異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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五年前の約束

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ハルトは、婚約者の清佳の手料理を頬張りながら、幸せをかみしめていた。温かい味噌汁、ふっくらと炊けたご飯、そして清佳特製のきんぴらごぼう。この穏やかな村で、愛する人と過ごす日々は、まさに絵に描いたような幸せだった。

「ハルト、もっと食べてよ」

清佳の優しい声が、ハルトの心を満たす。二人は五年後の結婚を約束し、小さな家を建て、ささやかながらも幸せな生活を送っていた。将来の設計図を語り合う時間は、ハルトにとって最高の時間だった。

しかし、その幸せは、ある日突然、粉々に砕け散る。

「実は…あなたと付き合ってたのは、お金が欲しかったからなの」

清佳の、震える声。信じられない言葉が、ハルトの耳を突き刺した。五年もの間、偽りの愛情でハルトを騙していたというのだ。

「そんな…嘘だ!」

激しい言い争いになった。ハルトの怒りは、制御不能だった。清佳の涙、必死の弁解も、彼の耳には届かなかった。

「もう二度と会わない!」

そう叫んで、ハルトは家を飛び出した。荒れ狂う心を抑えきれず、闇夜の中をひたすら歩いた。

その時だった。一台のトラックが、ハルトに突っ込んできた。

意識が遠のく中、ハルトの脳裏に浮かんだのは、清佳の悲しそうな顔だった。

次にハルトが目を開けた時、見慣れない天井が見えた。

「…ここは…?」

戸惑いながら起き上がると、見慣れたはずの自分の部屋ではない。カレンダーに目をやると、ハルトは言葉を失った。

日付は、五年前の日付だった。自分がトラックに轢かれた日の、五年前。

ハルトは、自分がタイムリープ、いや、もしかしたらパラレルワールドに来たのだと悟った。

村は、見慣れたようで、どこか違っていた。そして、清佳の姿はどこにもない。

不安を抱えながら村を歩いていると、銀色の髪を持つ少女が、ハルトの目の前に現れた。

その少女は、前世の清佳とは似ても似つかない。幼く、小さな体で、ハルトを睨みつけている。

「何よ、あんた。私の顔をジロジロ見て」

少女のツンとした態度に、ハルトは息を呑んだ。しかし、その銀色の髪、どこか見覚えのある顔立ち…

ハルトは確信した。このツンデレなロリっ子は、前世の婚約者、深月清佳なのだ。

五年前の約束は、果たされなかった。しかし、違う世界で、再び出会えた。

ハルトの新たな人生は、ツンデレロリな清佳との、波乱に満ちた、そしてきっと笑いの絶えないラブコメとして幕を開けた。


最初は、清佳のツンデレぶりは、ハルトを戸惑わせた。些細なことで怒り、すぐにそっぽを向く。しかし、その奥底には、ハルトには見えない、繊細な心があることを、ハルトは徐々に感じ始めた。

清佳は、前世とは違う人生を歩んでいる。村の小さな寺で修行する巫女見習いだ。神様を信じ、自然を愛し、ハルトとは想像もできないような生活を送っていた。

ハルトは、清佳の新しい生活を尊重しながら、少しずつ彼女に近づいていった。

一緒に山菜採りをしたり、川で魚を釣ったり。前世では味わえなかった、清佳との穏やかな時間を大切に過ごした。

清佳のツンデレは、時折ハルトをイライラさせるものの、その可愛らしさは、ハルトの心を癒やした。

「…あんたのこと、少しだけ…好きかも…」

ある日、清佳は照れくさそうに、そう呟いた。

ハルトは、清佳を抱きしめた。

五年前の悲劇は、二度と繰り返さない。

この世界で、ハルトは清佳と、本当の幸せを掴むことを決めた。

それは、前世とは全く違う、新しい幸せだった。

清佳のツンデレは、いつまでもハルトを悩ませ、そして楽しませるだろう。

二人の新しい物語は、こうして始まった。
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