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帰還
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しおりを挟む70層を前に、人類はついに探索限界を悟った。
魔力濃度は恒星核に匹敵し、探査機すら数秒で溶融する。もはや「これ以上進む」ことは、技術的にも生物的にも不可能とされた。
政府は方針を転換する。
「征服」から「管理」へ。
ダンジョンは国の脅威であると同時に、資源と魔力供給の根幹でもあった。
そこで行われたのが――
探索者免許制度の再整理。
第一種探索者:最上位資格保持者。もはや最前線に立つのではなく、監視・監督・教育へと任務が移行。国家直属の監察官として若手の育成と治安維持に従事する。
第二種探索者:資源採取・魔物処理・中層域(30~50層)の維持管理を担当。経済の実働部隊。
第三種探索者:主に都市防衛、低層探索、避難誘導などの実務担当。かつての「新人」枠が社会基盤に組み込まれた。
一方、探索の縮小に伴い、国家の関心は**「魔力対応技術」**に移る。
魔力対応銃、魔導炉、結界インフラなどの研究が進むが、それらの素材は依然としてダンジョン由来。
結果として、探索者はもはや冒険者ではなく――
国家維持のための専門職、準公務員的存在へと変貌していった。
だが、第一種探索者の中にはまだ、静かに語り継がれている言葉がある。
「70層の先に、“もう一つの世界”がある」
それを確かめようとする者は、今もほんのわずかに残っている。
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