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帰還
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しおりを挟む「太陽、行ってくる。お利口にしててね」
宇宙は優しく太陽に声をかけると、エレナに抱かれた太陽に手を振った。
ヘリのローター音が鳴り響く。自衛隊の部隊とともに、都市近郊で魔物が氾濫しているダンジョンへと向かう。到着すると、街道は破壊され、建物の残骸からは魔力を帯びた異形の魔物たちが這い出していた。
「特殊個体が多い……手こずるぞ」
自衛隊の指揮官が苦渋の表情を見せる。銃弾も一部通用しない、強力な魔力を帯びた魔物が群れを成している。
宇宙はすぐに戦闘態勢に入る。アルミナCMCアルミナエアロゲルホウ素浸透コルク複合鎧に身を包み、剣と盾を手にした姿は、まるで異世界の戦士のようだ。
魔物たちが攻撃してくるが、宇宙の剣は一閃で異形を断つ。盾で魔力の波動を弾き、瞬時に魔物を制圧する。自衛隊の部隊も、宇宙の誘導に従い魔力対応銃やコンポジットボウで支援する。
戦闘は約一時間で終了。都市近郊のダンジョンは完全に制圧され、残った魔物も数体程度。
「……このダンジョン、前回十分に間引きしたはずなのに……どういうことだ?」
宇宙は剣を鞘に収めながら不審そうに呟く。魔力の濃度、魔物の密度、すべてが以前と違う。何かがおかしい、そう直感した。
都市の被害を確認しつつ、宇宙は次の行動を考える。これは単なる異常発生ではない、何か別の要因で魔物が復活しているに違いないはずだ。
都市近郊のダンジョン制圧後、宇宙は魔物復活の原因を探るため、単独で探索を続ける決意を固めた。前回と同じ50層までは問題なく進む。魔力の強度も制御できる範囲内だ。
「50層……まだ下に行けるか」
アルミナCMCアルミナエアロゲルホウ素浸透コルク複合鎧と剣・盾を身にまとい、宇宙はさらに深部へと踏み込む。
60層に到達する頃には、魔力の噴出は地表で観測していたよりもさらに強力で、中性子線のような魔力波動が空間を覆っていた。魔物はより凶暴化し、身体から発する魔力が周囲を圧倒する。
「……ここまでか」
しかし、剣を握る手に迷いはない。槍状の魔物や多腕の異形も、盾で防ぎながら一刀両断。制圧は可能だが、魔力の反応は異常だ。単なる自然発生ではない。何者かの介入、もしくは未知の魔力源が存在する。
70層に到達した。ここはもはや地上の人間では耐えられない魔力濃度。魔物も、限界に近い強度を帯びている。魔力の乱流に押され、周囲の岩盤や土壌も帯電しているように光る。
だが、宇宙の装備と経験があれば、魔物の攻撃もいなし、戦闘を進めることが可能だ。魔物を討伐しつつ、周囲を観察する。魔力の流れ、地形の変化、魔物の異常進化……何か巨大な魔力の塊が層の奥にあることを示唆していた。
「……70層以降は……誰も耐えられない。俺だけでも調べてみるか」
宇宙は深呼吸し、剣と盾を構えてさらに深層へ進む覚悟を決めた。
だが、魔物の強さは限界に近いようで、これ以上の進行は一撃一撃が致命的になる危険性を帯びている。現状では地上への安全な帰還を考えると、これ以上は無理──しかし、この異常な魔力の流入源は突き止めなければならない。
深層での戦いが、宇宙の新たな挑戦の幕開けを告げていた。
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