ。この世界にも、イケメンはたくさんいる。キラキラ王子様タイプとか、クールな騎士タイプとか、ツンデレタイプとか。でも、そんな彼らに近づく勇気なんてないよ。だって、僕は元は女の子だったんだ。

ある日、城の庭園で一人、頭痛を抱えてうずくまっていた。すると、そこに一人の青年が現れた。銀色の髪が風に揺れ、青い瞳は澄み渡っていた。彼は、アランという名の騎士だった。

「大丈夫ですか?」

アランは、優しく僕に声をかけた。彼の声は、まるで春の風のように心地よかった。僕は、思わず自分の弱さをさらけ出した。

「頭痛が…酷くて…」

アランは、何も言わずに僕のそばに腰を下ろした。静かに、僕の頭を優しく撫でてくれた。その温もりは、まるで、母の手のようだった。

「あなたは、とても繊細な方ですね」

アランは、静かに言った。彼の言葉は、僕の心を温かく包み込んだ。誰にも理解されなかった僕の痛みを、彼は理解してくれた。

それからというもの、アランは僕のそばにいてくれた。剣の訓練を手伝ってくれ、魔法の練習にも付き合ってくれた。彼の指導は厳しかったけれど、いつも優しさに満ちていた。

アランは、僕を特別扱いするわけではなかった。しかし、彼のさりげない優しさは、僕の心を満たしてくれた。僕は、初めて、この世界で「生きている」と感じることができた。

ある日、アランは僕に、特別な剣をプレゼントしてくれた。それは、古代の魔法が込められた、美しい剣だった。

「これは、あなたの力になるでしょう」

アランは、そう言って微笑んだ。その笑顔に、僕は心を奪われた。

その剣を手にした時、僕は不思議な力を感じた。それは、僕の体の中にある、もう一つの「自分」の力だった。まるで、元の世界の僕の、強さや勇気が、この剣を通して現れたかのようだった。

それからというもの、僕は剣の訓練に励んだ。アランの指導と、僕の努力、そしてその剣の力によって、僕はみるみるうちに強くなっていった。

そして、ある日、大きな戦いが勃発した。敵は、強大な魔力を持つ魔物だった。僕は、アランと共に戦場へと向かった。

戦いは激しかった。しかし、僕は、アランと共に戦い、多くの敵を倒した。アランは、僕の盾となり、僕は、アランを守った。

戦いの最中、僕はアランの腕の中で倒れた。激しい頭痛に襲われ、意識が薄れていく。

「フェデリック…」

アランの声が、かすかに聞こえた。

「大丈夫…だよ…」

僕は、アランの温もりを感じながら、意識を失った。

目を覚ますと、アランが僕のそばにいた。僕は、彼の胸に抱きしめられていた。

「よかった…」

アランは、僕の頭を優しく撫でた。

「僕は…君を…守る…」

アランの言葉が、僕の心を満たした。

僕は、この世界で、大切な人を見つけた。そして、僕は、もう一人じゃない。

この世界での人生は、まだ始まったばかりだ。アランと、共に。
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